Ryzen 7000シリーズでの自作は超堅牢VRM採用のASRock「X670E Steel Legend」でキマリ
高ワークロード中の発熱をチェック
強化された電源回路に合わせて、しっかりと設計されている冷却面だが、高ワークロード時にどの程度の発熱になるか気になるので、「Adobe Media Encoder」と、CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」を実行した際の電源回路ヒートシンクの温度をチェックしてみた。
まず、「Adobe Media Encoder」を使って、8K解像度の動画を4Kにエンコード(ソフトウェアエンコーディング)を実行した。エンコード中を「HWiNFO64 Pro」でモニタリングすると、CPUのトータル使用率は70%台で、動作クロックは5.0~5.2GHzになっていた。そしてCPUの消費電力となるCPU Package Powerは、160~170W台で推移していた。
その際のヒートシンク温度をスマホ用サーモグラフィーの「FLIR ONE Pro」で撮影したのが、以下の画像になる。
電源回路部のヒートシンクは50度前後に収まっているのがわかる。最も熱くなっているのはリア側ヒートシンクの端で、57.3度を記録している。ここは風があまり流れないうえに、エンコード時はM.2 SSDへの読み書き、さらにGPUも利用と発熱要因が複数重なった結果だろう。実際、このあと実行したCPU負荷がメインの「CINEBENCH R23」では、ここまで発熱することはなかった。
続いてCPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」を実行すると、CPU Package Powerは最大で209Wを記録した。実行後すぐにCPU温度が90度を超えるため、テスト中のPackage Powerは、だいたい190W台での推移となっていた。
そんな高負荷状態でも、ヒートシンクの表面温度は50度を下回っている。さすがにリア側MOSFET部の基板表面温度は、58.3度に達しているが、PCケースのリアやトップの排気ファンによる風の流れが生まれる。あまり風が流れないバラック状態でこの結果なら、電源回路の熱対策は不要と言える。
信号も構造も強化されたDDR5メモリースロット
AMDプラットフォームでは、初のDDR5メモリー採用となるわけだが、インテル DDR5環境でのノウハウが活かされており、メモリーの安定度は良好に感じた。初回起動時に時間を必要する問題はあるが、低損失の8層基板や信号を安定させるスロット表面実装などで、高クロックのオーバークロックメモリーを使って組むのもおすすめできる。
DDR5メモリーが不安を感じずに動作した「X670E Steel Legend」。CORSAIR「DOMINATOR PLATINUM RGB」のほかにもSamsung純正メモリーを手動オーバークロックで試したところ、DDR5-6000動作を簡単に行なえた。
メモリー電圧を1.25Vに昇圧したほか、メモリータイミング(CL)を36-36-36-76に設定し、2時間ほどメモリーテストを実行したが、エラーは出なかった。相性の心配はゼロではないが、「X670E Steel Legend」は、DDR5-6000駆動の最速クラスメモリーを安心して組み合わせられる。