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GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24Gを徹底レビュー

GeForce RTX 4090を買うなら静音かつ全力で使えるMSI最上位ブランド「SUPRIM」が筆頭候補

2022年10月12日 22時00分更新

文● 藤田 忠 編集●ジサトライッペイ/ASCII

提供: エムエスアイコンピュータージャパン株式会社

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騒音値とファンの回転速度の関係を深掘り

 ゲーミング性能の検証中もそうだが、ビデオカードが露出したバラック状態にもかかわらず、GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24G派の動作音はめちゃくちゃ静かだった。もちろん、いくら静かでもGPUやGDDR6Xメモリーが爆熱では不安しかない。そこで、各種温度や静音性も念入りに調べてみることにした。

 まずはバラック状態のテストPCに搭載したGeForce RTX 4090 SUPRIM X 24Gの側面部(SUPRIM文字ロゴ)から30cm上の位置で、ファン回転速度を最低値の30%から10%刻みで変更して、その時の騒音値を計測した。

ファン回転数ごとの騒音値

 静音性はなかなか優秀で、回転し始めの30%(890rpm)では、37dBAとファン停止状態とほぼ同じ。また、GPUのコア温度が60度に達した際も、急発進のような大きな動作音も感じることはなく、実にスムーズに回転がスタートしていた。

 さらに、40%の1200rpmまで回転数が上昇しても、37.5dBAと依然静か。これならGPUコア温度が急激に上昇しても、ファンノイズが気になることはないだろう。回転速度が50%の1570rpmまでは38.3dBAと、40dBAを切っている点も注目だ。一般的に40dBAは閑静な住宅街の昼や図書館程度の騒音値なので、生活音とほぼあ変わらないレベルかもしれない。

 この回転速度と動作音の関係を頭の片隅に置きつつ、ストレステスト中のGPUコア温度などもチェックしていこう。テストはCyberpunk 2077(4K解像度、レイトレーシング:ウルトラ+DLSSのクオリティ設定)と、「3DMark」のストレステスト「Time Spy Extreme Stress Test」を使用した。

 GPUコア温度などはHWiNFO64 Proで記録し、ファンの回転数制御に使われるGPUコア温度「GPU Temperature」、GDDR6Xメモリーの温度「GPU Memory Junction Temperature」、GPUコア内の最大温度になる「GPU Hot Spot Temperature」を抽出している。

Cyberpunk 2077プレイ時(ゲーム内で20分放置)の温度

 Cyberpunk 2077はゲーム内でなにもせず、ただ放置しているだけでもGPUコアにほぼ100%の負荷がかかり、GPU消費電力の「GPU Power」は平均408.94Wに達していた。しかしながら、GPUコア温度は最大でも71.9度で、ビデオメモリーが80度、ホットスポットでも82.2度と不安を感じない温度だった。そして、ファンの回転速度は最大でも41%で、回転数も1200rpm台と余裕で40dBAを下回っていた。

3DMarkのTime Spy Extreme Stress Test実行時(約16分間)の温度

 ホットスポットこそやや高めの最高83度台をマークしたものの、Time Spy Extreme Stress TestもCyberpunk 2077と傾向は同じだ。テスト中の平均温度は70度台を維持しており、ファンの回転速度は42%、回転数は1260~1270rpmで静かに動作していた。

 PCの騒音の原因は基本的にはファンだ。CPUクーラーにPCケース、電源ユニットなど、ファンを搭載するPCパーツは多い。その中でもビデオカードのファンは動作音が大きくなりがちな部類ではある。しかしながら、GeForce RTX 4090 SUPRIM X 24GのTRI FROZR 3Sは、消費電力400Wオーバーのボードでもしっかり静かに冷やしていたので、超優秀なのだろう。

ファン回転速度を50%固定にするとどうなるのか?

 デフォルト設定だと、Cyberpunk 2077もTime Spy Extreme Stress Testもファンの回転速度は40%程度だということがわかった。しかし、回転速度は50%に上げても、かなり静かに運用できるということも判明している。そこで、ファンの回転速度を50%に固定して、GAMINGモードのみだが再びCyberpunk 2077を30分間プレイしてみた。

ファン回転速度50%固定で、Cyberpunk 2077をプレイした時の温度

 GPUホットスポットは最大73.3度、GPUコア温度の平均温度は60.7度と、デフォルト設定と比べて10度近くも下がった。GDDR6Xメモリーも最大68度、平均64.78度と大幅にダウン。

 また、温度が下がったことでGPUの動作クロックが上昇するという嬉しい副次効果もついてきた。デフォルト設定では2790~2805MHzだったが、50%運用時は2820MHzまで伸びた。フレームレートに大きく影響する差ではないものの、この関係をうまく使って自分好みのファン回転数と性能のバランスを探ってみてもおもしろいかもしれない。オーバークロックに挑戦する人ならなおさらだろう。

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