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Dell Technologies World 2022開催、マイケル・デル氏「未来は『マルチクラウド』にある」

デルの新製品発表、「マルチクラウド」と「レジリエンシー」を重視

2022年05月12日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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パブリッククラウド環境にも堅牢な“データ保管庫”を提供

 パブリッククラウドのMicrosoft Azure上で堅牢なデータボールトを実現する製品として、「Dell PowerProtect Cyber Recovery for Microsoft Azure」も発表された。

 PowerProtect Cyber Recoveryはセキュアなデータボールトを構築する製品。昨年12月には、AWSのパブリッククラウド環境内でデータボールトを構築できる「Dell PowerProtect Cyber Recovery for AWS」を提供開始していた。今回の発表はそのAzure版にあたる。

 ウィトン氏の説明によると、このデータボールトは自動化されたエアギャップによって隔離されており、本番環境からはアクセスができず、バックアップ環境からのレプリケーション処理中にのみ、非常に限定されたアクセスができるという。またリカバリ先はAzureだけでなく、顧客データセンター(オンプレミス)や他のパブリッククラウドも含め、柔軟に選択できる。

 また、AWS向けには「CyberSense for Dell PowerProtect Cyber Recovery for AWS」が追加された。これは、前述したCyber Recovery for AWSがデータボールトに保存するコンテンツに対して、機械学習技術も用いたスクリーニングを行い、データ破損やランサムウェア攻撃の痕跡を自動検査するサービス。これにより、どの時点のバックアップデータがリカバリに使えるクリーンなデータなのかを特定して、安全かつ迅速なデータ復旧を可能にするとしている。

 Cyber Recovery for Azure、CyberSense for AWSの2製品は、いずれも今年下半期からの提供開始予定。Azure、AWSの各マーケットプレイスから購入できる。

「Dell PowerProtect Cyber Recovery for Microsoft Azure」「CyberSense for Dell PowerProtect Cyber Recovery for AWS」の概要

Snowflakeと協業、データをオンプレミス環境から動かさず分析可能に

 1日目には、クラウドデータプラットフォームを提供するSnowflakeとの協業も発表された。現在はテックプレビューで、今年下半期には一般提供開始を予定している。

 オンプレミスに設置されたデル・テクノロジーズのオブジェクトストレージ(「Dell ECS」「Dell ObjectScale」)を、Snowflakeで構築したデータクラウドとAPI連携させることで、Snowflakeからシームレスなデータ分析を可能にする。デル・テクノロジーズによると、Snowflakeとオンプレミスストレージとの連携は業界初だという。

 ウィトン氏は、この連携ソリューションではオンプレミスにあるデータをクラウドに移動してから分析することも、データをオンプレミスに置いたまま分析することもできると説明した。特に後者については、コンプライアンスやセキュリティ、データ主権の観点からデータをクラウドに移動させることができない企業において大きなメリットがある。

 なお、SnowflakeはAWS、Azure、Google Cloud上で稼働するデータプラットフォームであり、今回発表のソリューションもそれらすべてのクラウドで利用可能だ。

オンプレミスにあるオブジェクトストレージとSnowflakeのデータクラウドとの連携を発表

2日目の基調講演ではライブデモも披露された。ストレージとSnowflakeの連携設定が済めば、ほかのデータソースと同じようにSnowflakeで分析できる

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