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光と酸で分解できる光分解性材料、東大が開発

2022年08月19日 18時57分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学の研究チームは、光と酸がそろったときにのみ分解できる高分子材料を開発した。従来の光分解性材料は光で分解できるため環境への悪影響が少ない利点があるが、光が当たる場所では使えないのが欠点。今回開発した材料はその欠点を解消するものとなる。

東京大学の研究チームは、光と酸がそろったときにのみ分解できる高分子材料を開発した。従来の光分解性材料は光で分解できるため環境への悪影響が少ない利点があるが、光が当たる場所では使えないのが欠点。今回開発した材料はその欠点を解消するものとなる。 研究チームは、高分子材料の一種であるポリメタクリル酸メチルに白金錯体を架橋剤として少量混入させてゲル材料を作った。混入させた白金錯体は、メチル化シクロデキストリンを環状分子とする超分子構造を有しており、365ナノメートルの紫外光と塩化水素の2つの条件を同時に作用させたときにのみ、白金-炭素結合の分解反応が進行する。この結果、光を当てただけでは分解できず、光と酸を同時に作用させたときに、分解できる材料ができあがった。 研究成果は8月9日、「アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ(Advanced Functional Materials)」誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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