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OIST、新開発の鉄触媒によるオレフィンメタセシス反応を実証

2022年06月08日 06時37分更新

文● MIT Technology Review Japan

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沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、「オレフィンメタセシス反応」を促進する触媒を開発した。オレフィンメタセシス反応は炭素-炭素二重結合の形成に最も広く使われている触媒反応の1つで、一般には触媒として貴金属であるルテニウムを使用する。ルテニウムと鉄は周期表で同じ族に属しており、似たような性質を持つと考えられているため、化学者はこの目標を達成する方法を模索してきた。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究チームは、「オレフィンメタセシス反応」を促進する触媒を開発した。オレフィンメタセシス反応は炭素-炭素二重結合の形成に最も広く使われている触媒反応の1つで、一般には触媒として貴金属であるルテニウムを使用する。ルテニウムと鉄は周期表で同じ族に属しており、似たような性質を持つと考えられているため、化学者はこの目標を達成する方法を模索してきた。 研究チームは、新たに設計した鉄錯体を作製し、オレフィンメタセシス反応の触媒として使用できることを実証。炭素-炭素二重結合の切断と生成によって、小さな化学分子が連結して鎖状分子を形成することを証明した。 研究成果は6月2日、「ネイチャー・カタリシス(Nature Catalysis)」誌に掲載された。今回の研究は鉄触媒の可能性を示すことに成功したが、鉄触媒よりもルテニウム触媒の方が応用範囲は広い。鉄触媒は活性が低く、空気や湿気に対して不安定だからだ。今後ルテニウム触媒に代わる鉄触媒を開発するには、この問題を解決する必要がある。

(笹田)

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