コストを抑えた第13世代CoreのPCを組みたい幅広い層におすすめのマザーボード
Intel B760チップセット搭載し、拡張や冷却も十分なMSI「MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4」レビュー
続けてPCMark 10。スコアから紹介すると、定格側はOverallが8531、Essentials:11102、Productivity:10447、Digital Content Creation:14527、PL無制限側はOverallが8847、Essentials:11322、Productivity:11214、Digital Content Creation:14799。当然だがこちらもPL無制限のほうが高スコアだ。温度について見ていくと、まずMOSFET温度に関しては40℃前後。なんならPL無制限のほうが低いが、これは検証が夜までかかり室温が低下した(ただし20℃程度はあった)ことも影響している。CINEBENCH R23のように最大負荷が継続するテストではなく、負荷に波があることもあり、温度が上昇する瞬間もあれば負荷が抜けて冷却できる瞬間もある。一般的なアプリケーション使用時のMOSFET温度はほとんど気にする必要がなさそうだ。こうした理由もあり、CPU温度やGPU温度といった大消費電力パーツの温度も、定格、PL無制限とも似たようなグラフ形状だ。ただ、CPU温度を見ると、波の振幅がPL無制限のほうがやや密になっているように感じられる。このあたりも低消費電力(かつ若干キャッシュ容量を減らしクロックを抑えた)CPUに、高性能CPUクーラーを組み合わせたことのメリットと言えるだろうか。
参考までに、今回の構成における3DMarkとFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークのスコアも掲載しておこう。
3DMark | ||
---|---|---|
テスト | 定格 | PL無制限 |
Speed Way | 5065 | 5064 |
Port Royal | 12328 | 12331 |
Time Spy Extreme | 8659 | 8789 |
Time Spy | 16553 | 16558 |
Fire Strike | 34884 | 35493 |
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク | ||
---|---|---|
設定 | 定格 | PL無制限 |
3840×2160ドット、高品質 | 7889(快適) | 7897(快適) |
2560×1440ドット、高品質 | 10973(とても快適) | 11227(とても快適) |
1920×1080ドット、高品質 | 11425(とても快適) | 11307(とても快適) |
3DMarkに関しては、すべてPL無制限のほうが高スコアだが、とくにTime Spy系やFire StrikeのようにCPUテストのあるものは顕著にスコアが向上した。一方、実際のゲームがベースのFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークも、3つの検証設定中、2つに関してはPL無制限のほうが高スコアだった。CPU性能が高いほどスコアが引き出せることに間違いないだろう。ただしフルHDのように、誤差に埋もれてしまうこともあるようだ。
なお、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク時のMOSFET温度は定格時が最大46℃、PL無制限時が43℃。こちらも室温(あるいはケース内温度)の影響のほうが大きいが、ゲームを含めた一般的な用途においてはMOSFET(VRM)の温度は適正に保たれそうだ。
USB 3.2 Gen2x2 Type-Cも搭載
インターフェースでは、まずUSBがUSB 3.2 Gen2x2 Type-Cが1基(リア)、USB 3.2 Gen2が4基(リア)および同Type-Cが1基(フロント)。ネットワークは無線LANがWi-Fi 6E、有線LANが2.5GbE(Realtek RTL8125BG)。オーディオチップはRealtek「ALC897」だ。
なお、リアのUSB 2.0についてはGenesys Logic「GL850G」ハブチップを介して実装。同様にリアのUSB 3.2 Gen2についてはGenesys Logic「GL3590」ハブチップを用いているようだった。
オーディオ回路は、デジタル/アナログ分離、左右チャンネル層を分離、デポップ機能などを備え、HDオーディオにも対応するAUDIO BOOST仕様だ。
ハイエンドからエントリーまで、第13世代Core移行を助ける高コスパマザー
MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4の価格は3万5000円前後。登場間もない現在(執筆時点)でも上位チップセットのMAG Z790 TOMAHAWK WIFI DDR4と比べて1万円ほど安い。第13世代Coreのプラットフォーム価格に手を出しづらかったという方にとって、無視できない価格差だ。全体的なコストを下げることもできるし、ゲーミングPCであれば差額をビデオカードに投資できる。たしかにIntel Z790と比べれば機能を抑えたIntel B760だが、メインストリームのニーズであれば拡張性(拡張カードやストレージ)の点で問題ないだろう。
また、MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4はメインストリーム向けのIntel B760チップセットを搭載するマザーボードだが、組み合わせるCPUやGPUはハイエンドでもよい。その意味で、MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4のターゲットはメインストリームにとどまらない。エントリーでもよい。第13世代CoreのPCを組みたい幅広い層がターゲットだ。MAG B760 TOMAHAWK WIFI DDR4ならDDR4メモリを使い回せるコストパフォーマンスのよさもある。ハイブリッドアーキテクチャ以前のCoreからの買い換えなら、コストを抑えつつ最新アーキテクチャによるCPU性能の向上を実感できるのでオススメのマザーボードだ。
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