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ゲーミング・デスクトップPCの王道を使ってみました

ASUS「ROG Strix GT15 G15CF」実機レビュー = CPUとグラボが選べる安心のゲーミングPCなのだ

2022年09月14日 11時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 ASUSは第12世代(Alder Lake)のインテルCoreプロセッサーを採用したミドルタワー型ゲーミングデスクトップPC「ROG Strix GT15 G15CF」を発売した。

 本製品には主にCPUとグラフィックボードの異なる5製品が用意されており、プレイするゲームに合わせて最適なパフォーマンスのマシンを選択できるようになっている。

 今回は実機を試用し、詳細スペック、メンテナンス性、拡張性、パフォーマンスなどについて詳細にレビューしていこう。

ASUS ROG Strix GT15 G15CF」18万9800円~34万9800円

CPUはi5-12400Fからi7-12700KF
dGPUはRTX 3060から3080まで4種類をラインナップ

 搭載するOSは「Windows 11 Home 64ビット」、CPUは
「Core i7-12700KF」(12コア[Pコア×8、Eコア×4]、20スレッド、最大5.00GHz)
「Core i7-12700F」(12コア[Pコア×8、Eコア×4]、20スレッド、最大4.90GHz)
「Core i5-12400F」(6コア[Pコア×6]、12スレッド、最大4.40GHz)
の3種類、、グラフィックボードは
「NVIDIA GeForce RTX 3080」
「NVIDIA GeForce RTX 3070」
「NVIDIA GeForce RTX 3060 Ti」
「NVIDIA GeForce RTX 3060」
を選ぶことができる。

 メモリーは32GB/16GB(DDR4-3200)、ストレージはSSDが1TBと512GB(PCIe Gen4 x4接続)、HDDが1TBを用意している。つまりCPU、グラフィックボード、そしてメモリーとストレージ容量で差別化が図られ、下記の5製品が用意されている。

・G15CF-I7R3080(希望小売価格34万9800円)
 Core i7-12700KF/RTX3080/RAM32GB/SSD1TB+HDD1TB

・G15CF-I7R3070(希望小売価格28万9800円)
 Core i7-12700F/RTX3070/RAM32GB/SSD1TB

・G15CF-I7R3060TI(希望小売価格29万9800円)
 Core i7-12700F/RTX3060Ti/RAM16GB/SSD1TB

・G15CF-I5R3060TI(希望小売価格23万9800円)
 Core i5-12400F/RTX3060Ti/RAM16GB/SSD512GB

・G15CF-I5R3060(希望小売価格18万9800円)
 Core i5-12400F/RTX3060/RAM16GB/SSD512GB

 これら以外のスペックは共通。インターフェースは、
本体上面手前に
ヘッドフォン出力×1、
マイク入力×1、
USB 3.2 Gen1 Type-C×1、
USB 3.2 Gen1 Type-A×1、
本体背面オンボードに
HDMI×1、
DisplayPort×1、
USB 3.2 Gen2 Type-A×4、
USB 3.2 Gen2x2 Type-C×1、
USB 3.2 Gen1 Type-A×1、
USB2.0×2、
有線LAN(2.5GBASE-T)×1、
Wi-Fi 6アンテナ端子×2、
S/PDIF×1、
リアスピーカー×1、
センター/サブウーファー×1、
マイク入力×1、
ライン出力×1、
ライン入力×1
を装備する。

 本体背面ビデオカードには、RTX 3080とRTX 3070にはDisplayPort×3、HDMI×2、RTX 3060 TiとRTX 3060にはDisplayPort×3、HDMI×1が配置される。

 通信機能は、2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T(RJ45)、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.1をサポート。外付けのWi-Fiアンテナが同梱されている。

 本体サイズは185×421×498mm、重量は約11kg。本体前面と本体内部にはRGB LEDが内蔵されており、任意の色、パターンで点灯可能。もちろん、LED制御機能「Aura Sync」に対応しているので、キーボード、ヘッドセットなどとエフェクトを同期させられる。

 なお本製品は、故障原因に関係なく修理を受けられる「ASUSのあんしん保証」サービスに対応している。高負荷なゲームで酷使するだけに、手厚いサポートを受けられるのは安心感が高い。

本体前面。電源をオンにするとRGB LEDバーが点灯する。本体サイズは185×421×498mm、重量は約11kg

本体背面。シリアルナンバー、PCリサイクルマーク、ASUSの安心保証のシールなどが貼られている

本体左側面。ケース内右側にはRGB LEDライトが埋め込まれており、電源オン時に内部を美しく照らしてくれる

本体右側面。放熱性を高めるために冷却口が大きく設けられている

本体上面。剛性の高いキャリングハンドルが用意されており、持ち運びの際に重宝する

本体前面左上にはフックタイプのヘッドセットハンガーが用意

本体上面手前にはヘッドフォン出力×1、マイク入力×1、USB 3.2 Gen1 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×1を装備

本体背面オンボードにはHDMI×1、DisplayPort×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×4、USB 3.2 Gen2x2 Type-C×1、USB 3.2 Gen1 Type-A×1、USB2.0×2、有線LAN(2.5GBASE-T)×1、Wi-Fi 6アンテナ端子×2、S/PDIF×1、リアスピーカー×1、センター/サブウーファー×1、マイク入力×1、ライン出力×1、ライン入力×1、本体背面ビデオカード(RTX 3080とRTX 3080の場合)にはDisplayPort×3、HDMI×2を配置

