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スマホ1台で高度な弾道解析も可能 ゴルフトレーニングアプリ「Golfboy」

2022年12月07日 07時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集●ASCII STARTUP編集部

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 密を気にせず屋外で楽しめるとして、ゴルフの人気が高まっている。同時に、レッスン用のサービスやアプリも増えているが、その中でも特に高い評価を得ているのが、株式会社Qonceptが2021年3月にリリースした打球計測からスイング解析まで可能というトレーニングアプリ「Golfboy」だ。海外からも注目を集める同アプリの特徴や高く評価を得ているポイントを紹介する。

1台で複数のトレーニングサポートができるアプリ

 冒頭でも説明したように、Golfboyは弾道解析やスイング解析ができるゴルフトレーニングのサポートアプリだ。iPhoneを取り付けた三脚を設置するだけで、ボールやクラブの速度、飛距離、打出方向などを測定することが可能。ボールをインパクトする前後のクラブ軌道(クラブパス)の合成画像も自動的に生成されるので、ヘッドの向きや全体的なクラブ軌道を確認することもできる。

 パットの場合も同様で、ボールやクラブを解析し、パターのフェース角、ボール速度などを測定。カップまでの距離をあらかじめ設定しておくことで、「仮想カップ」までどのくらいの距離まで近づいたのか分かるような仕組みになっている。さらに、2022年9月28日にリリースされたレポート機能では、フェイス角やクラブ軌道がCGで可視化され、パターのフィッティングにも活用できる機能も搭載された。

 スイング解析機能は、カメラに映る人の動きを検知し、スイングの自動撮影が可能だ。スイング動画の撮影だけでなく、スイングの合成画像やパノラマ画像の生成、過去データとの比較もできる。
(※スイング解析には、iPhone 11、iPhone SE2以上の端末の利用が必要)

 ほかにも、2台のiPhoneをペアリングさせ、1台を弾道解析用として設置、もう1台を打席後方にスイング全体が映るように設置すれば、自動撮影に加え、ボールの軌跡を付けることもできる。また、弾道計測の仕組みを利用したシミュレーションゴルフ機能や、シミュレーション用のコース作成機能など盛りだくさんの内容となっている。

革命的な技術を用いた3次元での弾道解析

 Golfboyに用いられている技術で特筆すべきなのは「弾道の解析(飛距離の計算)」だ。従来、ボールの弾道を解析するには、ボールの三次元的な動きの把握が必要で、複数台のカメラやレーザセンサーを用いて解析されるのが一般的だ。そのため、iPhoneのカメラ映像だけで、ボールの3次元的な動きを高精度で把握することは困難を極める。

 しかし、Golfboyでは、独自の研究開発により、カメラ映像から取得できる2次元的なボールの動きを、3次元的な動きへと変換するプログラムの開発(特許取得済)に成功。1台のiPhoneを床に向けて撮影した映像のみで、弾道の解析を可能にした。同アプリの開発者である藤田洋介氏によると「iPhoneのカメラ映像だけで、この精度で弾道解析をすることは他では容易に真似できない」と話す。

 また、藤田氏は「打球計測やスイング解析が単体で利用可能なアプリは国内外に存在するが、これだけ複数の機能を兼ね備えたアプリは世界的にも類を見ない」という。アプリ1つでゴルフトレーニング全体がカバーできるというのも、Golfboyが高く評価されているポイントだろう。

Golfboyを技術がテレビ中継でも使われている

 藤田氏は、「自分自身がゴルフをたしなむことから『自分が使いたいアプリを作りたい』という思いでGolfboyを作った」と話す。そのため、主なターゲットはゴルフのビギナーから中級ゴルファーとなっているが、思いのほか上級者の利用が多いという。

 特に、クラブパスが手軽に確認できるのは、上級者やレッスンコーチから高く評価されているポイント。また、スイング動画についても、比較する2つの動画の動きが同じ姿勢になるよう自動でフレーム調整をしてくれる。できるだけ手間を減らし、トレーニングに集中できるような工夫がされているのも、本アプリが好評を得ているポイントだ。

 Golfboyには、BtoCのプロダクトのほかに、「Golfboy Swing」というゴルフレッスンに特化したプロダクトもある。iPadでの利用が可能で、Golfboyと同様のスイング解析と比較機能に加え、骨格を利用した詳細な解析を行うほか、コーチングがしやすいように、文字や矢印を書き込むこともできる。

 また、Golfboyのトラッキング技術を用いた、「GolfboyLive」というテレビ中継システムも展開している。撮影した映像からボールを自動で認識し、パットのボールの軌跡のCGを映像上にリアルタイムでオーバーレイするという技術だ。2022年6月に行われた「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」、「アース・モンダミンカップ」など、複数の大会で利用されており、今後も多くの大会での活躍が期待されている。

 Golfboyは、「1つのアプリで複数のトレーニングサポートができる」という総合性だけでなく、ほかに類を見ない革新的な技術が用いられていることも高く評価されているポイントだ。イギリスのYouTuberが動画内で紹介し、高い反響を得るなど海外での認知度も高まっている。Golfboyが海外でも広く利用されるアプリへと成長するのか、今後の展開に注目だ。

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