かつてゲームセンターを中心に人気を博したゲームジャンルのひとつに、"脱衣麻雀"があった。まだまだ不良のたまり場といったイメージの強かったゲームセンターの中でも、「格ゲー(格闘ゲーム)」や「縦シュー(縦スクロールシューティングゲーム)」の島よりもさらに奥深くの領域で、なんとも艶めかしい光を放っていたものだ。
脱衣麻雀はその後、社会の変化や家庭用ゲーム機の進化とともに、時代やハードのレーティングに合わせた形でゲームセンター以外の場でも人気を得ていくのだが、2000年代中頃くらいを境に、いつしかあまり姿を見かけなくなってしまった。
ところがここ数年、そんな脱衣麻雀ゲームの名作たちが続々とNintendo Switchへと移植されている。そして昨年12月8日、脱衣麻雀移植ムーブメントの火付け役といっても過言ではないメーカー「シティコネクション」が、『対戦ホットギミック』シリーズ、『スーパーリアル麻雀』シリーズ、『ファイナルロマンス』シリーズに続き、ついに『アイドル雀士スーチーパイ』シリーズを移植リリースした。
12月8日に発売された『アイドル雀士スーチーパイ サターントリビュート』は、往年のゲームハード「セガサターン」で発売された4作がNintendo Switch向けにリマスターされたもので、パッケージ版のみ4作セットで収録されている。
収録タイトルは『アイドル雀士スーチーパイSpecial&Remix』、『アイドル雀士スーチーパイII』、『スーチーパイアドベンチャー ドキドキナイトメア』、『アイドル雀士スーチーパイ発売5周年記念めちゃ限定版○得パッケージ』の4作。
どれも20年以上前の作品であり、X指定(18禁)、もしくはMA18(18歳以上推奨)というレギュレーションでの発売だったので、実際に当時リアルタイムでセガサターン版をプレイしたことがある世代は、今やアラフォーorアラフィフということになる。もちろん筆者もそうだ。……いつのまにかおじさんになっていました。
当時はとても人気のあったシリーズであり、若さゆえのエネルギーを持て余した青春時代に何かとお世話になったファンも多いはず。それが今、時代を超えて現役のゲーム機で遊べるというのは、とても喜ばしいことには違いない。このゲームのターゲット層は明白だ。かつてリアルタイムで遊んだ層、そう、つまりは我々アラフォー・アラフィフジェネレーションなのだ。
だが筆者は思うのだ。オリジナルは20年前のセガサターン時代、平成ど真ん中時代のゲームといえども、つい最近リリースされたゲームをプレイする理由がノスタルジアだけなのでは、それじゃああまりにも寂しいじゃないか!
せっかくだもの、もっと前のめりな姿勢で遊びたい。さらにはアラフォー、アラフィフ世代のみでなく、オリジナル版が発売された頃に生まれたような世代、現役で若さゆえのエネルギーを持て余している世代にも、レトロゲーというくくりを取っ払って遊んでもらいたい!
というわけで、「Nintendo Switchに移植された今だからこそ、本作を積極的にプレイしてほしい」その理由をひとつひとつ述べながら、アイドル雀士スーチーパイ サターントリビュートを前・後編に分けてレビューしていこう。
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