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GeForce RTX 3080で快適ゲームプレイも実現、吸音材付きパネルのPCケースを採用

上下前後Noctuaファン祭り! パソコンショップSEVENが“静音”にこだわった、暑い夏も余裕なハイエンドPCとは?

2022年07月01日 20時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

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静音性を重視しつつも性能に妥協なし!
空冷クーラーで高い静音性を実現

──今日はよろしくお願いします。まずは、ZEFT R37FLUXのコンセプトについてお聞かせください。

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):今回は“静音性”に重きを置いてパーツ構成をしています。静音性を追求するのであれば、パソコンのスペックをある程度抑えるのが1つの方法です。しかし、ZEFT R37FLUXでは、静音性と高いパフォーマンスの両立にチャレンジしています。しかも、CPUファンには空冷タイプをチョイスしていますので、一風変わったパソコンに仕上がったのではないでしょうか。このZEFT R37FLUXですが、「静音パソコン」のカテゴリーに入るゲーミングモデルとして発売します。

──AntecのPCケース「P10 Flux」は、御社のマシンでは初の採用でしょうか?

中嶋氏:はい。実はこのケースは半年ほど前からテストし、導入を検討していました。AntecはP10 Fluxに関して、静音性の高いケースながらもエアフロ―を犠牲にすることなく高い冷却性能を実現すると謳っています。弊社のテストでも、冷却性と静音性が両立していることが実証できました。天板を始め、フロントパネルのカバー、左右のサイドパネルに吸音材が貼られていますので、静音性は良好です。また、弊社が取り扱っているケースは、サイドパネルに強化ガラスを用いた内部が見えるタイプが多いのですが、P10 Fluxは窓のないスチール製のケースで、なおかつ静音性にも重きを置いている、質実剛健さも感じるデザインとなっています。

真重 翔氏(以下、真重氏):試しにフロントパネルのカバーを開けてみると動作音が聞こえるのですが、閉めると一気に静かになり、このケースに貼られている吸音材の、吸音性の高さが実感できました。P10 Fluxは、静音性に関してかなりこだわって設計されているという印象です。

フロントパネルのカバーを開けたところ

サイドパネルには吸音材が貼られている

天板にはUSB Type-Aが2基とヘッドフォン出力、マイク入力が用意されている

Noctuaのファンで統一し、静音と強力冷却を両立

──P10 Fluxは標準でケースファンを5基も搭載しているんですね。

中嶋氏:ケースの標準で5基のファンが付属しています。弊社の取り扱いケースの中でもケース標準ファンの搭載数、取り付け可能数は最大で、すごいの一言です。今回の構成ではさらに1基足した計6基を搭載しています。このケースの特徴としてケースファンスロットが多いということで、カスタマイズのご紹介も兼ねすべてのファンをNoctuaの120mm角ファン「NF-A12X25 PWM」に換装しました。CPUクーラーにNoctua 「NH-U12A」を採用しており、こちらのファンも「NF-A12x25 PWM」が搭載されているので、合計すると8個というNoctuaづくしに交換したモデルをご紹介させていただければと思います。弊社でもBTOで選ばれるお客様が多い人気のケースファンです。これにより、高い静音性を維持しつつ、十分な冷却性能を発揮します。P10 Fluxは、内部が見えない構造ですが、サイドパネルを外すと、これらのケースファンがかなり目立ちます。

真重氏:コキンメフクロウのことを“Noctua”というそうで、暗がりでも静かに飛ぶさまが、ケース内部で静かにエアーを送るイメージに合致しているような気がします。

内部の様子。6基のファンが特徴的だ

──ほかのパーツも含めるとファンは結構な数ですね。

中嶋氏:電源ユニットやCPUクーラー、ビデオカードのものを足すと、ZEFT R37FLUXは計12基のファンを備えていることになります。ですが、それでも静かなのは、P10 Fluxがフロントパネル側と右側面から吸気する構造になっていまして、電源ユニットのシュラウドに装着したファンが、底面から離れた位置にあることが要因の1つだと思います。あとは、やはりNoctuaのファンの静音性によるところも大きいですね。テストでは、パソコンへの負荷がなくなると、CPUとGPUの温度がかなりの勢いで下がっていきます。内部のエアフロ―が、かなりしっかり確立されているという証拠でしょう。

