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全固体リチウム電池の界面抵抗を抑制、高性能化に道筋=東工大など

2022年07月25日 06時36分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京工業大学、東京大学の研究グループは、全固体リチウム電池の硫化物固体電解質と電極材料の間に発生する高い界面抵抗が発生する原因を突き止めた。さらに、界面に緩衝層を挿入することで、界面抵抗を低減できることを実証した。

東京工業大学、東京大学の研究グループは、全固体リチウム電池の硫化物固体電解質と電極材料の間に発生する高い界面抵抗が発生する原因を突き止めた。さらに、界面に緩衝層を挿入することで、界面抵抗を低減できることを実証した。 全固体リチウム電池は次世代の蓄電池として期待を集めているが、硫化物固体電解質と電極材料が形成する界面が高い抵抗を示すことが分かっており、電池に大きな電流を流せない。従来の研究で使われてきた粉体型の全固体電池では構造が複雑なため、定量的な研究が難しく、界面抵抗が発生する理由を明らかにすることが困難だった。 研究グループは、試料を一度も大気に曝露しない製造方法で、不純物がない、清浄な界面を持つ薄膜型全固体リチウム電池を試作した。薄膜型全固体電池は電池材料を積層した構造になっており、反応面積を明らかにでき、界面抵抗を定量的に評価できる。電極薄膜はエピタキシャル薄膜を作製する技術を応用し、固体電解質と電極の界面におけるリチウムイオン伝導経路を原子レベルで作り込んだ。 試作した電池は、硫化物固体電解質にLi3PS4薄膜、電極にLiCoO2エピタキシャル薄膜を採用。ところが、試作した電池は正常動作しなかったという。ここで、Li3PS4とLiCoO2の界面に厚み10nm程度のLi3PO4固体電解質を緩衝層として挿入したところ、電池として動作した。緩衝層の導入によってLi3PS4とLiCoO2間の界面抵抗が導入前の1/2800に下がり、電池動作の改善につながったことが分かった。 研究成果は7月21日、「ACSアプライド・マテリアルズ・アンド・インターフェイシズ(ACS Applied Materials and Interfaces)」誌に掲載された。

(笹田)

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