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Windows情報局ななふぉ出張所 第263回

世界情勢が急変:

在庫不足のアップル、コスト増のアマゾン──GAFA決算、各社の課題浮き彫り

2022年05月06日 09時00分更新

文● 山口健太

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アマゾンの巨大EC事業をコスト増が襲う

 Amazon.com(アマゾン)の1-3月期決算は「7年ぶりの赤字」と大きく報じられました。赤字の理由は、アマゾンが投資した新興EVメーカー「Rivian Automotive(リビアン)」の株価下落による評価損となっています。

 前の四半期にはリビアンの上場による巨額の純利益を計上していました。ただ、リビアンに関する数字を切り離したとしても、アマゾンの状況はあまりよくありません。その理由がコスト増です。

 コロナ禍での需要に対応すべく、アマゾンの従業員数は2年で80万人から160万人に倍増しています。人手不足による賃金上昇に加え、最近では米国で労働組合の結成が進むなど、コストは増える一方です。

 米国ではインフレが進んでおり、消費者物価指数は前年同月比で8.5%も上がっています。さらにウクライナでの戦争により燃料などの価格も高騰。アマゾンのビジネスが大きすぎるがゆえに、コスト増の影響を大きく受けていることがうかがえます。

 GAFAといえば利益率が高いイメージがあるものの、アマゾンの営業利益率は3%台にとどまっています。比較的利益率の高いクラウド事業のAWSが伸びており、最近注目の広告事業も一定規模に成長していることから、何とか持ちこたえている印象です。

 米国ではアマゾン以外のサイトでプライム特典を利用できる「Buy with Prime」のように面白いサービスが始まっています。大型セールであるプライムデーは、昨年は6月でしたが2022年は7月開催に戻るとのこと。こちらは日本でもセールを期待できそうです。

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