真重氏:実際に動かしてみた最初の印象は、本当に電源が入っているのかどうかわからないほど“静か”というものでした。CPUとGPUの負荷をともに100%にしてみたのですが、かすかな風切り音が聞こえるレベルでした。あくまで参考程度なのですが、50cm離れた位置から簡易な騒音計で動作音を測定してみたところ、中価格帯の一般的なミドルタワーケースが38~43dBだったのに対して、このZEFT R37FLUXは35~40dBでした。エアコンを切って部屋を締め切った静かなオフィスでも、遠い別のフロアの空調の音などを拾って40dbほどは検出されるので、ZEFT R37FLUXは数値的な観点からも静音性能の高いパソコンであるといえそうです。また、P10 Fluxの恩恵はゲーム時でも大きく、ゲームベンチマークを継続的に高負荷を掛けて検証したところ、先のミドルタワーケースが65dまで達しましたが、ZEFT R37FLUXは58dBまでしか上がりませんでした。

電源ユニットのシュラウド上に2基のファンが搭載されている

一方、フロントパネルには吸気孔のファンを3基装備

背面の様子。こちらからも1基のファンが確認できる

──Noctua製のケースファンへの換装はほかのモデルでも可能ですか?

中嶋氏:はい。ほかのモデルやケースでも、換装や増設が可能です。1基からでも換装できますので、予算に合わせて選んでいただければと思います。ですが、ケースによっては、スペースの問題などで対応できない場合もあることは、ご了承ください。

──P10 Fluxの組み立てやすさはいかがでしたか?

中嶋氏:そのあたりもかなり配慮されていて、非常に組み立てやすいケースですね。スペースもしっかり確保されていますので、ケーブルの取り回しも容易で、かなりスッキリした配置になっています。

こちらは右側面の内部の様子。ケーブルの引き回しも比較的スッキリしている

──位置付け的にこのZEFT R37FLUXは、ゲーミング向けモデルなんですよね?

中嶋氏:はい。ただ、ゲーミングパソコンというとLEDを点灯させて、派手なイルミネーションのイメージがあると思いますが、その一方でそういった派手さはいらないと考えている人もいることは確かです。そういった方の心に刺さるモデルではないでしょうか。基本構成では、ケース内部にも、LEDを備えたパーツはありませんので、落ち着いた大人向けの雰囲気を好まれる方にオススメしたいです。

真重氏:ゲーミングパソコンを組む際のオプションパーツとして、好んでNoctuaのファンを使用する方が多くいらっしゃいます。Twitterでも#noctuaハッシュタグをつけて写真を投稿する方はよく拝見します。とにかく静音性や冷却性能にこだわりたいゲーマーの方に、このパソコンをご提案できるとうれしいですね。

──静音性に関する問い合わせは多いのですか?

中嶋氏:はい、結構いただいております。とくにPCケースに関して、その動作音を気に掛ける方が多い印象です。近年、ゲーミング向けパソコンでも、静音性にこだわる方も増えてきていまして、別のモデルですが、パーツの説明に“静音”という文字を入れたほうが、お客様の目に留まりやすくなっている場合もあるようです。

──CPUクーラーも簡易水冷クーラーではなく、Noctuaの空冷クーラーなんですね。

中嶋氏:今回、Noctuaの空冷クーラー「NH-U12A」を採用していますが、実はこのCPUクーラーはお客様の要望で取り扱いを始めたモデルです。その後も、空冷クーラーや静音性にこだわる方がBTOでこのクーラーに変更されることが多く、今回、基本構成に採用した次第です。

CPUクーラーはNoctuaの空冷タイプのNH-U12Aを採用

──静音というと簡易水冷クーラーのイメージがあるのですが、なぜ空冷クーラーなのでしょうか

中嶋氏:1つは、先ほどお話させてもらったように、ケースファンをNoctuaのもので統一していますので、それとCPUクーラーを揃えたかったというのがあります。もう1つは、お客様から空冷クーラーの要望が一定数あることが由来になります。冷却に関しては、AMDの公式Webサイトに、推奨クーラーの中で数少ない空冷クーラーとしてNH-U12Aが入っているほど、十分な性能を持っています。NH-U12Aに限らず、Noctuaのクーラーやファンは静音性にも定評がありますし、実際にテストした限りでは非常に静かでした。そのため、ZEFT R37FLUXは、空冷クーラーで静音性とパフォーマンスの両立に挑戦したコンセプトモデルともいえます。もちろんBTOで簡易水冷クーラーに変更することもできますし、ケースのP10 Fluxであれば、360mmクラスのラジエーターをフロントパネル側に搭載することが可能です。5インチベイと360mmサイズのラジエーターが共存できるケースはかなりめずらしいです。

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