このページの本文へ

可搬重量約120kgを実現した メカナムローバーG120A 発売

ヴイストン
2022年12月23日

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ヴイストン
四輪の大型メカナムホイールを搭載した研究開発用台車ロボット

ヴイストン株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:大和信夫)は、可搬重量約120kgを実現した研究開発用台車ロボットの超大型モデル「メカナムローバーG120A」を発売します。



メカナムローバーG120A
■主な特徴
 メカナムローバーG120Aは、弊社製研究開発用台車ロボット「メカナムローバーG120」の後継機です。可搬重量約120kgというモンスタースペックはそのままに、駆動輪にダイレクトドライブタイプのインホイールモーターを採用することにより、従来機種と比較して動作音を大幅に静音化しました。追加工やカスタマイズを行いやすいアルミニウム製のフレーム、ソフトウェア開発を容易なものとするArduino IDE対応、柔軟で高度な制御を実現するROS1対応といった数多くの特徴をそのまま継承しており、超大型の機体でありながら、用途に合わせて幅広い活用が可能なものとなっています。
 四輪メカナムホイールを搭載することにより、前後・左右・回転を組み合わせた自由度の高い移動が可能です。細かい位置制御が求められる搬送・自律移動などの研究開発プロジェクトに好適なほか、豊富なオプションを用意していますので、研究・開発の目的に合わせて機能を拡張、カスタマイズすることが可能です。
 高度化、複雑化が進む自律制御ロボットの研究分野においては、多数のセンシングデバイスやコンピューターを搭載することが求められます。本製品は、実用を見据えた本格的な実証実験などの用途において、単なるカタログスペックに留まらない、真に活用可能な台車ロボットを目指して設計・開発を行いました。


(1) 可搬重量約120kgを実現
 メカナムローバーG120Aは、大型のホイールやモーターを搭載することにより、シリーズ最大の可搬重量を実現しました。複雑化・多目的化する研究・開発用途においても、余裕をもって対応可能な運搬能力を発揮します。
メカナムローバーG120A 120kg運搬イメージ
(※)本製品は乗用を意図して設計されたものではありません。
   また、大型の機体のため、開発や運用には十分な注意をお願いいたします。


(2) ダイレクトドライブモーターを採用した静音構造
 昨今の自律制御台車ロボットは、音声認識デバイスとの連携や周辺環境への配慮などが求められる場面も多く、台車ロボットそのものが静粛に動作することが求められています。本製品では、車輪の駆動にダイレクトドライブモーターを採用することにより、旧製品と比較し動作音を大きく低減しています。
走行音の比較例


(3) 四輪メカナムホイールを搭載し、全方向へ移動が可能
 メカナムローバーG120Aは超大型の機体でありながら、メカナムホイールによる全方向への移動が可能です。最高速度は実測値で1.6m/sを実現し、様々な研究、開発用途に対応することができます。四輪を正確に制御することにより、その場で方向転換が可能なほか、機体の向きを変えずに真横に移動することなどができるため、外部からの正確な位置制御が必要な用途などに特に適しています。
 駆動輪にはそれぞれエンコーダーが搭載されており、速度フィードバックを用いた正確な走行が可能なほか、それぞれの車輪を確実に接地させる目的で、四輪独立のサスペンションも搭載しています。
四輪メカナムホイールを搭載


(4) 有線 / 無線接続による制御が可能
 メカナムローバーG120Aに搭載されている制御ボード「VS-WRC058」は、Wi-Fiによる無線通信と有線のUSBシリアル通信に対応しています。指定のコマンドを用いることで、PCやタブレットなど、様々なデバイスから制御することが可能です。
 また、ゲームパッド型無線コントローラー「VS-C3」が付属するため、PC等を接続しなくても本体を無線操縦することができます。アナログスティックを使用して、全方向へ移動、回転させることもでき、動作確認のための手動操縦や、非常時の操作手段等として使用可能です。


(5) Arduino IDEでプログラム可能
 本製品に搭載されている制御ボード「VS-WRC058」には、ESP32-WROOM-32マイコンが搭載されており、Arduino IDEを用いて制御プログラムを作成することができます。サンプルコードはArduinoライブラリーの形で製品に付属し提供されますので、ユーザー自身の手でファームウェアのカスタマイズを実施することも可能です。
(※)VS-WRC058をArduino IDEを用いてプログラミングする場合、Arduino IDE 1.8.13以上が動作する環境が必要です。


