VR利用経験は依然1割弱
近年、VR市場への注目が集まっている。VRはどの程度使われ、今後どの程度拡大するのだろうか。10~50代のゲーマーを対象としたゲームエイジ総研のVR市場調査(2022年9月)を見てみよう。
ゲームや映像などのVRコンテンツやメタバースなど、VR市場は盛り上がっている。ハード面でもPS5に対応したPSVR2が発表され、Meta社からは、Quest 2に加えて次世代のVR HMDが近日発表されると言われている。
今までにVR機器を利用したことがあるかを聞いたところ、ゲーマーの8.8%が利用経験があった。9割以上が利用したことがないと回答しており、現状では利用者がまだ少ないことがわかる。
ゲームや映像コンテンツをVRで楽しみたい
続いて、今後VR機器を利用したいかを聞いたところ、30.9%が利用したいと回答。利用意向がある人の年齢別の内訳を見ると、20代と30代では利用意向がある人が利用経験がある人の割合よりもやや低くなる。一方で、利用経験は少ない50代では利用意向が高くなった。
利用意向者に、どのようなことにVRを利用したいか聞いたところ、「映像コンテンツの視聴」(72.4%)が「ゲーム」(71.9%)と並んで高かった。また、VRを使ってより具体的な没入体験を味わいたいという意見も多かった。VRの売りである「その場に居るような感覚」を味わいながら、ゲームや映像コンテンツを楽しみたいというわけだ。
約2割は「メタバース」に利用したいと回答。メタバースの体験が増えることで、VR利用も増えていきそうだ。また1割未満だったが、「ビジネスツールとして使用」したいという回答もあった。
「好きなミュージシャンのライブになかなか行けないから、VRで体験してみたい」と、ある大学生は言う。「実際にやる勇気はないけど、スカイダイビングしている気分とかも味わってみたい」と、期待感を持っているようだ。
VRはまだ利用率こそ低いものの、多くの人たちが期待を寄せている。今後さらに、利用率や可能性が広がっていきそうだ。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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