このページの本文へ

オーロラ観測でコーラス電磁波の周波数特性を解明=金沢大など

2022年05月12日 14時49分更新

文● MIT Technology Review Japan

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

金沢大学、名古屋大学、国立極地研究所、電気通信大学の共同研究チームは、オーロラ現象の地上観測から、宇宙で発生するコーラス電磁波の発生域における周波数特性を明らかにした。コーラス電磁波は電子が磁力線に沿って、らせん運動することによって生じる自然電磁波。宇宙の発生域におけるコーラス電磁波の周波数分布を明らかにすることで、地球周辺プラズマ環境の理解が深まりそうだ。

金沢大学、名古屋大学、国立極地研究所、電気通信大学の共同研究チームは、オーロラ現象の地上観測から、宇宙で発生するコーラス電磁波の発生域における周波数特性を明らかにした。コーラス電磁波は電子が磁力線に沿って、らせん運動することによって生じる自然電磁波。宇宙の発生域におけるコーラス電磁波の周波数分布を明らかにすることで、地球周辺プラズマ環境の理解が深まりそうだ。 研究チームは、アラスカに設置したハイスピードカメラで撮影された暗いフラッシュオーロラ(1秒以下の発光時間で突発的に発光する雲状のオーロラ現象)の時間変化を、「レベルセット法」とよばれる画像処理法を用いて詳細に解析。その結果、オーロラの縮小する時間が、拡大する時間よりも平均で1.7倍も長くなることを見い出した。さらに、観測されたフラッシュオーロラの時間特性を数値シミュレーションで再現するには、宇宙の発生域でコーラス電磁波の低周波域と高周波域で周波数分布が連続している必要があることを明らかにした。 コーラス電磁波は発生域から離れて伝搬するため、科学衛星による電磁波観測だけでは発生域と発生域から離れた位置のコーラス電磁波の周波数分布を区別することが困難だった。本研究成果は、2022年5月11日に米国地球物理学連合の発行する論文誌、ジオフィジカル・リサーチ・レターズ(Geophysical Research Letters)に掲載された

(中條)

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