エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀の「チャレンジャー・インタビュー」番外編

”本職は人間だ”岡本太郎最大のTARO展が上野にやってきた

文●玉置泰紀(エリアLOVEWalker総編集長、一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 東京都美術館(東京都台東区。上野恩賜公園)は2022年10月18日、「展覧会 岡本太郎」展を開幕した(12月28日まで)。この展覧会は、スーパーバイザーとして、岡本太郎記念館館長の平野暁臣氏を迎え、岡本太郎作品のほぼすべてを所蔵する同館と川崎市岡本太郎美術館の両館が全面協力をし、主要な代表作、重要作を揃えた過去最大級の内容を誇る。2011年に、東京国立近代美術館で開催された「生誕100年 岡本太郎」展に匹敵する。今回の展覧会は、2022年7月23日から10月2日に大阪中之島美術館で開催され、東京の次は、2023年1月14日から愛知県美術館に巡回され、東名阪を岡本太郎が席巻することになる。

 筆者は大阪中之島美術館の展覧会も見てきたが、大きな違いとしては、6章立ては同じなのだが、エントランスを入ったところのLBFの全フロアを使って、各章から作品を一部集めてきた全章を貫いた岡本太郎ワールド空間を作っているところだ。これはインパクトが大きい。この空間を体験するためにも、大阪と東京、両方を見てほしい。来年の名古屋も何かしかけてくるのだろうか。楽しみだ。筆者は、かつて「太陽の塔Walker」というムックを製作し、『明日の神話』がメキシコで発見され、日本に戻って修復され公開され渋谷駅に常設されるまでも、当時、編集長をしていた大人のウォーカーで追いかけた。岡本太郎は常に発見されなおし続けられているアーティストだ。

エントランスを入ったところのLBFに広がる岡本太郎作品群

エントランス前に、大阪中之島美術館でも人気を集めたタローマンのポップアップがあり、そこに入り込んだ筆者

筆者が2014年に刊行した「太陽の塔Walker」

パリ時代から兵隊時代、太陽の塔、明日の神話まで網羅する岡本太郎の世界

 1階と2階で展開される6章は、第1章「岡本太郎誕生ーパリ時代」、第2章「創造の孤独ー日本の文化を挑発する」、第3章「人間の根源ー呪力の魅惑」、第4章「大衆の中の芸術」、第5章「ふたつの太陽ー《太陽の塔》と《明日の神話》」、第6章「黒い眼の深淵ー突き抜けた孤独」からなる。

●パリで発見された3作品

 1993年、パリのアトリエ村「シテ・デ・フュザン」に居住するデザイナーが集積所に捨てられていたゴミの中から、この3点のうちの1点を見つけた。ここに住む画家が、前居住者の持ち物として捨てたものだったが、その翌年に、この画家が亡くなると、遺品の中に、さらに、残りの2点も見つかった。この場所は19世紀末から多くの芸術家が住んできた場所で、岡本太郎と親しかったマックス・エルンストやジョアン・ミロらも住んでいたことがある。今回の展覧会を機会に主催者が調査を行い、かなり高い確率で岡本太郎の1934年以降のパリ時代に描かれた作品であると推察された。

●注目の作品・展示

『傷ましき腕』1936/49。油彩、カンヴァス。川崎市岡本太郎美術館。特撮番組『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』に登場する奇獣にもなったパリ時代を代表する作品。1935年には、「リボン」「リボンの祭り」を制作するが、この作品はそれらを発展させたものといえるが、人物の顔が見えないことが強く印象付けられる

『師団長の肖像』1942。油彩、カンヴァス。岡本太郎記念館。岡本太郎は30歳を超えて徴兵された。中国・湖北省の応城での初年兵時代に、漢口の司令部に呼び出され命令されて描いたもの

第3章「人間の根源ー呪力の魅惑」の展示風景。岡本太郎が日本全国を回ってフィールドワークする中、日本を再発見して撮影した写真なども投射される

第4章「大衆の中の芸術」の展示風景。「職業は人間である」とし、分業化された専門性を嫌い、パブリックアートやプロダクトデザインに挑み、直接的に大衆と触れ合う作品を作っていく

第5章「ふたつの太陽ー《太陽の塔》と《明日の神話》」の展示風景

『明日の神話(ドローイング)』1967。木炭、紙。岡本太郎記念館。『明日の神話』1968。油彩、カンヴァス。川崎市岡本太郎美術館。 岡本敏子は「《明日の神話》は、原爆の炸裂する瞬間を描いた、岡本太郎の最大、最高の傑作である」と語っている。2003年秋、長らく行方がわからなくなっていた巨大壁画『明日の神話』がメキシコシティ郊外で発見され、2006年6月には修復が完了、同年7月に汐留にて初めて行われた一般公開では、50日間で述べ200万人の入場者が集まった。その後、作品は東京都現代美術館にて2007年4月から2008年6月まで公開され、2008年11月18日より渋谷マークシティー連絡通路内で公開されている

●多彩な展覧会グッズ

●展覧会概要
会期:2022年10月18日~12月28日
会場:東京都美術館・企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
休室日:月曜日
開室時間:9時30分~17時30分(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:金曜日は9時30分~20時(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:一般1900円/大学生・専門学校生1300円/65歳以上1400円

※本展は日時指定予約制。当日の入場枠は設けられているが、予定枚数が終了している可能性がある。詳しくは公式サイトのチケットページで確認を。
https://taro2022.jp/ticket/

●公式サイト
https://taro2022.jp/

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