ミドルクラスの全部入りスマホの新製品ラッシュを迎えている。なかでもOPPOの新製品「OPPO Reno7 A」を始め、シャオミ「Redmi Note 11 Pro 5G」、モトローラ「moto g52j 5G」の3機種を中心で迷う人が多そうだ。そこで、各機種の特徴を整理した。
今年のミドルクラス全部入り機をあらためて確認
まず、本記事における“全部入り”の定義だが、今時のスマホアプリが問題なく動く性能を持っていることは大前提として、FeliCa搭載は必須、防水対応もあればさらによいとしている。ただし、防水・防塵はすべてがIP68という最上級のものではなく、IP67やそれ以下のものもある。
その条件での4~5万円程度のラインナップを見ると、まず、発表されたばかりのOPPO Reno7 Aを筆頭に、シャオミはRedmi Note 11 Pro 5G、今年からこのカテゴリーに参戦してきたモトローラのmoto g52j 5Gがあり、これが主要な3機種と言える。
この3機種のSoCはいずれもSnapdragon 695 5G。防水性能や重量などをはじめ、細かなところで違いは多いが、処理性能だけ見れば横並びである。
そのほかにも、キャリア販売モデルとなるがシャープ「AQUOS sense6s」が同じくSnapdragon 695 5Gを搭載し、価格も4~5万円であるほか、ソニー「Xperia 10 IV」も同じSoCで7月発売。7月発売ではグーグル「Pixel 6a」は5万3900円と5万円台だが、SoCは独自の「Google Tensor」で処理性能面でワンランク上を期待できる。
iPhoneであれば、やはりFeliCaや防水に対応する「第3世代iPhone SE」も5万円台とこのカテゴリーに入れていいだろう。
ここで挙げた5機種を表にまとめた。
第4世代まで進化し、無難に選べる1台「OPPO Reno7 A」
これらの中でまず最初に検討したいのがOPPO Reno7 A。「OPPO Reno A」シリーズの第4弾となり、以前のモデルから愛用しているユーザーも多いはず。今年はスペック的には正常進化と言える一方で、外見を変えてきた。ミドルクラスの全部入りで迷ったら、大きな失敗のない1台と断言できる機種となる。
スペックを細かく見ると、前モデル「OPPO Reno5 A」からはSnapdragonの型番が700番台から600番台へ下がったことやカメラの画素数が下がってるといった違いが見られるが、世代が新しいことなどから単純に性能が下がったわけでない。また、カメラの画質は画素数がすべてではないことから、こればかりは実際の写真で判断するしかない。とはいえ、最近のミドルクラスであまりに酷いレベルのカメラはまずないので好みの問題となるだろう。
格安SIMを使う場合、SIMの使い分けなどで重要なデュアルSIMの対応についても、OPPO Reno5 Aでも特徴だった物理SIM2枚(nanoSIM×2)の組み合わせだけでなく、nanoSIM+eSIMでも使える点を継承。同時利用でなければ物理SIM2枚とeSIMの合計3枚を本体に入れておくことができる。
ほかには、音量ボタンが左側にあることを気にする人もいるだろうか。電源ボタンを押す時に本体を押さえておかないと反対側の音量ボタンまで押してしまうことがあり、他のAndroid機と比べると使い勝手に差が出る部分だ。
あとは、前モデルから大きく変わった背面の仕上げや、有機ELへの回帰などもある。OPPOは今回、長く使える点を強調しているが、内部ファイル構成の劣化防止がなされたとしても、アプリが最新機種に合わせて高機能化するなど、いずれ全体的に動作が緩慢になってくるのは避けられない。長く使えるかどうかは、ユーザーの気持ち次第という面も大きいだろう。
防水性能では見劣りするが、
動画再生マシンとしては良好な「Redmi Note 11 Pro 5G」
シャオミのRedmi Note 11 Pro 5Gだが、昨年の全部入りミドル機の主力「Mi 11 Lite 5G」からはブランドを変えてきた。スペック的には、SoC性能などで若干ランクが落ちる部分もありつつ、価格はOPPO Reno Aシリーズに合わせたか、4万4800円とOPPO Reno7 Aと並んだ。
前年モデルでもそうだったが、今年も防水性能は強化されていない。シャオミのサイトには記載がないが、MVNOの販売サイトなどでは「IPX3/IP5X」と記されており、本格的な防水とは言えず、スマホが汚れたら水で洗い流すといったことはできない。常に持ち歩く機器としては大きな弱点と感じる人もいるだろう。
ディスプレーは、6.67型でリフレッシュレート最大120Hzの有機ELなど十分な表示性能を持ち、ステレオスピーカーを本体に搭載している点はスマホ本体だけで動画を楽しみたい、というユーザーには大きな利点となる。バッテリー容量も5000mAhと大きい。
カメラもメインが約1億800万画素と画素数だけなら最強クラス。ただし、実際の写りはまた別なので、これは自分の撮影シーンに合った撮影例などで確認して判断してほしい。
重量は202gで、OPPO Reno7 Aの175gとは明らかな差があり、気にすれば気になってしまう部分。ただし、これも慣れなのでなんとも言えない。
ちなみにシャオミ機はACアダプターが付属している機種が多いが、このRedmi Note 11 Pro 5Gも同様。カタログなどで強調される最短の充電(最大67W対応)は付属品利用時となる。
待ちに待った!?
モトローラ初のFelica&防水両対応機「moto g52j 5G」
モトローラから、同社では初めてのFeliCa&防水の両方に対応した「moto g52j 5G」が登場した。Snapdragon 695 5Gや6GBメモリー、128GBストレージといった部分は、前述のOPPOやシャオミと同じ。しかし、ディスプレーが液晶であるなどの違いがある。
また両機との最大の違いと思われるのが、ホームUIがほぼAndroid標準のままで、Googleアシスタントキーも備えている点。OPPO「ColorOS」、シャオミ「MIUI」のような独自拡張されたUIは、Androidではあっても設定画面をはじめ細かな違いがあり、できることに差が生じることもある。オリジナルに近いAndroidを求めるならmoto g52j 5Gだろう。
ディスプレーは液晶だが、リフレッシュレートは最大120Hzに対応。防水・防塵はIP68、カメラは広角、超広角(深度センサー兼用)、マクロというもこのクラスでは標準的なもので、全体的には過不足ない。
バッテリーは5000mAh、重量は約206g、厚みは9.1mm。これだけなら大きさはあまり気にならないかもしれないが、縦方向のサイズは約171mmとOPPO Reno7 Aに比べると1cm以上も長く、本体の大きさをしっかり感じる。
サイズを除けば、moto g52j 5Gは特徴的な部分がないこと自体が特徴とも言える。しかも価格は3万9800円とライバルより少し安い。スマートフォンはアプリがすべてと考えていて、本体の大きさが気にならなければよい選択と言えるだろう。
なお、SIMについては、moto g52j 5GとRedmi Note 11 Pro 5Gは、nanoSIM+eSIMの組み合わせのみとなる。物理SIMを2枚刺すことはできないので注意が必要だ。
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