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M2 Max搭載MacBook Proから見渡すM2ファミリー実力の全貌(本田雅一)

2023年02月09日 12時00分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子/ASCII

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コアの増分に見合う以上の性能を発揮したGPU

 一方、GPUに関してはコアそのものの設計は、M1とM2での違いは大きな違いはないと見られる。ベースになっているAプロセッサのGPU設計に大差がないためだが、GPUコアが増えれば当然発熱、電流量の増加もある。

 Geekbench 5のGPU演算能力スコア(Metal)の86473は、M1 Maxの64708に比べて33.6%良好な値が出た。コア数の増分は約18.7%に相当するため、コアの最大クロック周波数もCPUと同様に上がっていると考えるのが妥当だろう。

 ちなみにこのスコアは9万8000円でオプション設定されているMac Pro用のGPUカード「AMD Radeon Pro W6600X」を超えるものだ。時代が異なるとはいえ、デスクトップクラスのGPU性能とは言えるだろう。

 また、84万円と極めて高価なMac Pro用ハイエンドGPUカード「AMD Radeon Pro W6900X」のほぼ半分の値という言い方もできる。あくまでも推測ではあるが、M2 UltraがM2 Maxの1.9倍のGPU性能を引き出せると仮定するなら、その数字に肉薄できることが予想できる。

 ゲームシーンをシミュレートするGFX Benchmark Metalも実施したが、Epic GamesのFortniteがMacから失われ、大規模な3DグラフィクスゲームがMac向けにはない現状、ゲームシミュレーションには大きな意味は現時点ではない(Apple Arcadeのゲームに関してはGPUに比較的優しいため、あまり影響はないだろう)。

 Metalをもっと活用した大規模な3Dグラフィクスを駆使するゲーム登場をアップルは促しているため、将来はわからないが、現時点ではクリエイター向けの演算能力として、バッテリー駆動で利用するプラットフォームとしては最高クラスの性能と、圧倒的な省電力性能ではある。Media Engineの助けもあり、高精細なビデオストリームをProResで複数扱う編集をしていても、バッテリー残量などを気にしなければならないことはほとんどない。

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