2022年6月の終わりごろ、例年より早く梅雨が明けて真夏がやってきて、昼間は暑いから夜散歩でもしようかと出かけてみたら、夜でも暑かった。いや、気温よりも湿度が高くて、風もなくて。夜散歩も健康に悪いやん、と思うことしばしば。
それでも路上でぽつんとたたずんでる、よれよれのキジトラ。
公園のベンチで、ぽつんと隠れてるキジトラのハチワレ。
物置の上のよれよれの段ボールに、ぽつんと隠れてる淡い色のハチワレ。
みんな急に暑くなって困ってるようであるが、だからといって、カメラを向けられた途端に怖い顔するのはやめてください。どうもシャッターを押す瞬間に顔をぐるんと動かしたようで、寄生獣みたいになっちゃったのだ。怖いけどおもしろいので、ここに披露いたします。
で、7月の夜猫写真はなくて(なかなか出会えなかったのだ)、いきなり8月。8月にもなると陽が沈むのも早くなり、早すぎた6月の夏よりもずいぶん過ごしやすく、夜散歩もちょっとは快適になった。
ふらりと出かけたら、団地の中にかわいいハチワレがいた。建物の一部がくりぬかれて通路になっているところにちょこんと座ってたのである。這いつくばってカメラを向けたらこっちをじっと見つめてくれたのだが、暗いゆえに、大きくなった瞳に建物の明かりがちょっと映り込んでて、いい感じだったので冒頭写真にしてみた。
さらに、夜の公園でたたずむ猫。6月に出会った猫と同じだ。
暗いときはシャッタースピード優先AEにして、マメにシャッタースピードを変える。とにかく暗いので、相手がじっとしてるときはシャッタースピードを遅めにして手ブレに気をつけて撮るし、ちょっとでも動きがあるときは、ISO感度がぐっと上がってもいいので、ブレないようシャッタースピードを速めて撮る。
自分のカメラでは、ISO感度がいくつまでならクオリティを確保できるのかを頭に入れておいて、ISO感度とシャッタースピードをチェックしながら撮るのがポイントだ。
そして最後は、りょうくん。妻と一緒にぶらぶらと夜散歩に出たら、車のボンネットにちょこんと座ってる人なつこそうな猫がいたのである。撮ろうとカメラを構えたら、近所のおばさまがとことことやってきて、なでなで。
話を聞くと、この車が止まっているおうちで飼っている猫で、「りょう」くんというそうな。このあたりでは有名らしい。古い住宅街ならではの光景だ。
このりょうくん。ボンネットからぴょんと飛び降りたので、さすがに見知らぬ人に見つめられたら逃げるのかなと思いきや、1メートルくらい前まで近づいて、いきなりごろごろ転がったのである。
いやあ、この人なつこさは、近所で人気が出るわけだ。転がったままなでさせてくれるし。
そんなりょうくんと遊んでたら、おうちの扉がいきなり開いて、飼い主の方が出てきたのである。びっくりして挨拶すると、心よく、りょうくんの話をしてくれた。
そこらじゅうで転がるので、いつも顔が汚れてるとか、もう1匹飼ってるんだけどそっちは家から出ないとか。りょうくんも完全な外飼いではなく、夜になると家に入れてるんだそうな。で、たまたま、そろそろ家に戻そうと出てきたところだったらしい。今日はすぐそこにいてくれたからいいけど、姿が見えないときは近所を探すんだ、と言ってた。
夜散歩してたら、見知らぬ人と猫談議をしてたという、不思議な深夜だったのである。
■Amazon.co.jpで購入
-
古地図とめぐる東京歴史探訪 (SB新書)荻窪 圭(著)SBクリエイティブ
-
デジタル一眼レフカメラが上手くなる本 基本とシーン別の撮り方60上原 ゼンジ、桃井 一至、荻窪 圭(著)翔泳社
-
古地図でめぐる 今昔 東京さんぽガイド荻窪 圭(著)玄光社
筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
この連載の記事
-
第865回
デジカメ
4つのカメラを搭載したサムスン電子「Galaxy S24 Ultra」は猫の顔アップもピシッと撮れる -
第864回
デジカメ
”猫撮影の基本”第3弾! 背景やボケ具合をコントロールするとよりイメージどおりの写真が撮れる -
第863回
デジカメ
”猫撮影の基本”第2弾! 広角と望遠の特性を知って使い分けると写真のバリエーションがぐっと広がる -
第862回
デジカメ
構える高さを工夫すると猫写真は大きく変わる! 新年度なのであらためて猫の撮り方ノウハウをご紹介 -
第861回
デジカメ
10年前に撮った猫とまさかの再会! 数年ぶりに出会っていた猫たちの写真をライブラリーから探し出した -
第860回
デジカメ
膝の上で気持ちよさそうにしている猫を親指シャッターやアクロバティックな体勢で自撮り! -
第859回
デジカメ
富士フイルム「X100VI」は発売前から大人気! 歴代「X100シリーズ」で撮った猫写真を集めてみた -
第858回
デジカメ
ぱぱっと設定できて程良い距離感で猫が撮れる! 富士フイルム「X100VI」は楽しい趣味カメラだ -
第857回
デジカメ
噛んだり、テレビを見たり、眠ったり……うちの黒猫ミルならではの瞬間を狙ってみた -
第856回
デジカメ
望遠に強い「OM SYSTEM OM-1 Mark II」+100-400mmレンズで寝ている猫を“どアップ”で撮影 -
第855回
デジカメ
ロゴが「OM SYSTEM」に変わった「OM-1 Mark II」を持って早速猫撮影へ - この連載の一覧へ