
本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「Soracom Cloud SMS Deliveryのユースケースとご利用方法紹介」を再編集したものです。
目次
SMS活用のユースケースとメリットSMSのメリットとは?
Soracom Cloud SMS Deliveryを使い始めるまでの流れ
1. SORACOMアカウントの取得
2. Soracom Cloud SMS Deliveryの有効化
3. SMS送信のテスト
まとめ
みなさんこんにちは、ソリューションアーキテクトの松本(ysk)です。
今回は、APIでSMSの送信ができるクラウドサービス「Soracom Cloud SMS Delivery」のユースケースや具体的なご利用方法を紹介します。
まず最初にSMS送信の具体的な方法を知りたい方は「SMS送信のテスト」までスキップしてください。
SMS活用のユースケースとメリット
日々の生活の中では色々なタイミングでSMS(Short Message Service)を通じて大切な情報が届きます。例えば毎月のサービスご利用料金の通知であったり、荷物の配送や集荷のタイミングがSMSを通じて連絡されます。
私は普段SMSを人と送り合うよりも受け取ることの方が多く、受け取ったSMSのほとんどはWebサービスからのログインセキュリティのためのものです。このブログを読んでいる皆さんの中にもそんな方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。


みなさんこんなSMSを受け取ったことありますよね?
そんなサービスやシステムからSMSを送る仕組みを支えるのが「Soracom Cloud SMS Delivery」です。
Soracom Cloud SMS DeliveryはAPI経由でSMSを送るクラウドサービスで、「API経由で」がポイントです。言い換えると「沢山のお客様のスマホやIoTデバイスに対してシステムからSMSを送りたい」ケースに最適です。人と人がSMSを送り合うためではなくて、サービスやシステムから沢山のSMSを送信するユースケースに向いているサービスです。
SMSのメリットとは?
では先に紹介したような荷物の発送通知やセキュリティ情報の連絡は何故SMSを活用することが多いのでしょうか? SMSにはどんなメリットがあるのでしょうか?
SMSは宛先に 090-xxxx-xxxx のような電話番号(MSISDN)を指定します。数字だけなのでメールアドレスよりも入力しやすいため打ち間違いが少ないこと、一般的な感覚としてメールアドレスよりも同じ電話番号を継続して利用しているため到達性が高いこと、この2つの特徴からお客様に伝えたい重要な情報であればあるほどSMSを活用するメリットがあります。
飲食店の待ち行列通知システムのように、通知はしたいけど会員登録するには手間がかかるようなユースケースでも、SMSであれば最低限の情報入力で利用者への通知を実現できますね。
Soracom Cloud SMS Deliveryを使い始めるまでの流れ
では早速Soracom Cloud SMS Deliveryを活用してSMSを送信してみましょう。
次の3ステップですすめていきます。
1. SORACOMアカウントの取得
まず最初にSORACOMのアカウントを取得しましょう。アカウントの取得には受信可能なメールアドレスが必要です。お支払い情報の登録を済ませたら次の手順に進みましょう。
SORACOMアカウント取得ページ
SORACOMアカウント取得までの流れで不明点があれば下記のリンクを参照ください。
2. Soracom Cloud SMS Deliveryの有効化
Soracom Cloud SMS Deliveryのご利用には2023年1月末時点で申請が必要です。次のフォームからSoracom Cloud SMS Deliveryを利用する旨ご連絡をお願いします。
ソラコムの営業担当から、ご利用方法と必要な情報についてご連絡します。
3. SMS送信のテスト
さていよいよSMSを送信してみましょう。SMSの送信はSORACOM APIを通じて宛先や本文等を指定します。本稿公開時点でSoracom Cloud SMS DeliveryのAPIの詳細な仕様は、お使いいただける方のみに公開となっていますが、今回は利用のイメージをお伝えするため、記事公開時点でのAPI仕様に準じて一部ご紹介します。
HTTPリクエスト
curl -X POST -d \ '{ "to": [ "+8190xxxxxxxx" ], "payload": "Hello, world!", "callback": "https://<YOUR_WEBHOOK>" }' -H 'X-Soracom-API-Key: <snip>' \ -H 'X-Soracom-Token: <snip>' \ -H 'Content-Type: application/json' \ https://api.soracom.io/v1/sms_a2p
HTTPレスポンス
[ { "messageId": "sms-xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx", "to": "+8190xxxxxxxx", "status": "pending", "numberOfSegments": 1 } ]
上記を携帯電話の電話番号に送信すると次のようになります。簡単ですね!
APIの詳細解説
SMS送信ではHTTPのボディで宛先電話番号(必須)と本文(必須)の他にWebhook URL(オプション)を指定します。電話番号は+81から始まる国番号を付与したフォーマットで指定します。電話番号の最初が090-xxxx-xxxxであれば、最初の0とハイフン(-)を取ってから+81を付与して+8190xxxxxxxxとなります。
※Soracom Cloud SMS Deliveryは本稿公開時点で日本国内の4キャリア向け(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)のSMS送信に対応しています。
Web hook URLを指定しておくとSMS送信が完了または失敗した際にSORACOMから通知を受け取ることができます。あのSMS届いたかな、、、が簡単にわかります。便利ですね!
ボディの他に、ヘッダにAPIの認証情報を指定します。本稿では認証情報の詳細については割愛しますが、こちらのURLに情報がまとまっていますので興味のある方は参照ください。
まとめ
今回はSoracom Cloud SMS DeliveryでSMSを送信する例をご紹介しました。HTTPリクエスト1回で簡単にSMSを送信できますので、既存のシステムにSMSを活用した機能追加を検討いただくイメージをもっていただけたのではないでしょうか。
今回紹介したのは一番簡単な機能でしたが、他にもSMSをバッチ処理的に送信する便利機能もありますので、まずはユースケースや課題についてお気軽にご相談いただければと思います。
みなさんのご相談をお待ちしています!
― ソラコム松本 (ysk)
投稿 Soracom Cloud SMS Deliveryのユースケースとご利用方法紹介 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
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