不安でいっぱいだけど
ついに迎えた全日本ラリー本番当日
皆さんこんにちは、お久しぶりです。荏崎ろあ(@roa_ezaki)です。全日本ラリー選手権 第5戦「MONTRE 2022」にメカニックとして参加してきましたよ!
先日の記事(レースクイーンが挑むラリーメカニック講習会! 過酷な現場に耐えられるか!?)にも書いた通り、メカニック講習を受けたのですが、いよいよ実践の時が来てしまったのです!
1回の講習で本番のラリー当日を迎えてしまったので「作業を忘れてないかな……」と数日前からドキドキしてしまいました。そして初日である金曜日のサービスパーク集合はなんと朝5時……。3時起きで集合ポイントに向かったのですが、普段レースクイーンのお仕事でサーキットの朝の早さに慣れている私ですらちょっとキツいレベルです。ラリーメカニックの朝ってこんなに早いんだ、と初日からその厳しさを学びました(笑)。
ラリー車両を整備するサービスパークが設置されているのは群馬県富岡市にある「群馬サファリパーク」です。地元から近く、何回か遊びに行ったこともある場所だったので、「ここでラリーをやるの!?」と最初はビックリしました。サービスパークに着くと、メカニックの仕事はまず各種テントの設営から始まります。
レースクイーンでサーキットに入るときはチーム側があらかじめやってくれていたので、自分自身が設営に入ったのは初めてでした。他のメカニックさんやスタッフさん、監督さんがテキパキと設営を始めているので、私も見よう見まねで手伝いました。
全日本ラリーでは金~日の3日間、朝早くから夜遅くまで作業があり、1日ずっとホスピタリティーテントで過ごすことになるため、テーブルや椅子、電子レンジや冷蔵庫などの設置もします。その後、ホスピテントの設営が終わったら車両を整備をするサービステントへ車両を入れます。
今回は2台体制なので、やることも盛りだくさん!
今回のウェルパインモータースポーツは村田選手と梅本選手が乗る17号車と、古川選手と戸塚選手が乗る54号車の2台体制でした。そのためホスピテントが1棟、サービステントが2棟の計3棟設営でした。ラリーカー2台はメカニック講習の時に高崎のファクトリーで1度見たことがありましたが、実際にラリーの現場で再会すると「ここで本当にメカニックをやるんだ」と改めて実感しました。今回のラリーでは、メカニックは私を含めて4人だったので、私も中途半端な仕事をしては迷惑がかかると思い、かなり緊張してしまいました。
私たちがサービスパークで設営作業をしているとき、選手たちは早朝からレッキというコース試走をしています。ラリーで使用するコースは一般公道であるため、路面状況が常に変化して、危険なポイントもたくさんあります。そこで、実際にラリーで使用するラリーカーとは別の車でコースを走って、道路の特徴や注意点などを記したペースノートを作るのです。本番のときはコドライバーさんがこのペースノートを読み上げてドライバーさんが全開走行します。
そのため金曜日に選手がサービスパークに戻るのは夕方。それまでに土日の本番で使用するラリーカーの最終メンテナンスと競技車検を済ませておくのがメカニックの仕事です。
この日は9時の吸気リストリクターのチェックから車検がスタートする予定だったため、そのための準備をしました。競技車両にも通常の車両と同様に決められた検査があり、これに落ちてしまうと本番のラリーに出場ができなくなってしまいます。
まずメカニックのみでミーティングをして、顔合わせと車検前後の作業内容の確認、誰がどの作業を担当するかを話しました。私の指示された作業は、車両の誘導、車両にウマをかけてタイヤを四輪外すこと、角部締め付けトルクのチェック、そして洗車とゼッケン貼りでした。最終的なメンテナンスは車検後にするため、この時の足まわりのチェックは簡単に済ませ、車検前は洗車メインに行ないました。
車両がある程度綺麗になったら、規則にあるとおりゼッケンや指定ステッカーを貼っていきます。車検では参加受付の際に配布されるゼッケンや指定ステッカーも確認されるのです。ゼッケンを左右ドアとボンネット、そしてモントレーのステッカーも細かく貼る位置が決められています。普段レースに関わる仕事をしていても、こういった作業をすることはなかったので「モータースポーツには様々な規則があるんだな」と改めて思いました。
車両に貼るステッカーは写真を撮られる際にも目立つため、綺麗に貼れるかどうかドキドキして慎重になってしまいました。自分の車にもステッカーは貼ったことなかったので、本当に初めての作業でしたが、納得いくデキ栄えで良かったです。
ラリー前の車検は超重要! 装備品も確認されます
こういった準備やメンテナンスが終了したら、いよいよ車検場に向かいます。これもゼッケン番号ごとに入場時間が決まっているため、その時間通りに合わせて車検レーンに並びます。一般車の車検場に少し似ていて、車検場内に設置されたテントの検査レーンに1台ずつ進み、各テントで順番に規定項目部分を点検されます。さらにドライバーとコ・ドライバーが使用するヘルメットや、グローブ、レーシングスーツ、フェイスマスクも規則に合致する規格や製造年かも厳しくチェックされます。
私は車検場の手前まで車両を運転させてもらえたのですが、GRヤリス自体の運転は初めてだったため少し怖かったです。また競技車両だし操作も難しいのかなと身構えていましたが、クラッチも軽く意外と普通に操作できてうれしかったです。毎日マニュアル車の運転をしているので、こういう時に役立ちます(笑)。
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