Core i9とRTX 3080 Ti Laptopで144Hzの17.3型ディスプレーを存分に使える1台
ゲーミングノートPCでもレイトレを大画面で存分に堪能せよ!
2022年12月14日 11時00分更新
現時点での最高峰CPU&GPUで、ゲーミングノートパソコンの最大パフォーマンスを確認
LEVEL-17FG180-i9-WASXには、インテルの第12世代CoreプロセッサーとなるCore i9-12900Hが搭載されている。性能重視のPコアを6基、効率重視のEコアを8基搭載する合計14コア/20スレッドのハイブリッド・アーキテクチャーCPUだ。最大ブースト時の動作クロックは5.0GHzに達する。ノートパソコンで動作クロック5.0GHzに到達するようになったのか……と感慨にふけてしまうようなスペックだ。
システムメモリーは16GB(DDR4-3200 8GB×2)を搭載。ゲーミング用途としては必要十分な容量といえるだろう。注文時のBTOカスタマイズで、メモリーは最大64GBまで変更可能となっており、クリエイティブ用途なども考慮に入れているのであれば、32GBへの増量もオススメだ。
ゲーミングパソコンにとって、もっとも重要なGPUはRTX 3080 Ti Laptopを搭載する。RTX 4000シリーズのモバイル向けGPUがまだ登場していない2022年12月現在、最高性能のノートパソコン向けGPUとして君臨するのが、RTX 3080 Ti Laptopだ。
消費電力の都合上デスクトップPC向け「GeForce RTX 3080 Ti」から規模縮小されている点は仕方ないものの、ビデオメモリーに関してはRTX 3080 Tiの12GBに対してRTX 3080Ti Laptopでは16GBに増量されているなど、一部スペックで凌駕しているポイントもある。
また、ノートパソコン向けGPU特有の動作として、CPU内蔵GPUの「インテル Iris Xe グラフィックス」も同時に動作しており、通常用途時は基本的に内蔵GPUへ処理が切り替わり、消費電力を抑える設計になっている。
なお、LEVEL-17FG180-i9-WASXは付属アプリの「Control Center 3.0」にてパソコンの動作モードを変更できるようになっている。「省電力」「静音」「エンターテイメント」「パフォーマンス」の4つの動作モードが用意されており、デフォルトでは性能と発熱のバランスに優れた「エンターテイメント」に設定されている。
今回の検証ではLEVEL-17FG180-i9-WASXの最大パワーを検証するため、とくに断り書きを入れていない限り、パフォーマンスモードで動作させた結果を、検証に用いている。
では、定番ベンチマークでLEVEL-17FG180-i9-WASXの基本性能を確認していこう。
最初は、CPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を、3DCGのレンダリング速度で測る定番の「CINEBENCH R23」の実行結果から。
結果は、マルチコアが15655pts、シングルコアが1899pts。ノートパソコン向けハイエンドCPUらしい高スコアで、ここまでくると比較対象はデスクトップパソコン向けのCPUになってくるだろう。マルチ/シングル性能ともにAMDの「Ryzen 7 5800X」を凌駕しており、わずか1世代前のデスクトップパソコン向けハイエンドCPUを超える性能を、ノートパソコンが叩き出していることになる。
また、LEVEL-17FG180-i9-WASXの動作モードの違いによる挙動や性能の差を確認するために、静音モードでもCINEBENCH R23を走らせてみた結果が、次のとおり。
結果はマルチコアが8362pts、シングルコアが1806pts。マルチ性能は半分程度になってしまったが、シングル性能は5%ほどしか低下していないことがわかる。これだけのシングル性能があれば普段使いに困ることはなく、ゲームプレイ時以外は常に静音モードでも問題ないといえるくらいだ。
なお、ベンチマーク実行中のCPU単体の消費電力をチェックしてみたところ、パフォーマンスモードでは約75W、静音モードでは約25Wとなっていた。静音モードでも電力はそこそこ確保されており、このおかげでシングル性能の低下が5%ほどに抑えられていると考えられる。
続いて、実アプリケーションに近い負荷でパソコン全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2574)の結果を見ていこう。
総合スコアは7917で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、ウェブブラウジングの性能を測る「Essentials」が11119。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が11102。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が10907という結果になった。
Essentials、Productivity、DCC、3つの項目がすべてスコアが10000の大台を超えており、あらゆる作業を快適に実行できることが結果にも表れている。
ただ、ベンチマークのログを確認してみると、この状態でも一部のOpen CL処理にインテル Iris Xe グラフィックスの方が用いられているようで、稼働GPUの切り替えがあまり上手くいっていない様子も伺える。これは、どちらかというとPCMark 10側の仕様のようなので、致し方ないところだろう。
続いて、3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8043)を計測した。
DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが26717、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが8354というスコアに。DirectX 12のテストを行なう「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが12435、4KのTime Spy Extremeが5976という結果になった。Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」のスコアーは8000。DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」のスコアーは3206だった。
いずれもハイエンドゲーミングノートパソコンに相応しい高いスコアーを記録している。例えば、現在のゲーミングノートパソコンの売れ筋ともいえる「GeForce RTX 3060 Laptop」を搭載したゲーミングノートパソコンと比較した場合、約1.3~1.6倍のスコアーを達成しており、とくに負荷の高いPort RoyalやSpeed Wayで大きな差が生じている。つまり、よりリッチなグラフィックス設定でゲームを楽しみたい場合に、RTX 3080 Ti Laptopを搭載するLEVEL-17FG180-i9-WASXの真価が発揮されるということだろう。
最後の基本性能ベンチマークとして、内蔵ストレージの転送速度を「CrystalDiskMark 8.0.4」で計測した。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機には「Intel SSD 670pシリーズ」が搭載されていた。PCI Express Gen3接続で、3D QLC NANDを採用する500GBのM.2 NVMe SSDだ。
テスト結果はシーケンシャルリードが3000MB/s、シーケンシャルライトが1659MB/sとなった。リード性能はPCI Express Gen3接続のSSDの中でミドルハイクラスに位置し、パソコンの起動やゲームのローディングもとくに不満を感じるような部分はなかった。
ただ、ストレージ容量が標準だと500GBという点は、ゲーミングパソコンとして少し心もとない。ゲーム1本あたり約50GB前後の容量が当たり前になり、100GB超えのゲームも珍しくなくなった昨今、1TBは用意しておきたいところだ。
LEVEL-17FG180-i9-WASXは2枚目のM.2 NVMe SSDが増設可能で、注文時のカスタマイズオプションで追加することもできる。最初から1TB SSDを増設しておくのも、かなりオススメできるオプションだ。