みなさん、こんにちは!
横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。
第15回は「アクアミュージアム」でホッキョクグマやイルカ、アザラシ、セイウチなどの海獣類を担当している石野紗英がお伝えします。
前回の記事はこちら。
■おかえりなさい!イッテQ!水族館
※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記
今回は「ホッキョクグマの魅力」をお届けしていきます。
ホッキョクグマは名前の通り、北極圏に暮らす動物です。
地上最大の肉食獣であり、自然界ではアザラシやセイウチ、シロイルカなどを捕食します。しかし、肉食獣でありながら、時に果実や海藻などを食べることもあります。
また、寒い地域でも暮らしていけるように、体の構造にさまざまな秘密が隠されています。
1つめは体の大きさです。寒い地域に暮らす動物ほど体は大きい特徴があります。ホッキョクグマの体長は2m~2.5m、体重は300㎏~800㎏にもなります。
2つ目は毛で覆われている範囲が広いことです。全身はもちろん、ツメの間や肉球の際まで毛で覆われていることが分かります。
3つ目は毛が透明であり、地肌は黒いことです。毛はストロー状になっていて、空洞の中の空気が温められ膨張することで、毛と毛が密になり、体表温を逃さない構造になっています。また、毛が透明であることから、光を直接黒い地肌まで届け、体温をあげることができます。
では、ここからはシーパラに暮らしているホッキョクグマの「ユキ丸」の魅力に迫っていきます。
ユキ丸は今年で推定30歳、オープン当初から愛され続けています。
そんなユキ丸が現在食べているエサは全部で8種類。1日約7kg食べています。写真のように馬肉やリンゴ、ニンジンやサバ、ホッケなどを食べています。
その中でも特に馬肉が大好きで、ユキ丸は好きな物から食べる性格です。
また、岩の上で寝ていることも多いユキ丸ですが、日中はギンザケもいるプールで豪快に泳ぐ姿も見ることができます。
ここからはシーパラで毎日開催している「ホッキョクグマのエンリッチメントタイム」でのユキ丸の姿を紹介していきます。
(エンリッチメントとは、動物たちが幸せに暮らすために、飼育環境に工夫を加えて生活をより豊かにしようという試みのことです。)
まずは、エサを氷と一緒に固めてあげてみました!
ホッキョクグマは顎の力が強く、10cm程の厚さがある氷を噛み砕いています。
ボリボリと音を立てて美味しそうに食べてくれましたが、顎の力強さには驚かされました。
続いては、ロープに色々なエサを付けて吊るしてみました!
ユキ丸の真上にエサが準備されると、バランスを取りながら立ちあがり、かぶりついて食べ始めました!
ホッキョクグマは1日に40㎞以上泳いだり、20時間以上歩き続けることができるので、立ちあがる姿から、足腰の強さをお伝えできたと思います。
最後は、ユキ丸の体の大きさと同じサイズのカラーコーンをプレゼントしてみました!
気に入ってくれたのか、抱えてみたり、潰してみたり、底の穴に顔を入れてみたりと楽しそうに遊ぶ姿が見られました!
氷上で休息している獲物を捕らえたり、海中から襲いかかって獲物を捕らえたりするホッキョクグマの採食の姿を引き出すことができたのではないでしょうか。
このようにユキ丸に楽しんで生活してもらうために、私たち飼育員は日々工夫しています。
ぜひ魅力たっぷりなユキ丸に会いに来てくださいね!!!
横浜・八景島シーパラダイス
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