(6) 非常停止スイッチを標準搭載
 本製品には「非常停止スイッチ」を標準搭載しています。また、あらかじめ用意された取り付け穴を利用する等にて、非常停止スイッチの取り付け位置も変更が可能です。実運用の状況や追加する拡張機器の搭載状況などに応じ、ユーザー側で入れ替えて使用することを想定しています。
非常停止スイッチを標準搭載
非常停止スイッチの移動例(1)
非常停止スイッチの移動例(2)



(7) ROS1による制御に対応
 メカナムローバーG120AはROS(ROS1)メッセージ通信に対応しており、ROSが動作するデバイスとWi-FiまたはUSBケーブルで接続することで、rosserialのパッケージを用いたROS1のメッセージ通信が可能です。
 標準ファームウェアでは、geometry_msgs/Twist型を使って、ROSから本製品に対して移動速度指令値を送信したり、本製品から現在速度やバッテリー電圧を取得したりすることが可能です。また、ユーザーの手によってファームウェアを変更することで、上記の他にも任意のメッセージを送受信することが可能です。

 また本製品について、3Dシミュレーターである「Gazebo」用のモデルを提供予定です(目的の動作内容によっては、サンプルに含まれない開発が追加で必要となる場合があります)。

 なお、ROSを動作させるデバイスは、別に用意する必要があります。弊社で推奨するデバイスの動作環境は次の通りです(本製品に含まれないライブラリーなどのセットアップが追加で必要になる場合があります)。別売の「ROS PC(UM350)オプション」などが便利です。

【ROS使用時の推奨動作環境】



(※)上記条件を満たしていても、相性などにより、正常に動作しない場合があります。
(※)仮想環境は、タイムラグにより安全な制御が行えない場合があり、推奨しておりません。


(8) 拡張しやすいアルミフレームを採用
 本製品の本体フレームはアルミ部材にて構成されています。十分な強度を持つと同時に加工が容易なので、ユーザー自身の手で、様々な拡張を容易に行うことができます。上部天板に取り付け穴を開けて部品を追加することも可能で、研究・開発の推進に欠かせない自由な拡張性をもたらします。


(9) 多彩なオプション品に対応
 メカナムローバーG120Aは、数多くのオプション品に対応しています。用途に合わせてセンサーや構成部品を追加することが可能で、多様な研究・開発分野にて、大型の研究開発用台車ロボットの能力を存分に活用することができます。
拡張機器搭載例 1 (LRFオプション(TG30)、ROS PC(UM350)オプション、拡張機器用電源基板VS-WRC054、バンパーオプション(前後)を搭載)
拡張機器搭載例 2 (LRFオプション(TG30)、ROS PC(UM350)オプション、拡張機器用電源基板VS-WRC054、バンパーオプション(前後)、 デプスカメラオプション、台車用ロボットアーム AMIR 740を搭載)




■販売について
 ヴイストン株式会社の公式Webショップにてご注文を受け付けます。本製品は受注生産品です。

・メカナムローバーG120A : オープン価格
 製品ページ: https://www.vstone.co.jp/products/wheelrobot/g120a.html
 販売ページ: https://www.vstone.co.jp/robotshop/index.php?main_page=product_info&products_id=5359

・LRFオプション(TG30) / 1式:88,000円(10%消費税込み)
 機体周囲の障害物等を検知するレーザーレンジファインダー(LRF)を取り付ける、本体注文時の有償オプションです。機体の前後に取り付けが可能です。

・バンパーオプション(前後) / 1式:88,000円(10%消費税込み)
 壁等との衝突を検知できるバンパーセンサーをロボットの前後に取り付ける、本体注文時の有償オプションです。

・バンパーオプション(全周囲) / 1式:176,000円(10%消費税込み)
 壁等との衝突を検知できるバンパーセンサーをロボットの全周囲に取り付ける、本体注文時の有償オプションです。

・拡張機器用電源基板 VS-WRC054 / 1式:44,000円(10%消費税込み)
 Raspberry Pi 4BやROS PC(UM350)オプションなどの拡張機器を搭載した際に、本製品内蔵のバッテリーから電源を供給する、本体注文時の有償オプションです。Raspberry Pi 4Bオプション搭載時およびROS PC(UM350)オプション搭載時には必須となります。

