12世代+RTX30の1.5倍も高速化していました!

Core i9-13980HX+RTX4090で18型のゲーミングノートPC、ASUS「ROG Strix Scar 18」の速度がスゴかった

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ASUSは18型の大画面ディスプレーを搭載したハイエンドゲーミングノートPC「ROG Strix SCAR 18 G834」を2月8日に発表、予約販売を開始した。

 本製品は18型、WQXGA(2560×1600ドット)、16:10、240Hzの最強ゲーミングディスプレーを搭載したノートPCである。CPUはCore i9 HXシリーズ、GPUは上位機にGeForce RTX 4090が採用されており、処理性能は現行ノートPC最高峰だ。いったいどれだけのパフォーマンスを叩き出してくれるのか、実機レビューで検証していこう。

ASUS「ROG Strix SCAR 18 G834」51万9800円~59万9800円

 

今回は「Core i9-13980HX」、「NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を搭載する「ROG Strix SCAR 18 G834JY」を試用した

 

新デザインの18型に加え
バックライトにミニLEDを採用した16型も登場

 2023年のROG Strix SCARシリーズは今回レビューする18型に加えて、16型もラインナップされている。今回リリースされたのは下記の4機種だ。

「ROG Strix SCAR 18 G834」
・G834JY-I9R4090(59万9800円)
 18型 / Core i9-13980HX / RTX 4090 / RAM32GB / SSD2TB
・G834JZ-I9R4080(51万9800円)
 18型 / Core i9-13980HX / RTX 4080 / RAM32GB / SSD1TB

「ROG Strix SCAR 16 G634」
・G634JY-I9R4090(57万9800円)
 16型 / Core i9-13980HX / RTX 4090 / RAM32GB / SSD1TB
・G634JZ-I9R4080(49万9800円)
 16型 / Core i9-13980HX / RTX 4080 / RAM32GB / SSD1TB

 ディスプレーサイズは18型のほうが上だが、16型はバックライトにミニLEDを採用し、タッチパッドはテンキーが浮かび上がる「NumberPad」仕様となっている。18型と16型のどちらを買うか悩ましいところだ。

 改めて18型の詳細スペックについて解説していくと、OSは「Windows 11 Home 64ビット」、CPUは第13世代(Raptor Lake)の「Core i9-13980HX」(8P+16Eコア、32スレッド、最大5.60GHz、TDP55W)を搭載する。

 GPUは「NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU」または「NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPU」、メモリーは32GB(DDR5-4800 SO-DIMM、2スロット、最大64GB)、ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSDで2TB RAID0(1TB×2)または1TBを搭載する。

 ディスプレーは18型WQXGA IPS液晶(2560×1600ドット、16:10、リフレッシュレート240Hz、応答速度3ms、輝度500cd/m²、色域DCI-P3カバー率100%、Dolby Vision対応、NVIDIA G-SYNC対応、アンチグレア)を搭載。ディスプレー上部には92万画素ウェブカメラとアレイマイクを内蔵している。

 インターフェースは、Thunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.1×1、有線LAN端子(2.5GBASE-T)、3.5mmコンボジャック×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E(11ax)とBluetooth 5.1をサポートしている。

 本体サイズは399×294×23.1~31.1mm、重量は約3.1kg。90Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約9.2時間(JEITA 2.0)。バッテリーのフル充電時間は約1.6時間と高速で、30分で50%まで急速充電可能だ。

本体天面。本体サイズは399×294×23.1~31.1mm

 

本体底面。スニーカーの構造からヒントを得て、安定性を高めるゴム足を採用

 

ディスプレーは18型WQXGA IPS液晶(2560×1600ドット、16:10、リフレッシュレート240Hz、応答速度3ms、輝度500cd/m²、色域DCI-P3カバー率100%、Dolby Vision対応、NVIDIA G-SYNC対応、アンチグレア)

 

キーボードはテンキー付きの108キー日本語仕様

 

本体前面(上)と本体背面(下)。左右側面と底面から吸気して、背面から排気する仕様だ

 

右側面にはUSB 3.2 Gen2 Type-A×2、左側面には電源端子×1、有線LAN端子(2.5GBASE-T)、HDMI 2.1×1、Thunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、3.5mmコンボジャック×1を用意

 

ディスプレーの最大展開角度は実測123度

 

RGB LEDライトはパームレスト手前、ヒンジ部、そして天面のロゴ部に内蔵されている

 

パッケージには本体以外に、ACアダプター、電源ケーブル、アーマーキャップ、説明書、ワランティーカード、「必ず初めにお読みください」、「MyASUS」のちらし、「i-フィルター」のちらしが同梱

 

ACアダプターのコード長は実測120cm、電源ケーブルの長さは実測182cm

 

ACアダプターの型番は「A22-330P1A」。仕様は入力100-240V~4.4A、出力20V 16.5A、容量330W

 

ヒンジ部の「アーマーキャップ」を交換してカスタマイズを楽しめる

 

本体の実測重量は3067g

 

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測1118g

 

キーボードとタッチパッドを刷新
ディスプレーは高色域でクリエイティブワークにも

 ボディーサイズに余裕のある18型はテンキー付きの108キー日本語仕様キーボードを採用。キーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.7mm前後が確保されており、カーソルキーやタッチパッドも大型化された。

 キーの打鍵感は良好で、タッチパッドもストロークは浅く、クリック感は軽く仕上げられており操作しやすい。実測130×85mmのタッチパッドはジェスチャー操作やピンチイン・ピンチアウト操作もしやすいので、ゲーム以外の用途でマウスを必要とすることはない。

