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Dr.SumとMotionBoardはユーザー企業のDXに役立っているのか?

ウイングアーク1stの「nest祭り」では開発者とユーザーがガチ意見交換

2022年12月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 10月12~14日に開催されたウイングアーク1stのDXイベント「updataDX 22」の最終プログラムは、「ウイングアークユーザーのためのnest祭り」と称したユーザーコミュニティセッション。イベントの前半では、Dr.SumとMotionBoardの開発者とそのユーザーが登壇し、導入メリットや課題について意見を交わしあった。

ウイングアークユーザーのためのnest祭り開催!

単なるBIツールの入れ替えから、3段階を踏んでデータ活用へ

 ビジネス、組織・人材、テクノロジーなどさまざまな角度でDXについて深掘りしてきた「updata DX22」。ラストを飾るnest祭りの前半はユーザー×開発者のクロストークで、「ウイングアーク1stの製品はユーザーの役に立っているのか?」というテーマを掘り下げる。nestはウイングアーク1stの製品・サービスを利用しているユーザーのコミュニティで、データ活用のみならずIT活用の成功を支援している。

 登壇したのは、ウイングアーク1stでDr.Sumの開発に23年携わっている笹原徹さん、MotionBoardの開発を統括している高橋慶さん。ユーザーとしては「MotionBoardマイスターになろう!」という大阪ワーキンググループのリーダーであるエムオーテックスの芝田沙織さん 、nestの九州・沖縄と製造業のワーキンググループをリードするヤンマー建機の田中重信さん、nest中四国ワーキンググループのリーダーであるひろぎんITソリューションズの品川直子さんの5人。

ウイングアーク1st DataEmpowerment事業部 Dr.Sum開発部 笹原徹さん

 自己紹介後にスタートしたお題は「ウイングアーク1stの製品がDXの役に立てている話」。ユーザー企業に常駐してDr.Sumの導入・運用を手がけている品川さんは、「3段階の可視化でデータを溜めて使い回す価値を現場が理解するようになった」というテーマで自ら手がけているクライアントの事例を披露する。

 品川さんのクライアントは6年前にDr.Sumを導入したが、そのときはデータ活用という文化はなかった。「ただ、古いBIツールをなにかに載せ替えなければならないだけだった」と振り返る。しかし、Dr.Sumを使ったところ、速くて、使いやすい。だったら、「他メーカーのツールでやっている分析をDr.Sumでやればいいのでは?」という話になり、データの移行を進めたところ、今度は現場の人から「こんなデータ出せない?」と言われるようになった。これが第1段階の可視化だ。

nest中四国ワーキンググループのリーダーの品川直子さん

 第2段階では、紙で回していた予実管理をMotionBoardでデジタル化したところ、部門ごとにいつでも見られるようにしたら、現場から評価された。そしていよいよ第3段階。「ここまで行って初めて、今までと違う使い方をするようになった」とのことで、行政のハザードマップをDr.Sumに取り込み、顧客の所在地と重ね合わせ、リスク分析を顧客に展開するようにした。「3段階で、ようやくデータ活用できるようになった。現場の人がDr.Sumと言うようになった。こんなの今までのBIツールではなかった」(品川氏)。

MotionBoardという言葉が社内で通用するように

 芝田さんのエムオーテックスでは、ウイングアーク1s t社内でも実際に使われている「MAPPA(マッパ)」を参考に営業ダッシュボードを作っている。「最初はマネージャーである課長以上にライセンスを渡し、トップダウンに近い形で展開し、そこから各営業メンバーにダッシュボードを見てもらおうとしている」と芝田さんは説明する。

「MotionBoardマイスターになろう!」という大阪ワーキンググループのリーダーを務めるエムオーテックスの芝田沙織さん

 「活用してもらえそうか?」という笹原さんの質問に対して、芝田さんは「伸びしろはあるなと思っています。閲覧履歴で見ると、見ている人と見ていない人の差はある。でも、見ている人は、ダッシュボードを元に自分の弱点がわかってきます」とコメント。自ら気づくことができれば、ダッシュボードはおのずと活用できるはずと今後の見通しを語った。

 田中さんの所属するヤンマー建機では「MotionBoard」という言葉が社内で流通するようになった。「BIツールというと逆に知らない」という状況が生まれているという。とある部門の生産計画にはMotionBoardという固有名詞が出てきた。「もちろん、機能は素晴らしいのだが、知名度も拡がったし、親しみやすい」と田中氏はコメントする。

nestの九州・沖縄と製造業のワーキンググループをリードするヤンマー建機の田中重信さん

 同社では、MotionBoard Cloud、Dr.Sum、MotionBoardオンプレ版の順番に導入し、230名のユーザーが利用。同じウイングアーク1stの電子帳票プラットフォームInvoiceAgentも活用されており、「ウイングアーク1stさんのレールに乗っている。乗せられているのではなく、よく言えば、みんなが使えるようにレールを作ってくれている。右往左往せずに済む」(田中氏)。

