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M2 Max搭載MacBook Proから見渡すM2ファミリー実力の全貌(本田雅一)

2023年02月09日 12時00分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子/ASCII

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Media EngineとNeural Engine

 アップルはNeural Engineが4割高速化したと話している。A14からA15への進化の中でもNeural Engineの設計がリフレッシュされたことが明らかにされていたが、M1 MaxとM2 Maxの間も同様の設計変更が行われた上で、さらにクロック周波数の上限が上がってトータルで4割向上したと思われる。

 機械学習処理のベンチマークを実施するテストもあるが、エンドユーザーの視点ではピークの演算性能ではなく、どのような結果が得られるかの方がよほど重要だ。そうした意味では、M1ファミリーとM2ファミリーで「異なる機能が使えるようになる」わけではない。

 例えば、macOSにおける被写体の切り抜きや動画内での文字認識など、Neural Engineを用いた処理の的確さといった部分で「将来」体感することになるだろう。現状はエンドユーザーの立場でそれを意識することはないが、Neural Engineを活用したアプリケーションが増加していることを考えれば、フォトレタッチソフトのAI活用機能などにおいて明確な違いが出てくることもあろう。

 一方、Media Engineに関しては、M1 Maxでも8KのProResをハンドリングできていたことを考えれば、大きな違いがあるというわけではない。設計そのものは同等で2基搭載されてるのも同じだ。しかし数字としての計測は困難だが、Final Cut Proで4KのProResファイルを複数ストリーム読み込みんでレイアウト、バックグラウンドでの中間ファイル生成の様子を見ていると、明らかにM2 Maxの方が早い。これもクロック周波数上昇分の違いなのだろうか。中間ファイル生成が高速になれば、当然ながらそれだけ早いタイミングでシステム負荷が下がる。

 つまり素早く快適に動作する状態になるのだが、加えて省電力な状態にもなるため、バッテリーでの運用時にはさらに有効といえる。

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