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3年ぶりに開催された「Workday Rising」での新発表も披露

人事・財務からビジネス全般の管理に領域を拡げるワークデイ

2022年10月27日 11時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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3年ぶりにリアル会場で開催された「Workday Rising」

 2022年9月に米本社が開催したWorkday Risingは、3年ぶりにリアル会場での実施となり、リアルとオンラインをあわせて1万9000人が参加。日本からは約50人が現地に参加したという。

 正井社長は、「Workday Risingでは、組織のなかで改革を担う人をチェンジメーカーと呼び、これらの人材による部門横断での改革が重要であること、バックオフィスと位置づけられた人事システムや財務システムは企業戦略全体を支えるフロントオフィスにシフトしてきていることが示された。これまでは企業固有のビジネスプロセスをいかに実装するかが重要な点であったが、今後はベストプラクティスベースでの実装にシフトしていくことが示された」とする。

 Workday Risingでは、「ユーザーエクスペリエンスを再設計」、「新時代のエンタープライズクラウドを支援」、「組織の新たな人材戦略を支援」、「新しいパートナーエコシステム構想」の4点がポイントになったという。

Workday Rigsingでの発表

 「ユーザーエクスペリエンスを再設計」では、より直感的な操作ができるようにWorkday UXを刷新。マネージャーと従業員の日々の業務をシームレスに連携するWorkday Engage、コラボレーションツールとの連携を強化したWorkday Everywhereを発表。さらに、アプリ開発を支援するWorkday Extendを強化すると発表した。「Workday Extendは、2020年の発表以降、日本での採用も進んでおり、全世界で750以上のアプリケーションが開発されている。ウェブでの統合開発環境を実現するApp Builderや、ローコード/ノーコード開発の支援、Workday Graph APIの提供を発表した。これらにより、Workdayの機能拡張やメンテナンスが容易になる」と述べた。

 「新時代のエンタープライズクラウドを支援」では、契約自動検索機能である「Workday Strategic Sourcing」、サプライヤーのESG関連のデータをタイムリーに入手する「Supplier Diversity Discovery Board」、財務部門が必要とするESGに関する情報を収集、分析する「Workday Supplier Sustainability」、手作業でのレビューの負担を軽減する「Workday Expenses」を発表。また、「Workday Adaptive Planning」では、機械学習のML Forecasterを搭載し、外部データを組み合わせた予測分析を可能にした。「これらの機能をWorkday HCM やWorkday ファイナンシャルマネジメントで統合的に利用してもらうことで、デジタルビジネスのバックボーンの機能を拡充できる。これらの製品や機能の日本市場への出荷時期は今後発表する」と述べた。

エンタープライズクラウドでの新機能

 「組織の新たな人材戦略を支援」においては、次世代スキルテクノロジーを導入することで、企業の新たな人材戦略を支援。Workday HCMに実装されているSkills Cloudにより、従業員のスキル管理、スキルギャップの分析、スキル開発の提言、スキルマッチング機能を提供。新たにアクセンチュアと共同で開発したソリューションを用いて、スキル関連データを取り込んだり、VNDLYの買収により、社内外のスキルを横断的に管理、活用するためのソリューションを提供したりといった内容を発表。「スキル機能は、Workdayのコア機能のひとつである。一人ひとりの能力を理解し、才能を引き出し、育成をしていくような仕組みを提供する」と述べた。

 4つめの「新しいパートナーエコシステム構想」では、パートナーとの協業により、インダストリーごとのパッケージ開発に注力することを発表。Go To Market戦略も拡充し、共同販売プログラムの実施やエンド・トゥ・エンドのサービスを提供することで、パートナーとともに顧客のクラウド活用を促進する。「Workdayの導入プロジェクトが多くの企業で展開されており、パートナーにおける認定コンサルトの育成、パートナー向け教育への投資も拡充していく。とくに日本では、パートナーとの連携が重要であり、今後、協業を強力に推進していく」と述べた。日本におけるパートナー戦略については、2023年2月からスタートする同社新年度の戦略発表会で説明する考えを示した。

六本木ヒルズの新本社はアフターコロナを視野に

 2022年7月に、六本木ヒルズ森タワー20階に移転した新本社についても説明した。

日本の意匠を凝らした壁画を用意

外光を採り入れたスペースで社員の交流を促進

多目的トレーニングルームなどを配置

 ワークデイの正井社長は、「新オフィスは、ワークデイの方針や制度を反映したこと、アフターコロナを視野に入れたオフィスデザインの2点に力を入れた」とし、「社員をワークメイトと呼ぶなど、ワークデイには、インクルーシブな文化があり、新オフィスは、その考え方をもとに、学び、成長し、楽しむことができる環境づくりを目指した。健全なワークライフバランスを実現し、社員のスキル向上、従業員が必要なタクスを実行できるためのインフラの実現、社員エクスペリエンスの向上に取り組んでいる」と語る。

 また、「約1カ月半に渡り、全社員とラウンドテーブルを行い、オフィスデザインを検討し、WFH(ワーク・フローム・ホーム)との差別化、コラボレーションの促進、企業文化の発信という役割を、新オフィスのデザインに取り込んだ」と従業員との共同作業であることをアピールした。

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