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地球温暖化が台風豪雨の頻度に影響、東大などが証明

2022年05月10日 06時46分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都先端科学大学と東京大学の共同研究チームは、日本を含む北西太平洋における台風由来の豪雨の頻度を、過去およそ50年間の観測データから調べて、中国南東部の沿岸域から日本にかけては豪雨の頻度が増加し、より南の地域では減少したことを示した。さらに、気候モデルによるシミュレーションデータと併せて解析することで、その変化には人間活動に由来する温暖化が影響していることを証明した。

京都先端科学大学と東京大学の共同研究チームは、日本を含む北西太平洋における台風由来の豪雨の頻度を、過去およそ50年間の観測データから調べて、中国南東部の沿岸域から日本にかけては豪雨の頻度が増加し、より南の地域では減少したことを示した。さらに、気候モデルによるシミュレーションデータと併せて解析することで、その変化には人間活動に由来する温暖化が影響していることを証明した。 研究チームは北西太平洋域の観測データに基づいて、1961年から2015年の期間中の台風豪雨の頻度変化を調べて、東アジアの沿岸域では台風豪雨の頻度が増加した地域が多く、より南の地域では台風豪雨の頻度が減少した地域が多いことを確認。さらに、気候モデルによるシミュレーションで、温暖化が無かった場合と、過去の気候を再現した場合のそれぞれで台風豪雨の頻度を計算した。その結果、シミュレーションで導かれた頻度変化が大きな地域の分布が、観測データに見られる頻度変化が大きな地域の分布とよく一致していることがわかった。 今回の研究は、人間活動による温暖化の影響が台風の豪雨の変化として既に顕在化していることを示すもので、適切な気候変動対策を進めるための手がかりとなると期待される。研究成果は4月28日に、ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)のオンライン版に掲載された

(中條)

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