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400人体制で行なわれた新世代銀行システムの開発とは?

アクセンチュアのスクラムマスターが語る銀行システム開発の舞台裏

2022年05月27日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: アクセンチュア

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 クラウドネイティブな銀行の基幹システムをユーザー企業とともに作り上げたアクセンチュア。アジャイル開発をリードしたスクラムマスター4人に、大規模な基幹システムならではの苦労や工夫、スクラムマスターとしてのやりがいなどを聞いた。 (以下、敬称略 インタビュアー ASCII編集部 大谷イビサ)

スプリント開発をリードした4人のスクラムマスター

ASCII 大谷(以下、大谷):まずは山本さんから自己紹介と担当領域を教えてください。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部、シニア・マネジャー 山本潤氏(以下、山本):今回の金融システムのプロジェクトには、立ち上げ時から参加しました。具体的には、業務要件定義が完了し、システム要件定義中のスプリント開発を始める前段階でアサインされました。

担当していたのはSoEの部分。モバイルアプリでの新規口座開設の導線や顧客の名前や住所などの情報を管理する仕組み、そしてログイン管理やOAuthを用いた認証管理などをカバーしています。2~3年に渡り、スクラムマスターとしてスクラムチームを維持管理しました。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部、シニア・マネジャー 山本潤氏

大谷:続いて青柳さんと高さんもお願いできますか?

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部、シニア・マネジャー青柳 豪氏(以下、青柳):私もデリバリーのフェーズからの参画です。スプリント開発を開始する前の「スプリントゼロ」というお試しフェーズから、スクラムマスターとして入りました。

最初は全銀や統合ATM、CAFISとの連携を、その後はローンの一部などの開発を担当し、稼働後はアプリの保守を受け持っています。

アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部、シニア・マネジャー高 子棟氏(以下、高):プロジェクトに入ったのは山本さんとほぼ同じタイミングで、スプリント開発の準備段階。山本さんといっしょに機能一覧の整理をやっているうちに、「これからスプリント開発を始めるので、バンキングシステムのコアとも言える預金システムをやってほしい」と言われました。

僕は当時まだアクセンチュアに入って3ヶ月くらいしか経ってなかったし、金融システムの経験もない。なぜ指名されたかいまだに不思議なのですが(笑)、ともあれバンキングシステムの預金システムを開発するスクラムのマスターになり、リリースまで担当しました。中国人ということもあり、大連の開発者チームとの連携も担いました。業務関連は日本、開発は中国という役割分担です。

リリース後はアプリの保守を青柳さんたちにお願いし、僕は次の追加機能開発を担当しました。5人くらいの小さなチームのスクラムマスターとして、今に至っています。

大谷:最後の佐藤さんはアプリ開発ではなく、デザインチームですね。

Accenture Song、シニア・マネジャー 佐藤守氏(以下、佐藤):僕は社内でAccenture Songという部門におり、デザインやマーケティングを担当しています。今回のプロジェクトでは初めてデザイナーチームのリードをやりまして、デザインの立場でみなさんと協議したり、ケンカしたりといった役回りです(笑)。

垣根を取り払い、内製化やアジャイル開発をみんなでマスター

大谷:全体のプロジェクト体制と進め方について教えてください。

山本:今回のプロジェクトは1つのスクラムに閉じられているのではなく、複数のスクラムやチームから成り立ちます。全体のアジャイル開発体制を統括するPMOチームのほか、どのようなビジネスモデルで、どのように投資対効果を得るかをお客様側の経営企画とサービスを練るビジネスチームと、ビジネス要件に対してUI/UXはどうあるべきかを検討するデザインチームが存在します。

大谷:ビジネスチームと同じくくりでUI/UXのメンバーが介在するんですね。

山本:はい。そしてわれわれのアプリ開発チームは開発する機能ごとにスクラムが構築されます。多いときは7~8くらいのスクラムで、マイクロサービスごとに役割が分かれていました。

今回のプロジェクト体制

そして、このアプリ開発を支えるためのDevOpsチームやプラットフォームを構築するSREチーム、純粋にアプリやモバイルを担当するアーキテクトチームもあります。大まかに言うと、ビジネスチーム、デザインチーム、アプリチーム、アーキテクトチーム、SREチームの5つがあって、それぞれのチームがスプリントしていくという感じでした。

大谷:アクセンチュアのメンバーとクライアントとの共同作業ですよね。

山本:お客様側からもプロジェクト開始当初は銀行の業務に強いプロフェッショナルの行員さんが何人か入っていました。でも、IT部門系の担当者は最初は少なくて、採用された方々が徐々に後から入ってくるというイメージでした。お客様の内製エンジニアの方の中には、立ち上がり当初はスキルトランスファーを目的として僕や青柳さんのスクラムに入って、トライアルで修業します、みたいなパターンもありました。デザインチームも同じですね。

大谷:なるほど。最近よく言われる「伴走型SI」みたいな感じで、内製化を前提としてクライアントのエンジニアがアクセンチュアの指揮系統に入って、開発を学んでいくということが行なわれていたんですね。

山本:その通りです。われわれの存在価値はお客様の内製化を促進すること。僕らの役割や業務量が少しずつお客様側にシフトしていったという感じでした。

大谷:実際、開発はどのような感じで進められたのでしょうか?

山本:僕のスクラムだけで40人いましたが、北海道、会津若松、東京、関西、福岡など5拠点で運営していました。僕が北海道拠点所属だからといって、メンバーも北海道だけというわけでもありません。Slackを通じて会議を待たずに物事を決めたり、Redmineで全タスクと課題やTodoを可視化し、途中で参加してもプロジェクトの状態がわかるように心がけました。みんなが同じ視点でプロジェクトを捉え、デイリースクラムで進捗を確認するという感じでした。

大谷:一般的なスクラムって数名レベルですが、規模が大きいんですね。

山本:われわれも基幹系のアジャイル開発の経験はあるのですが、これだけ大規模なアジャイル開発は珍しい。規模感的にどうしても一般的なスクラムでは間に合わない部分が出てきたので、チームの人数は柔軟に変更しながらやりました。また、一般的には2週間程度の期間を繰り返すスプリントスタイルですが、基幹系機能の開発はかなり重いので、無理に短い期間に区切ることはせず、内容に合わせて期間は柔軟に定義しました。

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