本体以外に、電源ケーブル、Wi-Fiアンテナ、SATAケーブル、説明書が同梱

ケーブルマネージメントが施され
メンテナンス性はとても良好なのだ

 PC内部は発熱量の多いCPUとグラフィックボードを搭載するエリアと、発熱量の少ない電源ユニットとストレージを搭載するエリアに分割されている。ケーブルはタイラップでしっかりと固定されており、マザーボード表面側はエアフローを邪魔するものはほとんど存在しない。効率的にCPUとグラフィックボードの熱を排出できるわけだ。

 マザーボード表面にはケーブルは最低限しか配線されておらず、メモリースロットへのアクセス状態はとてもいい。ただマザーボードがmicroATXサイズなので、M.2スロットは2基使用済みで、PCI Express 4.0 x1スロットはグラフィックボードが使用、PCI Express 3.0 x16とPCI Express 4.0 x1スロットが空いている。

左側面は強化ガラスパネルを採用。PCパーツを鑑賞できる仕様だ(G15CF-I5R3060TI & G15CF-I5R3060は金属パネル)。

右側面内部。本体背面のネジ4本をはずせば、左右側面のパネルを開けられる

左側面内部。ケーブル類はタイラップでしっかりと固定されている

マザーボードは「インテルB660チップセット」を採用した専用品。マザーボード名は「ASUS G15CF」と表示される

今回のCPUは「Core i7-12700F」。CPUクーラーはインテル純正ではないが、比較的シンプルな仕様だ。メモリースロットはDIMMを4基用意。試用機にはSK Hynix製「HMA81GU6DJR8N-XN」(8GB、DDR4-3200)が2枚装着されていた

ストレージはオリジナルヒートシンクでカバーされている

今回のマシンはグラフィックボード「NVIDIA GeForce RTX 3070」(GA104-302HR)を搭載。補助電源は8ピンを2基使用する

拡張スロットはPCI Express 3.0 x16スロット×1とPCI Express 4.0 x1スロット×1が空いている。

電源は750W(80PLUS GOLD)のAcBel製「API-5751AP2」を搭載

PCケース用ファンは80mmサイズが1基背面に装着されている

CPU&GPU&SSDとも
安定の速度で、コスパの良さが際立つ

 では、注目のパフォーマンスをチェックしてみよう。なお今回は機材の都合で、Core i7-12700F/RTX3070/RAM16GB/SSD1TBという構成のマシンでベンチマークを実施している。

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

ベンチマークは「Armoury Crate」で動作モードを「Turbo」に設定して実施している

 まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」は17864pts、「CINEBENCH R20」は6823pts、「CINEBENCH R15」は3170cbとなった。同時発表の最上位ゲーミングノートPC「ROG Strix SCAR 17 SE」が20085pts、7489pts、3067cbだったので、「ROG Strix GT15 G15CF」は約89%、約91%、約103%のスコアを記録したことになる。

 Core i7-12700Fは12コア20スレッドで、「ROG Strix SCAR 17 SE」のCore i9-12950HXは16コア24スレッドなので、「ROG Strix GT15 G15CF」はとても善戦している。そして、「ROG Strix SCAR 17 SE」の希望小売価格は54万9800円と超高価だから、液晶やキーボードを差し引いても「ROG Strix GT15 G15CF」のコストパフォーマンスは高い。

「CINEBENCH R23」のCPUは17864pts、R20は6823pts、R15は3170cb

「CINEBENCH R23」実行中のCPU温度は平均84.58℃、最大99℃、クロック周波数は平均3598MHz、最大4241MHz(室温25.7℃で測定)

「CINEBENCH R23」実行中の最大消費電力は236W、アイドル時の平均消費電力は43W

 一方3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のTime Spyで13346、Fire Strikeで27280、Wild Lifeで82387、Port Royalで7942となった。「ROG Strix SCAR 17 SE」が13806、30431、78069、8552だったので、「ROG Strix GT15 G15CF」は約97%、約90%、約106%、約93%のスコアを記録したことになる。

 今回の「ROG Strix SCAR 17 SE」はRTX 3070、「ROG Strix GT15 G15CF」は最上位のRTX 3080 Tiを搭載している。デスクトップ版とモバイル版の差があるが、こちらも「ROG Strix GT15 G15CF」は善戦している。

「3DMark」のTime Spyは13346、Fire Strikeは27280、Wild Lifeは82387、Port Royalは7942、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは17688(非常に快適)

 今回の試用機はストレージにPCIe Gen4 x4接続のSSD「Micron 3400 MTFDKBA1T0TFH」が搭載されており、「CrystalDiskMark 8.0.4a」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6676MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4911MB/sとなった。このドライブの仕様書によれば、シーケンシャルリードは6600MB/s、シーケンシャルライトは5000MB/sとされている。大型のヒートシンクが搭載されているおかげで、スペックどおりのパフォーマンスを発揮できている。

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「Micron_3400_MTFDKBA1T0TFH」が搭載

「CrystalDiskMark 8.0.4a」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6676MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4911MB/s

ハイパフォーマンスとハイコスパ
冷却性能も静音性も安心の1台

 「ROG Strix GT15 G15CF」の魅力はなんと言っても選択肢の広さ。CPUは3種類、グラフィックボードは4種類が用意されており、目的に応じて適した構成のマシンをゲットできる。

 もちろん、ROGブランドのゲーミングマシンということでデザイン性は非常に高く、「Aura Sync」でシステム全体のカスタマイズも楽しめる。さらに、アイドル時に23dB、高負荷時に40dBという静音性も本製品の大きなアドバンテージだ。

 最新の3Dゲームだけでなく、高負荷なクリエイティブワークも軽々こなす「ROG Strix GT15 G15CF」は、ハイパフォーマンス志向のユーザーにもってこいのお買い得な1台なのである。

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