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ガードレールの「さび」を画像から検出、車で点検ラクに=NTT

2022年05月17日 15時27分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NTTは、画像認識AI(人工知能)技術を使って、さまざまな社会インフラ設備に発生したさびを高精度で検出することに成功した。撮影用のデジタルカメラを複数搭載した車両を走行しながら沿道を撮影。その撮影画像から、複数のインフラ設備(道路附属物および柱上設備)を識別し、それぞれのインフラ設備に発生しているさびを97.5%の精度で検出できたという。

NTTは、画像認識AI(人工知能)技術を使って、さまざまな社会インフラ設備に発生したさびを高精度で検出することに成功した。撮影用のデジタルカメラを複数搭載した車両を走行しながら沿道を撮影。その撮影画像から、複数のインフラ設備(道路附属物および柱上設備)を識別し、それぞれのインフラ設備に発生しているさびを97.5%の精度で検出できたという。 今回の画像認識AIの訓練には、実地で取得した合計数万枚のインフラ設備と発生したさびの画像を用いた。さまざまな設備種類・形状の画像や、異なる照度や構図で撮影された画像を用いることで、複数の設備を正しく認識できるようにした。さらに、暗い画像からさびを見つけられるAIや、微小なさび領域を見逃さないAIなど、特徴の異なる複数のAIの結果を総合的に判断することで、逆光や曇りによって暗く写った設備からでも小さなさびまで高精度に検出できるようにした。 検証実験では、沿道のインフラ設備を一定間隔で撮影し、横向きのデジタルカメラによって道路附属物(ガードレール、標識、ミラーなど)の画像、上向きのデジタルカメラによって柱上設備(金物、ケーブルなど)の画像を取得。取得した道路附属物の画像1000枚、柱上設備の画像1000枚に対して、画像認識AIを用いた設備の認識と、各設備のさびの検出をしたところ、画像2000枚中1885枚において設備を正しく認識し、さびがある画像722枚中704枚においてさびを正しく検出した。 同時に撮影した画像から複数のインフラ設備を一括で識別・点検できるため、インフラ管理者ごとに実施していた現地点検を集約出来ることに加えて、点検員によって発生していたバラツキをなくし、点検品質を均一化することが可能になるという。

(中條)

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