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GEEP法で遺伝子編集ヤギ=徳島大ベンチャーなど

2022年09月19日 16時03分更新

文● MIT Technology Review Japan

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徳島大学発ベンチャーのセツロテックと名古屋大学の研究グループは、「受精卵エレクトロポレーション法(GEEP法)」を使ったゲノム編集シバヤギの個体作出に成功した。GEEP法は、電気穿孔法(エレクトロポレーション)によって遺伝子編集ツールを受精卵に導入する方法で、徳島大学が開発した。短時間・均一の条件下で大量の受精卵を対象とした低侵襲のゲノム編集ができるのが利点だとされる。

徳島大学発ベンチャーのセツロテックと名古屋大学研究グループは、「受精卵エレクトロポレーション法(GEEP法)」を使ったゲノム編集シバヤギの個体作出に成功した。GEEP法は、電気穿孔法(エレクトロポレーション)によって遺伝子編集ツールを受精卵に導入する方法で、徳島大学が開発した。短時間・均一の条件下で大量の受精卵を対象とした低侵襲のゲノム編集ができるのが利点だとされる。 研究は、ヤギの生殖工学技術の確立とゲノム編集ヤギ個体の作出が目的。今回は、生殖ホルモン分泌などに関係するKiss-1遺伝子の活性領域(キスペプチン)を標的として、遺伝子編集による遺伝子機能の欠損を試みた。研究チームは雌のシバヤギ成体から体内受精卵を取り出し、1細胞期の段階でGEEP法によってゲノム編集因子を導入。受精卵を胚盤胞まで成長させてシバヤギに胚移植し、産まれてきた子ヤギにゲノム・シーケンシング(塩基配列解読)を実施した。 子ヤギの遺伝子配列には、活性領域に5塩基の欠損が入っており、フレームシフト変異による遺伝子機能の欠損と考えられるとしている。ゲノム編集ヤギは野生ヤギの同じように無事に成長しているという。 研究グループは、今回得たゲノム編集ヤギ個体の解析を進めており、その結果と合わせて論文として発表する予定。

(笹田)

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