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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第305回

Nokia vs. OPPOの訴訟は、OPPOの敗訴でドイツ市場から撤退も、世界で争いは続く

2022年10月15日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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 OPPOは8月、ドイツでのスマートフォン販売を停止した。Nokiaが現地で起こしていた特許訴訟にOPPOが敗訴し、販売差し止めとなったからだ。中国でのスマートフォン市場が縮小する中、OPPOには大きな打撃となりそうだ。

OPPOのドイツ版サイト。製品情報はすでに消えており、Q&A形式ですでに販売したサポートは提供すると記されている

Nokiaに敗訴、ドイツ市場から姿を消したOPPO

 8月初め、OPPOとOnePlus(OPPOのサブブランド)がドイツ市場から姿を消した。スマートフォン特許に明るいFlorian Mueller氏は、「特許訴訟の結果、大手スマートフォンメーカーが世界有数の市場であるドイツから撤退した」とし「歴史的に見ても初めて」だと記している(http://www.fosspatents.com/2022/08/shocking-nokia-patents-other-lawsuits.html)。

 OPPOとOnePlusの2022年Q2での世界シェアは10%で、4位となっている(https://www.counterpointresearch.com/global-smartphone-share/)。ドイツは年2200万台程度のスマートフォンが販売される市場で、サムスン、アップル、シャオミ、ファーウェイが強く、OPPOとOnePlusを合わせても2%程度だ(https://gs.statcounter.com/vendor-market-share/mobile/germany)。

 OPPOとNokiaの特許訴訟はマンハイムとミュンヘンの2地区で展開されている。Nokiaはここで、5G関連の特許2件について、OPPOとOnePlusがライセンス料を支払うことなく使用していると主張していた。

 特許は、オーディオコーディングに関連する「ピッチラグ予測」(EP2080193)、効率的な不連続通信のための手法および装置で”キープアウェイクメッセージ”によるリソースの柔軟な割り当てに関するもの(EP3557917)が中心。

 NokiaとOPPOは2018年にライセンス契約を交わしていたが、2021年に契約期間が終了。その後もOPPOは更新なしに特許を使い続けているという。

 裁判所はNokiaの主張を支持、OPPOにドイツでの販売停止を言い渡した。OPPOのスマートフォンとスマートウォッチは店頭から姿を消した。

 現在、OPPOのドイツサイトにアクセスすると、同社が公式パートナーを務めるUEFAチャンピオンズリーグの写真があり、下に「製品情報は利用いただけません」というメッセージが表示される。Q&A形式で、OPPO製品は継続して利用でき、サポートやアップデートも受けられると伝えている。

国際展開進めてきたOPPOにとっては大きなつまづき

 OPPOは2004年創業で、多くの中国のモバイル端末ベンダー同様、当初はMP3プレイヤーなどを製造しており、2011年にスマートフォン市場に参入した。中国では20代など若年層を中心に人気に火がつき、事業見直し期にあったシャオミの低迷もあって2016年には中国市場のトップに立った。

 2016年の成長率は2倍以上で、その後も販売台数のレベルを維持したものの、ここ数年は中国市場全体の縮小とともに減少傾向にある。

 シャオミと同様、OPPOは国内で成長した後は国外に拡大を始めた。タイやインドなどに進出した後の2018年に欧州で販売を開始。同年、日本にも上陸した(米中関係もあり、米国では展開されていない)。

 現在、同社の売上の半分が中国外からとなっている。そのうちドイツ市場が占める比率は少ないとしても、中国市場が急減速していることを考えると、打撃であることに変わりはない。NokiaはオランダでもOPPOに勝訴している。

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