【前編】2023年以降のセキュリティトレンドをマカフィー青木大知氏がズバリ解説
2023年は家族の個人情報を守れ! プライバシーはあなたがコントロールする時代へ
2023年01月23日 17時00分更新
ネットはまったく油断できない空間に
過去最悪のフィッシング詐欺被害を被った2022年。ブラックフライデーに代表される大規模通販セールの台頭なども手伝い、ECサイトや銀行、クレジットカード会社、携帯キャリアといった、支払い周りの企業・組織を騙った偽メールが大量にネットを飛び交いました。
また、昨夏にはTwitter社から540万に上るアカウント情報が漏れるなど、企業からの個人情報漏えいもたびたび起きています。海外に目を向けると、オーストラリアで大規模な漏えい事件が続出、特に大手保険会社から全人口の3割強にあたる個人情報が盗まれ、健康状態まで含まれた一部情報がダークウェブ上に公開される事態にまで発展。世界に大きな衝撃を与えました。
企業も相変わらずランサムウェアの恐怖におびえています。主にクラウドサービスのアカウントを狙った標的型メール攻撃は、すでに企業の大小問わず実施されている状態です。
そこで今回から数回にわたって、マカフィー 日本・アジア地域チャネルマーケティング本部長の青木大知さんが語る「2023年以降のセキュリティトレンドとその対策」をご紹介します。ごゆっくりどうぞ。
2023年には何が起きる?
―― さて、どんな話題から始めましょう?
青木 「たぶん2023年はこうなるのでは?」という結論めいたことから喋りたいと思います。
2022年を振り返ると、まずは個人情報周りのトラブルについてメディアさんとお話する機会が多かったです。そして、フィッシング詐欺の記事をアップすると顕著にアクセスが伸びたりもしました。
上記2つの話題はコロナ禍以降、今もセンシティブな状況にあります。コロナ禍と直接関係があるとまでは言えないものの、オンラインサービスの利用頻度が増えたことが原因だと思われます。
また、子どもたちが学校や塾でオンライン授業を受け始めたことからもわかるように、オンラインサービスを利用する年齢層にも幅が出てきました。メディアの受容の仕方も「テレビはあまり見ないけれど、TVerは使ってる」という子が増えています。
これらはパソコン以外のデジタルデバイスの利用頻度が高まっている証拠と言えるのでは。W杯もストリーミング経由で観戦した方が多かったですよね。そして利用デバイスも、ネットにつないだテレビだけとは思えないので、スマホやタブレットも一定数いらっしゃったでしょう。より一層、利用する世代が深くなり、利用デバイスもパーソナライズされたモノになっています。
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