 コメントを聞いた開発者の2人は「社内で認知されているのはうれしいですねえ」とコメント。高橋さんの「Dr.Sumはサムるとか言われますが、MotionBoardはなんて言えばいいんですかね~」というコメントに対して、笹原さんは「モブる?(笑)」と返す。ウイングアーク1stのレールに乗ったという事例について、笹原さんは「データをおさえ、基盤を構築して、いかに使うか。われわれの目指す方向にうまくはまったと思います」と語る。

 あとからMotionBoardのオンプレ版を導入したことについて、田中氏が「われわれは生産系なので、クラウドでなくてもいい。工場内のデータなので、オンプレで充分。一番いいのは、ライセンスをいくらでも増やせる」と語ると、横にいる品川さんは「そうそう」とうなずく。多くの人に使ってもらうのであれば、オンプレミス版の方がよいというのが結論。「クラウド版も100円とかだったら、みんなで使える。ぜひしてください」とリクエストを出した。

インポートや集計はめちゃ速いんだけど……

 次のお題は「今こそ開発者に伝えたいこと」。芝田さんは「使える機能が多すぎます!3D表示とか増えましたが、営業は使わない。MotionBoardはどこに向かっているんでしょうか?」と逆質問。高橋さんは、「MotionBoardは可視化のツール。表示したいデータがあるなら、それを表現する方法をつねに目指しています」と語る。

今こそ開発者に伝えたいこと

 品川さんは、MotionBoardはオフラインマップの充実。「うちはオンプレミス版なので、インターネットに出ず、社内LANだけで使えます。このオフラインで使えるマップは4種類あるんだけど、もう少し充実して欲しいというのは千回くらいお客さまから言われました」とコメントする。「データを準備するのがホント大変なんですよねー」と高橋さんが語ると、「わかってるけど……。聞かれたから言った(笑)」と品川さんも答える。

 もう1つの要望は、Dr.Sumのアップデート処理の高速化。「Dr.Sumってインポートはめちゃ速い。集計も速い。でも、すでに入っているデータの更新処理がちょっと苦手なのよね」と品川さん。カラム型データベースは集計は得意だが、追加や削除、更新は苦手なので、そもそもアーキテクチャの問題。「難しいのはわかってるんだけど……。聞かれたから言った(笑)」という品川さんに、「アップデートねええ。……うーん」と開発者の笹原さんは固まる。とはいえ、要望としてはよく出てくるので、バッチでなんとか処理を高速化できないか模索していきたいという。

 最後、田中さんは「とにかくなにも知らない人でも使えるツールにしてもらいたい」とリクエストを出す。「MotionBoardのライセンスを増やすと、使いたいけど、よくわからないという人がどんどん沸いて出てくるようになった」と田中氏は語る。とはいえ、MotionBoardを使いこなせるようになると、次はDr.Sumを使いたいという人も増える。「エンタープライズマネージャーは使いやすいけど、幼稚園やお年寄りでも使えるくらいにしてもらえると助かる」と田中氏。

開発者とユーザーの距離も近いnest参加のメリット

 田中さんの会社でも使う人が増えてきたMotionBoard。「MotionBoardってかゆいところに手が届くんですよ。でも、そこまでに2時間かかる」と田中氏は指摘する。たとえば、作業の途中でガイダンスが出てくる、究極的には「やりたいことを言えばボードが出てくる」くらいのことまでできればと要望を出す。「さすがに今日は難しいと思うけど」と田中さんのコメントに、「1年後でも難しいかも……」と高橋さんもタジタジになる。

ウイングアーク1st DataEmpowerment事業部 MotionBoard開発部 高橋慶さん

 笹原さんは、基調講演に登壇したThoughtSpotを紹介。キーワードを入力すると、ダッシュボードやグラフの候補を表示してくれるので、「MotionBoardもできるはずだ(笑)」とコメントする。また、自ら手がけるDr.Sumに関しては「SQLを知らなくても、使えるように設計しているけど、急に出てきたりする。それをなるべくなくしたい」とコメントした。

 最後、笹原さんはウイングアーク1stのユーザーコミュニティ「nest」について紹介。参加すると登録している熟練のユーザーが迅速に質問にも答えてくれるとアピール。また、開発者とユーザーの距離が近いのもnestのメリットとのこと。聴衆に対してnestへの参加を促した後、セッションの前半は終了した。

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