意外な使い方、親も学ぶべき!?
スマホデビューは小学生、知りたい情報があればTikTokかInstagramで検索し、位置情報アプリで「あえて」自分の居場所を公開する……。
親世代とは一線を画した、10代のスマホとSNSの利用方法をご紹介。突飛な行動と切り捨てるか、新たな潮流の先駆けと感じるかはあなた次第。
※以下は連載「親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定」からの抜粋です。
スマホ所持開始年齢は低年齢化
子どもと連絡は取りたいけれど、スマホはまだ早い。そんな時期に持たせることが多いのが、やり取りできる相手や機能などを制限できるキッズケータイだ。小中学生がキッズケータイを持ち始める時期について調べたところ、2019年は約9.1歳だったが、2021年には約8.1歳と低年齢化していた。
続いてスマホを持ち始める時期について調べたところ、2019年には約11.3歳だったが、2021年には約10.6歳と、持ち初めの時期が0.7歳低年齢化していた。また、女子のほうが持ち始める時期は早くなっている。
実際、筆者の周りでも、男子小学生はまだスマホを持っていないケースが多い。持っていても、SNSなどを積極的に使っている子は多くない。一方で女子小学生は小学4年生くらいからTikTokで自撮り動画を投稿したり、LINEでやり取りしたり、自撮り写真も加工アプリを使っている様子が見られるなど、男女での差は大きい状態だ。
若者の情報インフラとなったInstagram
Instagramは10代女子の情報インフラとなっている。代表的な5つの情報ジャンルのうち、「時事性・ニュース性」を除く、「タレント・インフルエンサー」「スキンケア・メイク」「ファッション」「グルメ」の4つすべての情報検索で半数以上の女子に利用されているのだ。
一方Twitterは、「時事性・ニュース性」など、主にリアルタイムニュース取得に利用されている。また、Twitterを多く使うタレントやインフルエンサーもいるため、「タレント・インフルエンサー」のリアルタイム情報を取るためにも使われている。
YouTubeは「スキンケア・メイク」などのハウツーを伴う情報と相性が良く、学びを得るための動画配信サービスとなっているようだ。一方、TikTokは情報を得るために最初に利用するSNSではなく、情報トレンドを生むきっかけとなっている。
インスタの投稿は圧倒的に「#スターバックス」
“映える”写真を投稿する場とされるInstagramを見ると、投稿数はまったく異なる。
「#スタバ」は792万件、「#スターバックス」は350万件投稿されており、なかでもフラペチーノなどの映えるスイーツ系ドリンクが多い。スタバのドリンクを持った自撮り写真が多めなのも特徴だ。女子高生や女子大生などの10代の投稿はとても多くなっている。
一方、「#マクドナルド」は74.4万件、「#サイゼリヤ」は11.5万件とかなり少なくなる。女子高生や女子大生などの10代の投稿が減り、男性や社会人などが日々の記録として投稿している例が目立つ。また商品と撮った自撮り写真は、スタバと比べて非常に少ない。
10代女子のインスタ投稿は、映える非日常のものが多いようだ。投稿数では彼女たちの日常はわからず、投稿と生活実態はかなり異なるので注意したい。
自分の位置情報を公開、自宅もわかってしまう
アプリを起動すると、自分の現在地と友達の現在地が地図上に表示される。友達とはチャットも可能だ。移動中でも現在地がわかり、地図上の友達が2人以上集まっていると炎が表示されるため、待ち合わせや合流がしやすいと評判だ。
現在地を公開したくないときは、おおまかな場所のみ公開する「あいまい」表示、移動前の位置情報を固定表示する「フリーズ」表示なども可能となっている。ただし、「あいまい」「フリーズ」表示にしていることは相手には伝わってしまう。
使い続けていると、数日で自宅の場所には家マークが表示されるなど、友達には自宅の場所や現在地が筒抜けになる仕組みだ。「家に居ると暇だとわかるから遊びに誘いやすい」などの使い方がされているようだ。
基本的には電話番号を知っている人たち同士でつながるアプリだが、Zenly IDを知っていたり、スマホ同士を「Bump」(LINEの「ふるふる」のようにアプリを起動した状態でスマホをふること)をすると友達登録ができてしまう。
Zenlyはある程度友達がいないと楽しめないアプリのため、「ゼンリー誰でも追加して」とIDをTwitterや掲示板で公開している子どももいる。IDさえ知っていれば誰でも友達追加でき、自宅や現在地などを特定できるので、利用している子どもには注意しておきたい。