・Raspberry Pi 4Bオプション / 1式:14,300円(10%消費税込み)
 Raspberry Pi 4B 4GB版を取り付けて出荷する、本体注文時の有償オプションです。拡張機器用電源基板 VS-WRC054が別途必要です。SDカードおよびOSイメージは付属しません。

・ワイヤレス充電オプション / 1式:330,000円(10%消費税込み)
 無線充電の機能を追加する、本体注文時の有償オプションです。機体の前後に取り付けが可能です。

・ROS PC(UM350)オプション / 1式:253,000円(10%消費税込み)
 ROSで制御するための環境構築済みPCを取り付ける、本体注文時の有償オプションです。拡張機器用電源基板 VS-WRC054が別途必要です。

・カメラステーオプション / 1式:16,500円(10%消費税込み)
 別売のデプスカメラなどを固定できるカメラステーを取り付ける、本体注文時の有償オプションです。天板から265mmまでの任意の高さにカメラを固定でき、固定角度も調整可能です。理想的なカメラ位置・角度で運用が可能です。

・デプスカメラオプション / 1式:108,900円(10%消費税込み)
 深度情報を含んだフルカラーRGB画像が取得できるステレオカメラ(RGB-Dカメラ)を搭載する、本体注文時の有償オプションです。「カメラステーオプション」に含まれるカメラステーも本オプションに含まれます。

・リモート制御オプション(PCなし) / 1式:123,200円(10%消費税込み)
 本製品に搭載するPC内でZoom社のWebミーティングを実行しつつ、遠隔地から台車ロボットの操縦を可能とする、本体注文時の有償オプションです。本オプションにおいてはPC本体は別売となるほか、付属するドキュメントに従って専用サーバーなどの準備が別途必要となります。

・リモート制御オプション(PCあり) / 1式:420,200円(10%消費税込み)
 本製品に搭載したPC内でZoom社のWebミーティングを実行しつつ、遠隔地から台車ロボットの操縦を可能とする、本体注文時の有償オプションです。本オプションにおいてはPC本体も含まれますが、付属するドキュメントに従って専用サーバーなどの準備が別途必要となります。

・パンチルト装置オプション(カメラなし) / 1式:66,000円(10%消費税込み)
 台車ロボットの天板に搭載可能なステーと、パン・チルトそれぞれに可動軸を持つカメラ台とを追加するオプションです。

・パンチルト装置オプション(カメラ付き) / 1式:158,400円(10%消費税込み)
 台車ロボットの天板に搭載可能なステーと、パン・チルトそれぞれに可動軸を持つカメラ台とを追加するオプションです。対応するデプスカメラが付属します(ROS PC(UM350)オプションなど、デプスカメラを接続するためのROSデバイスが別途必要です)。

・台車用ロボットアーム AMIR(アミル) 740 / 1式:770,000円(10%消費税込み)
 台車ロボットへの搭載に適したROS対応のロボットアームです。アーム単体での可搬重量2kgを実現しており、台車ロボット単体では難しい、対象物を掴む・持ち上げる・移動させるといった、複雑で多彩な用途に応用が可能です(ROSで制御する場合、ROS PC(UM350)オプションなどのROSデバイスが別途必要です)。

■構成図



■本製品のYouTube動画





■本体仕様





(※)本製品は屋内専用です。屋外での使用は想定しておりません。
   また、製品の仕様は予告なく変更となる場合があります



■寸法図




■本件に関するお問い合わせ先
ヴイストン株式会社
〒555-0012 大阪府大阪市西淀川区御幣島 2-15-28
E-mail: infodesk@vstone.co.jp
https://www.vstone.co.jp/

Arduinoは、Arduino AGの登録商標です。
AMD、AMD Ryzen、Radeonは、Advanced Micro Devices, Inc.の登録商標または商標です。
UbuntuはCanonical Ltd.の商標または登録商標です。
SDおよびSDロゴは、SD-3C LLCの登録商標または商標です。
ZoomはZoom Video Communications, Inc.のサービスであり、ZoomロゴはZoom Video Communications, Inc.の登録商標です。
Bluetooth(R)は、Bluetooth SIG, Inc. USAの登録商標または商標です。
Raspberry PiはRaspberry Pi財団の登録商標または商標です。
ROS、Gazeboは、Open Source Robotics Foundation, Inc.によるオープンソースのプロジェクトです。
Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
その他、記載されている製品名などの固有名詞は、一般に各社の登録商標または商標です。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン