本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「Raspberry Pi Imagerの使い方 ― v1.7.2以降 対応版」を再編集したものです。
こんにちは、ソラコムの伊藤(ニックネーム: Masaki)です。
Raspberry Pi(ラズベリーパイ、通称:ラズパイ)は、センサーと接続できる小型のコンピューターで、IoTの検証やデモなどのよく使われます。そして「Raspberry Pi Imager」は、ラズパイで利用するmicroSDにOSを手軽にインストールできる公式ツールです。
このブログでは2022年6月時点での最新バージョン(v1.7.2)に対応したRaspberry Pi Imagerの使い方について説明していきます。
Raspberry Pi Imagerとは
Raspberry Pi Imagerとは、ラズパイで使うOSのダウンロードとmicroSDの書き込みを一度に行ってくれるソフトウェアです。対応OSはWindows、macOS、そしてGUIタイプのLinuxで利用できます。マウスを操作して3~4クリックで書き込みできるため、非常に手軽にmicroSDの準備ができます。
1. ダウンロード
Raspberry Pi のダウンロードページを開き、Raspberry Pi Imager をダウンロードします。
以下の画面はWindowsで開いた時のダウンロード画面で、Windowsが強調表示されています。お手元のPCのOS に合ったRaspberry Pi Imager を選びましょう。
2. インストール
Windows の場合
ダウンロードした imager.exe を実行し、インストーラーの指示に従ってインストールを完了します。
macOS の場合
ダウンロードした imager.dmg を実行し、 Raspberry Pi Imager を Applications (アプリケーション) フォルダへコピーします。
3. OSをmicroSDカードに書き込む
次に実際にRaspberry Pi Imager を用いて、お手持ちのmicroSDカードにOSを書き込みます。
以下の場所にダウンロードされている”Raspberry Pi Imager”を起動します。
Windows | [スタートメニュー]> “Raspberry Pi Imager” ※ “このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?” という表記には[はい]をクリックして進めてください。 |
macOS | [Finder]>[アプリケーション フォルダ]> “Raspberry Pi Imager” ※ “インターネットからダウンロードされたアプリケーションです” には[OK]をクリックして進めてください。2回目以降では表示されません。 |
[OSを選ぶ]をクリックしダウンロードしたいOSを選択してください。ここでは[Raspberry Pi OS (other)]>[Raspberry Pi OS Lite (64-bit)]を選択します。
OSの選び方については「Raspberry Pi OSの選び方」をご覧ください。また、ラズパイで利用するmicroSDの選び方は「Raspberry Pi 3および4で使うSDカード(microSDカード)の選び方」をご覧ください。
次に[ストレージを選ぶ]をクリックし[Generic MassStorageClass Media]を選択します。
microSDの接続先によっては別の表記となる場合がありますが、容量から判断してください。
次に右下の歯車マークをクリックし各種設定を行います。
macOSでは「Wifiのパスワードをシステムのキーチェーンから読み取って設定しますか?」というダイアログが出てくる場合があります。[Yes]から情報を入力すると、現在使用しているWi-Fiのパスワードが自動で入力されます。
はじめに[ホスト名][SSHを有効化する][ユーザー名とパスワードを設定する][Wi-Fiを設定する][ロケール設定をする]の5項目にチェックをつけます。
その後、以下のように入力してください。
項目 | 入力内容 |
---|---|
ホスト名 | 初期設定の通り raspberrypi とします。 |
SSHを有効化する | 「パスワード認証を使う」にチェックを入れます。 ※公開鍵を持っている場合は、ここで公開鍵認証を選ぶこともできます。事前準備なしに、まず遠隔ログインするならばパスワード認証が手軽ですが、ユーザー名とパスワードは強固なものを利用してください。 |
ユーザー名とパスワードを設定する | [ユーザー名]を pi とします。 [パスワード]はこちらから安全なパスワードを生成し入力します。 ※ユーザー名は自由に設定可能です。パスワードは忘れないようにしてください。 |
Wi-Fiを設定する | [SSID]には Raspberry Pi から接続したいWi-FiのSSIDを入力します。 [パスワード]には、SSIDに対応するパスワードを入力してください。 [Wifiを使う国]は「JP」を選択してください。 ※SSIDの初期値には、パソコンで接続中のWi-FiのSSIDが表示されています。そのまま利用する場合には変更不要です。 |
ロケール設定をする | [タイムゾーン]に自分のお住まいの場所(日本の場合「Asia/Tokyo」) [キーボードレイアウト]に「us」が表示されていることを確認してください。 |
セキュリティの観点からデフォルトユーザーが削除されました。ユーザー名とパスワードは各自で設定してください。強固なパスワードを一括で管理できる1Passwordといったサービスもございます。
Wi-Fiの利用については、当該ネットワーク管理者の了解を取るようにしてください。また、Wi-Fi 接続時に Web ブラウザ等による認証が必要なネットワークは利用できません。
以上の設定が終わったら[保存]をクリックし内容を保存します。
[書き込む]から書き込みを行い、完了したら microSD カードを取り出してください。以上でmicroSDへのOSの書き込みが完了します。あとはmicroSDをラズパイに取り付けて利用してください。
おわりに〜ラズパイ活用のIoTレシピ紹介
ソラコムでは実際にラズパイを用いたIoTシステムを誰でも簡単に実装できるように、いくつかのレシピを提供しています。まずラズパイを使ってみたいという方にオススメです。ぜひご覧ください。
「Raspberry Piで、近づくと自動応答する店番ロボット」ではセンサーで人の接近を感知し音声で案内をするロボットを作成します。
「Raspberry Piで作る会議リマインダー」では、Googleカレンダーと連携し重要な予定をePaperと音声で通知するシステムを作成します。
― ソラコム伊藤 (Masaki)
投稿 Raspberry Pi Imagerの使い方 ― v1.7.2以降 対応版 は SORACOM公式ブログ に最初に表示されました。
この連載の記事
-
第478回
デジタル
コープさっぽろが、クラウド型カメラ「ソラカメ」を全店舗で導入、現場主導の改善を実現、サーバールームの異常な温度上昇を通知する新規掲載レシピ takuyaのほぼ週刊ソラコム 11/16-11/29 -
第476回
デジタル
WebRTCとMedia over QUIC Transportの性能比較 -
第475回
デジタル
SORACOM Lagoon 3 の [Math] 機能で、複数データを組み合わせた通知の手順 -
第474回
デジタル
SORACOM Flux の AI アクションに Amazon Bedrock – Anthropic Claude 3.5 Haiku を追加、Teltonika RUT240 の価格を改訂 takuyaのほぼ週刊ソラコム 11/02-11/15 -
第473回
デジタル
IoTセキュリティの基本知識と実践をご紹介 ― 10/31開催:SORACOMユーザー向けオンラインセミナー開催レポート -
第472回
デジタル
SORACOM Flux に追加された Incoming Webhook をつかってインタラクティブな Flux アプリを作る -
第471回
デジタル
サーバールームの異常な温度上昇を通知する新規掲載レシピのご紹介 -
第470回
デジタル
Virtual Private Gateway (VPG) Type-F2 が正式リリースになりました! -
第469回
デジタル
暗号化非対応のTCPクライアントでもNapterまでの通信を暗号化する方法 -
第468回
デジタル
SORACOM Beam や SORACOM Flux の開発・デバッグに使える HTTP モックサーバーを素早く作る方法