キーピッチは実測19mm前後

 

キーストロークは実測1.7mm前後

 

カーソルキーは2022年モデルより大型化されている

 

キーボードはオールキーRGBイルミネート仕様。「Auraエフェクト」でプリセットを設定できるほか、個別に色、明るさをカスタマイズ可能

 

タッチパッドの面積は実測130×85mm。2022年モデルより10%拡大されている

 

 18型WQXGA液晶ディスプレーは、「ROG Nebula Display」と名付けられており、色域はDCI-P3カバー率100%と謳われている。

 実際、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測してみたが、sRGBカバー率は100.0%、sRGB比は137.3%、AdobeRGBカバー率は88.3%、AdobeRGB比は101.8%、DCI-P3カバー率は99.8%、DCI-P3比は101.2%という広色域を確認できた。

 このディスプレーはPantone認証を取得しており、Dolby Visionにも対応している。ゲームプレイ、映像コンテンツ鑑賞の際に、階調豊かなグラフィックを堪能できるわけだ。

18型ディスプレーはPantone認証を取得、HDR再生(Dolby Vision)にも対応している

 

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は137.3%、AdobeRGBカバー率は88.3%、AdobeRGB比は101.8%、DCI-P3カバー率は99.8%、DCI-P3比は101.2%だった。

 

ディスプレーのリフレッシュレートは240Hzと60Hzを選択できる

 

 ウェブカメラは92万画素と現在の基準からは決して高画素というわけではないが、画像処理が優秀なのか室内灯下でも明るく、健康的な肌色で撮影できる。やや赤味が強い傾向はあるが、ウェブ会議に利用するウェブカメラとしては実用上十分なクオリティーだ。

ディスプレー上部には92万画素ウェブカメラとアレイマイクを内蔵

 

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

 

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

 

現行ノートPC最強タッグのCPU&GPUが全開
驚愕のベンチマークスコアを記録

 さて最後に処理性能をチェックしよう。「Core i9-13980HX」、「NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU」を搭載する「ROG Strix SCAR 18 G834JY」(以下SCAR 18)はいったいどれだけのパフォーマンスを発揮するだろうか?

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

 

ベンチマークを実施する際には「Armoury Crate」でパフォーマンスモードを「Turbo」、GPUモードを「Ultimate」に設定している

 

 まずCPU性能だが、CINEBENCH R23で31728pts、CINEBENCH R20で12237ptsとなった。

 昨年モデルの「ROG Strix SCAR 17 SE」(以下SCAR 17)がR23で20085pts、R20で7489ptsだった。Core i9-12950HX」(8P+8Eコア、24スレッド、最大5.00GHz)と「NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Laptop GPU」を搭載するので、SCAR 18はその158%、163%のスコアを記録したことになる。R23で軽々と3万の大台を超えてきたのは本当に驚きだ。

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は31728pts、CPU(Single Core)は2145pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は12237pts、CPU(Single Core)は827pts。

 

「CINEBENCH R23」実行中のCPU温度は平均85.93度、最大96度、クロック周波数は平均3338.03MHz、最大4071MHz

 

「CINEBENCH R23」実行中の消費電力は最大266.685W、平均249.03W、アイドル時の消費電力は54.06W

 

 3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで20419、Fire Strikeで36382、Port Royalで13546、Wild Lifeで121637、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)で20838となった。

 先代のSCAR 17はTime Spyで13806、Fire Strikeで30431、Port Royalで8552、Wild Lifeで78069、FINAL FANTASYで18077だったので、SCAR 18はその148%、120%、158%、156%のスコアを記録したことになる。

 RTX 3080 TiからRTX 4090にアップグレードされたことで、さらに高品質なグラフィックでAAAタイトルをプレイ可能となったわけだ。

「3DMark」のTime Spyは20419、Fire Strikeは36382、Port Royalは13546、Wild Lifeは121637、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは20838(非常に快適)。

 

 ストレージ速度についてはPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」をRAID 0構成で搭載しているだけに、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で11061MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で8760MB/sという圧倒的なパフォーマンスを発揮した。ゲームの起動、ロードで待たされることはないだろう。

ストレージにはPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」をRAID 0構成で搭載

 

「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は11061MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は8760MB/s

 

 最後にバッテリー駆動時間をディスプレー輝度40%、ボリューム40%、「Armoury Crate」の動作モードを「サイレント」、GPUモードを「スタンダード」、キーボードバックライトをオフに設定して、YouTube動画を連続再生したところ、バッテリー残量2%まで5時間27分動作した。

 SCAR 18は18型の大型ディスプレーを搭載しているが、負荷の低めのPCワークであれば実用上十分なバッテリー駆動時間を備えている。

「ROG Strix SCAR 18」は今買える最強ノートPCなのだ

 「ROG Strix SCAR 18 G834JY」は18型で240Hzの広色域ゲーミングディスプレー、現在ノートPC用として最高峰のCPUとGPUを搭載。RAID 0で構成されたストレージも爆速だ。  キーボード、タッチパッドの使い勝手も刷新されており、ユーザービリティーも着実に向上されている。ゲームだけでなくあらゆるアプリを最速で動作させる「最強」ノートPCを探しているのなら、まさに「ROG Strix SCAR 18 G834JY」がその1台だ。

 

過去記事アーカイブ

2024年
01月
02月
03月
04月
2023年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
08月
09月
10月
12月
2022年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2021年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2019年
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月