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理研など、中性子星「マグネター」の正体をX線偏光の観測で解明

2022年12月07日 06時36分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所などの国際共同研究チームは、「マグネター(磁石星)」と呼ばれる中性子星からのX線偏光を世界で初めて観測。マグネターが超強磁場を持つと仮定した理論モデルから予想される値と一致し、マグネターが実際に超強磁場を持つことを裏付けた。これまでさまざまな方法で、マグネターに超強磁場が存在している可能性が示されていたが、観測的に実証されていなかった。

理化学研究所などの国際共同研究チームは、「マグネター(磁石星)」と呼ばれる中性子星からのX線偏光を世界で初めて観測。マグネターが超強磁場を持つと仮定した理論モデルから予想される値と一致し、マグネターが実際に超強磁場を持つことを裏付けた。これまでさまざまな方法で、マグネターに超強磁場が存在している可能性が示されていたが、観測的に実証されていなかった。 研究チームは今回、地球磁気の26兆倍(130億テスラ)もの強い磁場を持つとされる、カシオペア座の方向1万3000光年の位置にあるマグネター「4U 0142+61」を、X線偏光観測衛星「IXPE(Imaging X-ray Polarimetry Explorer)」により観測。X線偏光の偏り方向(偏光角)とその偏り度合い(偏光度)を測定した。IXPEは2021年12月9日に米国航空宇宙局(NASA)とイタリア宇宙機関が打ち上げた、世界初の高感度X線偏光観測衛星である。 観測結果から、①X線の偏光度は低エネルギー側では約15%であり、5キロ電子ボルト付近でいったん0%程度まで低下した後、高エネルギー側では約30%まで上昇すること、②X線の偏光角は、低エネルギー側と高エネルギー側でちょうど90度方向が異なり、偏光度が0%になる5キロ電子ボルト付近で偏光角が90度回転していること、が分かった。さらに、①の結果は、マグネターが超強磁場を持つとした理論モデルの一つでうまく説明できること、②の結果からは、マグネター表面には大気は存在せず、超強磁場により凝集された固体地殻が宇宙空間にむき出しになっている可能性が高いことを示した。 今回の研究成果は、科学雑誌サイエンス(Science)のオンライン版に2022年11月3日付けで掲載された

(中條)

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