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がん抑制遺伝子で肝細胞がん発生が促進=阪大

2022年06月24日 06時51分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学の研究チームの研究で、がん抑制遺伝子p53が肝臓で過剰に働くことで、むしろがんの発生が促進されることが分かった。p53は最も重要ながん抑制遺伝子として知られ、肝細胞がんを含めた多くのがんがp53の機能が失われることで発生する。一方、p53の過剰な働きでがんが発生することはこれまで知られていなかった。

大阪大学の研究チームの研究で、がん抑制遺伝子p53が肝臓で過剰に働くことで、むしろがんの発生が促進されることが分かった。p53は最も重要ながん抑制遺伝子として知られ、肝細胞がんを含めた多くのがんがp53の機能が失われることで発生する。一方、p53の過剰な働きでがんが発生することはこれまで知られていなかった。 研究チームは肝細胞がんを自然発症するマウスを作り、p53の分解を促すタンパク質であるMdm2を幹細胞で欠損させた。その結果、肝細胞でp53が分解されず蓄積し、活性化してしまい、肝細胞がんの発生が著しく促進された。同じマウスで、さらにp53を欠損させたところ、肝細胞がんの発生を抑制できたという。 肝細胞がんの予防では原因となる慢性肝疾患の治療以外に方法がなかったが、今後、新たな予防薬の開発につながる可能性がある。 研究成果は6月13日、「キャンサー・リサーチ(Cancer Research)」誌に掲載された。

(笹田)

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