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i5モデルでも前世代のi7以上!

前世代機の上位モデル超えのハイパフォーマンス! 第12世代Coreプロセッサー搭載<ThinkPad X1 Carbon Gen10>レビュー

2023年01月12日 11時00分更新

文● こまめブログ 編集●ASCII

提供: レノボ・ジャパン

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インテル第12世代Coreプロセッサーの高いパフォーマンス

 続いて、<ThinkPad X1 Carbon Gen 10>の性能の目安となる各種ベンチマークテストの結果をご覧いただこう。テスト機の構成はCPUが第12世代インテルCore i5-1235U(Eコア×8 最大3.30GHz Pコア×2 最大4.40GHz)で、メモリーは16GB LPDDR5-5200MHz(オンボード)、ストレージは256GBのPCIe NVMe/M.2 SSD、グラフィックスは、CPU内蔵のインテルIris Xeグラフィックスだ。

 CPUベンチマークソフトの定番「CHINEBENH R23」の結果は、マルチコアのスコアが「7675」で、シングルコアのスコアが「1587」だ。冒頭でもお伝えしたが前モデルで使われていた第11世代のCore i7-1165G7と比べると、シングルコアではスコアが13%アップ、マルチコアではスコアが55%アップしている。<ThinkPad X1 Carbon Gen 10>のなかではもっとも性能が低いはずのCore i5-1235Uでも、最大で前世代Core i7の1.5倍ということだ。第12世代Coreプロセッサーが、いかにパワフルであるかおわかりいただけるだろう。

「CHINEBENH R23」の結果

 <ThinkPad X1 Carbon Gen 10>のカスタマイズモデルは、9種類もの候補のなかから好みのCPUを選択可能だ。主要な選択肢で順位を付けると、性能的はCore i7-1280P>Core i7-1260P>Core i5-1240P>Core i7-1255U>Core i5-1235Uといったところ。PシリーズはEコアが多いぶんマルチコア性能に優れ、Uシリーズは消費電力が低いぶんバッテリー性能が高い。筆者としてはバランスに優れるCore i5-1240Pがおすすめだが、パワーを追求するならCore i7-1260PやCore i7-1280Pを選ぶのもアリだ。企業向けの管理ソリューションで利用するなら、vPro対応CPUを選びたい。

 PCの総合的な実務性能を計測する「PCMark 10」では、快適に使える目安となる基準値を大きく上回っている。特にCPUのシングルコア性能が強く影響する「Essential」(アプリの起動やビデオ会議、Webブラウジングなどの一般的な操作)のスコアが優秀だ。グラフィックス性能とマルチコア性能が影響する「Digital Contents Creation」(写真加工や動画編集、3D制作などのクリエイティブワーク)も十分だと言っていい。ただし「PCMark 10」の各テストは、処理が比較的軽め。特に「Digital Contents Creation」に関しては一般ユーザーが行なう作業の範囲内では十分だが、プロレベル/エンタープライズレベルの指針とはならないので注意していただきたい。ビジネスユースであれば、まったく問題ない性能だ。

「PCMark10」の結果

「PCMARK10」スコア
テスト 基準値 ThinkPad X1 Carbon Gen 10
Essential 4100 9803
Productivity 4500 6984
Digital Contents Creation 3450 5754

 3Dグラフィックス性能を計測する「3DMark」では、DirectX 12+WQHD(2560×1440ドット)環境下のフレームレートなどを計測する「Time Spy」を使用した。結果は総合スコアが「1419」で、グラフィックススコアが「1248」。第11世代CoreプロセッサーのIrisi Xe Graphicsとあまり変わらない結果だが、CPUがCore i7シリーズであれば多少はスコアがアップするだろう。Core i5系は内蔵グラフィックスの実行ユニットが「80」で、「96」のCore i7シリーズよりも少ないためだ。

「3DMark」Time Spyの計測結果

 ストレージ性能を計測する「CrystalDiskMark」の結果は、以下の画像のとおり。PCIe Gen4 x4接続としてはシーケンシャルライトが低速なのだが、これはテスト機で使われていた「WD SN740」シリーズ256GBモデルの公称値(シーケンシャルリード4000MB/秒、シーケンシャルライト2000MB/秒)とほぼ同じ。512GB以上の容量だと公称値でシーケンシャルライトが4000MB/秒以上なので、容量の多いSSDを選ぶのがおすすめだ。

「CrystalDiskMark」スコア

 ただし負荷の高いテスト(64GiBのデータを9回書き込み)を連続2回行なったところで、アクセス速度の低下が見られた。おそらくSSDのサーマルスロットリングが生じているものと思われる。実作業でそれほど大量のデータにアクセスすることはめったにないのだが、大容量SSDを激しく使うと熱で速度が低下する可能性については留意しておきたい。

「CrystalDiskMark」高負荷時のスコア

 前述の「PCMark 10」を使ってバッテリー駆動時間を計測したところ、テスト開始から14時間12分でバッテリー切れとなり休止状態へ移行した。公称値では「最大 約24.9時間」とされているがこれはバッテリー消費量をかなり抑えた状態での結果であって、実作業レベルでの駆動時間を表わすものではない。今回はややバッテリー消費量の大きい状態でテストを行なったため駆動時間は公称値よりも短いが、それでも14時間もつなら十分だと言える。ディスプレイの明るさや電源プランなどを変更すれば、もう少し駆動時間が延びるだろう。

「PCMark 10」Battery-Modern Officeの結果

バッテリー駆動時間テストの条件
・Windows 11の電源プランを「バランス」に設定
・電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定
・画面の明るさを40%に設定
・音量ボリュームは50%に設定
・Wi-FiとBluetoothはオン
・Windows 11の「バッテリー節約機能」は残量20%で有効化(標準設定)

総合力の高い理想的なモバイルノートパソコン

 ここまでお伝えしたとおり、<ThinkPad X1 Carbon Gen10>は性能面でもデザイン面でも、そして使い勝手や堅牢性においても高いクオリティーを実現している。各要素で見た場合、モバイル向け製品のなかでは最軽量でもなく最小でもなく、また最高性能でもない。だがすべての要素がここまで高い水準でバランスしている機種はなかなかないだろう。モバイルノートパソコンとして確固たる地位を築いているのも、納得できる仕上がりだ。

総合的な完成度の高いハイエンドモバイル

 唯一気になるのは、値段が高い点。いくら品質面に優れるとは言え、Core i5-1235U搭載で20万円台からは、支払いになかなか勇気のいる金額だ。かと言ってスペックを抑えて安くあげるのも、このクラスのハイエンド機には意味がない。8GBメモリーですまそうなんて、もってのほかだ。

 筆者としてはむしろ逆に、ハイスペック構成に振り切ったほうが後悔はないと考えている。たとえばCore i5-1240P/16GBメモリー/512GB SSD/2.2Kあたりなら27~28万円台だが、長期間使う上でもパフォーマンスは十分だろう。Core i7-1260P/32GBメモリー/512GB SSD/2.8K OLEDの<ThinkPad X1 Carbon Gen 10 30th Anniversary Edition>は33万円だが、ほかでは得られない確かな満足感があるはずだ。新規で購入を検討する方も買い換えを検討している方も、下手に妥協せずド~ンと盛々スペックにチャレンジしていただきたい。

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