このページの本文へ

頭蓋内胚細胞腫瘍の関連遺伝子を発見=阪大など

2022年09月03日 09時08分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

大阪大学、順天堂大学、埼玉医科大学、国立成育医療研究センターなどの研究グループは、頭蓋内胚細胞腫瘍の発症に関連する遺伝子を特定した。頭蓋内胚細胞腫瘍は主に小児に発症する脳腫瘍で、日本においても年間罹患率が100万人当たり3人未満の希少疾患である。ただ、日本を含む東アジア諸国では、欧州諸国と比べて罹患率が4倍以上高い特徴を持つ。

大阪大学、順天堂大学、埼玉医科大学、国立成育医療研究センターなどの研究グループは、頭蓋内胚細胞腫瘍の発症に関連する遺伝子を特定した。頭蓋内胚細胞腫瘍は主に小児に発症する脳腫瘍で、日本においても年間罹患率が100万人当たり3人未満の希少疾患である。ただ、日本を含む東アジア諸国では、欧州諸国と比べて罹患率が4倍以上高い特徴を持つ。 研究グループは日本全国から臨床検体を収集し、頭蓋内胚細胞腫瘍患者133名分ゲノムデータを収集。健常対照者群との間でヒトゲノム全体にわたる遺伝子多型を網羅的に比較検討するゲノムワイド関連解析を実施した。 その結果、発症と強く関連する遺伝子領域を6番染色体で発見した。具体的には、6番染色体短腕の主要組織適合遺伝子複合体領域(Major Histocompatibility Complex:MHC)に関連が見られたことから、機械学習を使ってMHC領域中のHLA(Human Leukocyte Antigen)遺伝子配列を推定し、発症リスクとの関連を検討した。検討の結果、発症リスクと最も強く関連するのはHLA遺伝子配列ではなく、細胞のアポトーシス調節因子である「BAK1」遺伝子の近傍に位置する4塩基の欠失多型であることが分かった。 研究成果は8月2日、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)にオンライン掲載された。

(笹田)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