前回は「Meta Quest Pro」を買ったというお話でしたが、今回は最近面白いと思っているQuest向けアプリ「Wooorld」についてご紹介したいと思います。
Wooorld
発売日 2022年10月26日
価格 1490円
Quest 2、Meta Quest Pro向け
開発者 Wooorld Inc
https://www.oculus.com/experiences/quest/4360608937312293/
Google Earthで「バーチャル観光」
Wooorldは一言で説明するならGoogle Earthビューアー。最大8人でGoogle Earthをベースにコミュニケーションができるアプリです。これまでもQuestシリーズ用Google Earthビューアは何種類か出ていましたが、Questなので表示領域に限界がありました。Wooorldはそれを逆手にとって、あえて表示できる領域を狭くとることによってボードゲームのような体験にしてしまうというコンセプトになっています。10月25日に発売されましたが、Quest Pro発売に合わせて用意してきたのだろうと思います。
開発元は2020年設立のベンチャー企業。VRやAR分野への投資を専門にやっているベンチャーキャピタルのVenture Reality Fundのティパタット・チェーンナワーシン氏がここに投資をしていて、アプリのリリース後、ちょっと見てもらえないかと頼まれたのがアプリを知ったきっかけでした。
アプリがよくできているなと感じたのは、Google Earthの体験を、最初から雑談などのおしゃべりをベースとしたソーシャル体験にしているところです。ワールドにログインすると、まずロビーに通され、ほかのユーザーがいるルームが表示されます。ここでチャットルームのように地名が示されたルームを選び、コミュニケーションに参加します。初めて入ったルームには6人ほどのユーザーが入っていました。自分で新しい部屋を作ることもできます。
ポイントは、アプリ上で他のユーザーと一緒に「メタバース観光」のようなことができることです。
まずマップを開いたら、ハンドジェスチャーで見たいところを探します。VRを触ったことがある人なら、すんなりと理解できるUIです。ボードゲームのボードのように中央にあるマップを操作しながら、見たいエリアを探していきます。
東京なら山手線圏内がしっかりデータ化されていて、大都市部の一部ではマップも3D立体化されていました。たとえば新宿副都心や、丸の内、秋葉原といったエリアではかなり建物に近づけます。近くに来たところで「360 view」をクリックすると、周囲の風景がGoogleストリートビューの360度表示でバーンと出てきます。
PC版Googleマップに比べると解像度が低く、データも一部古かったりもしますが、Questベースで複数人と遊べるのが新しいですね。データがどのような基準で選別されているのかはわかりませんが、Google Earthの情報は若干古く、新国立競技場が建設前のようで、2014年以前のデータのようです。ただ、Googleストリートビューでは、2022年の最新のデータも使われているのを確認しています。この辺はデータに応じて使用料が違っていたりするのかもしれません。
この連載の記事
-
第85回
AI
誰でもVTuber時代へ フェイシャルAI技術、続々登場 -
第84回
AI
画像生成AI「Stable Diffusion 3.5」性能はものたりないが、自由度が高いのは魅力 -
第83回
AI
リアルすぎてキモい 動画AIの進化が止まらない -
第82回
AI
もはや実写と間違えるレベル 動画生成AI「Runway」の進化がすごい -
第81回
AI
AIイラスト、こうしてゲームに使っています -
第80回
AI
ゲーム開発はAI活用が当たり前になりつつあるが、面白さを作り出すのは人間の仕事 -
第79回
AI
AIが考える“アイドル”がリアルすぎた グーグル「Imagen 3」なぜ高品質? -
第78回
AI
話題の画像生成AI「FLUX.1」 人気サービス「Midjourney」との違いは -
第77回
AI
画像生成AI「FLUX.1」が相当ヤバい LoRAで画風の再現も簡単に -
第76回
AI
「Stable Diffusion」の失敗に学び、画像生成AIの勢力図を塗り変える「FLUX.1」 -
第75回
AI
商業漫画にAIが使われるようになってきた - この連載の一覧へ