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27型のWQHDカラーマネージメントディスプレーの使用感をレポート

4万円台で購入できるクリエイターの"相棒"、その名は「VP2785-2K」!

文●周防克弥 編集●市川/ASCII

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クリエイティブの作業効率を高めてくれる性能

 ここからは機能面を紹介していく。まず、VP2785-2Kには「KVMスイッチテクノロジー」が搭載されている。これは、1つのキーボードとマウスだけで、2台のPCを切り替えながら操作できるというものだ。

 加えて、PC側に複数の映像出力ポートがなくてもUSB Type-C端子もしくはDisplayPortによるディスプレーのデイジーチェーンも可能。ディスプレー出力用の端子が少ないノートPCでも複数のモニター接続ができるほか、PCとの接続が一本で済むため、設置時にケーブル類がすっきりするはずだ。

 さらに「デュアルカラーエンジン」も搭載していて、1台のディスプレーで異なる色設定を表示できる。PBP(ピクチャー・バイ・ピクチャー)を駆使することで、色設定を変えて制作物を比較したり、編集作業をしたりする使い方が見込める。

KVMスイッチテクノロジーのイメージ

 ほかにも、TUV認証を受けている「アイケアテクノロジー」もポイントだ。フリッカーフリーおよびブルーライトフィルターテクノロジーにより、長時間の作業でも目の負担やストレスを軽減してくれる。長時間作業をすることも多いのでこの機能は個人的にうれしく感じた。

 VP2785-2Kを使ってみて個人的に気に入ったのは、「デュアルカラーモード」だ。これは、印刷用のプロファイルとウェブ用のプロファイルをすぐに切り替えることができる機能だ。筆者はプロカメラマンとして、ウェブ用の写真撮影だけでなく、会社案内や製品の撮影、雑誌、レストランのメニュー撮影など、ウェブと印刷用で様々な撮影をすることが多い。レタッチ作業時、すぐにプロファイルの切り替えができるのはとても便利に感じた。

 もうひとつのお気に入りはパネルのサイズと解像度。WQHDは27型ディスプレーに最適なサイズ感を与えてくれる。普段はフルHDの24型ディスプレーを2台並べて使用しているが、27型の大きさは視認性が高く作業効率も上がる。これならシングルディスプレーでも悪くないと思ったほどだ。

 クリエイティブ系のソフトは総じてメニューやパレットなどが多く、実作業領域は結構狭くなってしまう。だが、27型のサイズ感と解像度の向上によって作業領域が広くなったほか、視認性も向上していると感じた。

 加えて、色精度は「Delta E <2」と高く、仕事道具としての信頼性は十分に高く感じられた。実際に使ってみて裸眼で見ているような色再現性を持っていると言える。色再現性を重視するクリエイティブ用ディスプレーを探している人にオススメできる。

4万円台で購入できるクリエイターの"相棒"

 PCでクリエイティブな作業をする場合、ディスプレーに表示された映像を目で判断して作業を行なうが、この時点で正確な色や明るさが表示できていないと、作業そのものの意味がなくなってしまうことがある。

 作業で使用したディスプレーだけで見たり、そのディスプレーを使って他人に見せたりするのであれば問題はないだろう。だが、制作物を印刷したり、ネット経由で他者に見せたりする場合には、自分の意図したものと違う結果が受け取り側に伝わってしまう可能性も考えられる。

 冒頭でも述べたが、自身が手がけた制作物を多くの人に見せるため、できる限り標準的な色や明るさを表示できるディスプレーが望ましい。また、最終出力が印刷物なら、それこそディスプレーで見たままの印刷ができるよう、それ相応の性能も必須となるだろう。その点、今回試したVP2785-2Kは、これらの条件をクリアしているモデルと言っても過言ではない。

 これから本格的にクリエイティブ的な創作活動を始めようと思うなら、本機は最初に選んで損のないディスプレーだ。また、仕事用だけでなく、YouTubeやSNSなどで動画やイラストを発信したい人にもオススメできる。価格も4万円台とおトクなので、カラーマネージメントディスプレーを探している人は、VP2785-2Kを候補に入れても良さそうだ。

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