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IDドキュメントと顔写真の照合、AI OCRなどを融合させた「ABBYY Proof of Identity」

ABBYY、ユーザー利便性と安全性を両立させる本人確認ソリューションを提供開始

2022年10月27日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ABBYYジャパンは2022年10月25日、オールインワンの本人確認ソリューション「ABBYY Proof of Identity」の提供開始を発表した。AI OCR技術の活用により、ユーザーの手入力を省く利便性の向上と、IDドキュメント(運転免許証など)を用いた安全な本人確認を両立させるソリューション。銀行/金融サービス、保険、不動産、地方自治体といった業界をターゲットとして展開していく方針。

「ABBYY Proof of Identity」のデモ画面(エンドユーザー側の認証画面サンプル)。本人確認ドキュメントと顔写真を撮影するだけで本人確認が行われる

ABBYYジャパン 代表取締役社長の前田まりこ氏

 ABBYY Proof of Identityは、モバイルデバイスなどで撮影したドキュメント画像を使用して申請者が本人であることを迅速に確認できるソリューション。AI OCR技術も組み込まれており、本人確認と同時にIDドキュメントからデータ(氏名、住所など)を抽出してフォーム入力を省力化することが可能であり、ユーザーエクスペリエンスの向上にもつながる。

ABBYY Proof of Identityのソリューション概要

 運転免許証やパスポートといったIDドキュメントによる本人確認は、ドキュメントの読み取り、ドキュメントの真正性検証、顔写真との顔照合という3ステップで行われる。IDドキュメントの画像が偽造(なりすまし)されたものでないかどうかは、OCRで読み取り可能な情報だけでなく、地紋やバーコード情報など複数の観点からチェックするという。

 披露されたデモでは、上記の本人確認に加えて申請書類の写真もアップロードし、確認された人物と書類上の申請者が一致するかどうかのチェックも行っていた。ABBYY Proof of IdentityはAI OCRプラットフォームの「ABBYY Vantage」上で動作するソリューションであり、Vantageが備える各種文書に対応したスキル(事前学習済みAIモデル)が適用できるため、多様な業務に組み込んですぐに使えるとアピールする。

AI OCRプラットフォーム「ABBYY Vantage」のスキルを通じて各種文書の読み取りに対応

 ABBYYジャパン社長の前田まりこ氏は、消費者がオンライン商取引を行う機会が激増する一方で、個人情報の盗難やなりすまし詐欺による被害も急増しており、「(オンラインでの)本人確認プロセスに対応することが、企業にとっては非常に重要なものになっている」と、今回のソリューション投入の背景を説明する。

 「また本人確認ソリューションの導入によりプロセスが簡素化され、ユーザーのストレスを軽減させるメリットもある。本人確認のためのデータ提供や認証プロセスがネックとなり、70%以上のユーザーが離脱するという数字もある」(前田氏)

今回の本人確認ソリューション提供の背景

 なお市場における同ソリューションの優位性としては、ABBYYがAI OCRやプロセスマイニング(ABBYY Timeline)のソリューションも展開しており、本人確認単体だけでなく、その処理を申請受付プロセスや文書処理プロセスの中に組み込んだソリューションとして提供できる点を挙げた。

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