インボイス制度の対応について「弥生PAPカンファレンス 2022 春」で説明
弥生では毎年、会計事務所パートナーである弥生PAP会員向けにカンファレンスを開催しています。この6月に全国7拠点とオンラインで実施した「弥生PAPカンファレンス 2022春」でも、このインボイス制度への対応がメイントピックス。今回は6月9日に開催されたオンラインカンファレンスについてご紹介します。
法令改正により、2023年10月1日から適格請求書等保存方式(以下、インボイス制度)が導入されます。これは複数税率に対応するための消費税の仕入税額控除の方式で、消費税を納める企業や個人事業主はもちろん、これまで売上げ1000万円以下で免税になっていた事業者にも影響がある制度です。
すでに2021年10月1日よりインボイス(適格請求書)を交付できる適格請求書発行事業者(登録事業者)の登録番号申請が始まっています。この申請の受付は、2023年3月31日まで。まだ先だと思っていたインボイス制度の導入が、徐々に迫ってきています。
昨今の法令改正には、インボイス制度と改正・電子帳簿保存法(以下、改正電帳法)の2つがあります。改正電帳法は2年間の経過措置期間が設けられましたが、2024年1月1日以降に電子的に受け取った取引情報は、電子データ保存が義務化されます。
改正電帳法への対応について、「単に紙から電子化への変換ではなく、業務の在り方自体をデジタル化する見直しが必要」だと、弥生 代表取締役社長執行役員の岡本浩一郎氏は言います。そのため弥生では、2020年7月にデジタルインボイス推進協議会(EIPA、電子インボイス推進協議会から改称)を立ち上げ、デジタル化に向けた提言を発表しています。
インボイス制度では、売り手側は適格請求書を発行しますが、それらの写しの保存が必要。買い手側は受領した適格請求書の保存が必要になります。これまでは3万円未満の取引については帳簿のみ保存で対応できましたが、その特例が廃止され、保存が不可欠になるという改正点もあります。
多くの中小企業では、見積や受発注、請求、支払いなどの商取引が、アナログや手作業で実施しているのが実状です。販売管理システムと会計システムが必ずしも繋がっておらず、分断されているのです。売り手と買い手についても分断されており、生産性を低下させないためにも、こういった分断を解消していく必要があります。