このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

セブンアールジャパン代表取締役の西川氏やASUSの市川氏にインタビュー

Core i9-12900KSとRTX 3090 Tiでデュアル水冷、ASUS ROG尽くしの最強PC「ZEFT GR29PBA」の“ロマン”に迫る

2022年05月09日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

CPUだけでなくGPUも水冷を採用
GPUは空冷と水冷の両方で冷却

──今回、GPUクーラーに簡易水冷を搭載したカードが採用されていますが、この点に関してのこだわりがあれば教えてください。

中嶋氏:今回ご用意したZEFT GR29PBAでは、ビデオカードはASUSさんの「ROG Strix LC GeForce RTX 3090 Ti OC Edition」(以下、ROG Strix RTX 3090 Ti)にBTOで変更したものになります。このROG STRIX RTX3090 Tiは、GPUクーラーに簡易水冷を採用しています。そのため、今回の構成では、CPUクーラーと合わせて“デュアル水冷”を実現したモデルとなります。このカードを採用するにあたり、ROG STRIX Helios以外のケースでも採用できるのかどうかなどの検証も結構大変でした。

市川氏:実は、RTX 3090 Tiを搭載したSTRIX シリーズの空冷モデルのカードは、まだ弊社のラインナップには用意されていません。弊社では、かつてROG Poseidonシリーズという本格水冷に対応したモデルがあったのですが、今世代からROG Strixシリーズに簡易水冷クーラー搭載モデルも用意することになりました。このROG Strix RTX 3090 Tiですと、簡易水冷クーラーを採用したことで、ブーストクロックを1980MHzまで高めることができ、「3DMark」実行中には動作クロックが2030MHz程度にまで上昇するのを確認しています。

ビデオカードのROG Strix RTX 3090 Ti。RTX 3090 Ti搭載モデルとしては比較的小さいサイズだ

市川氏によると、ROG Strix RTX 3090 Tiは、空冷と簡易水冷の両方で冷却しているとのこと

──ROG Strix RTX 3090 Tiの簡易水冷クーラーの特長は何でしょうか?

市川氏:ROG Strix RTX 3090 Tiでは、カードに装着したブロワーファンと、簡易水冷との両方で冷却するシステムになっています。ブロワーファンは基板と電源部、簡易水冷はGPUとメモリーチップというように、冷却を担当するデバイスをわけているのが、最大の特長となります。さらに、デバイスの担当をわけたことで、ラジエーターサイズも240mmに抑えることができました。CPUクーラーとGPUクーラーのどちらも簡易水冷となると、ラジエーターを装着する場所やケースサイズが限られてきます。加えて、GPU側のラジエーターが360mmサイズですと、搭載できるケースが絞られてしまいます。そこで、ROG Strix RTX 3090 Tiは空冷と簡易水冷の両方を駆使することで、ラジエーターのサイズを抑え、多くのケースに対応できるようにしています。私がテストした限りでは、3DMarkを実行していても、GPUの温度は60度に達することがなかったので、冷却性能は手前みそですが十分高いと思います。あと、RTX 3090 Ti搭載モデルは、カード厚が3スロットを超えるものがほとんどですが、ROG Strix RTX 3090 Tiは簡易水冷クーラーを採用したことで2.6スロットに抑えられている点も大きな特長です。CPUの簡易水冷クーラーに比べて、ROG Strix RTX 3090 Tiでは柔らかいホースも採用していますので、ケース内でかなり取り回ししやすくなっていると思います。

──これまで簡易水冷クーラーを搭載したビデオカードを扱ってこなかった理由は何でしょうか?

西川氏:簡易水冷クーラーを搭載したビデオカードというと、どうしてもお客様のこだわりが強くなってしまい、基本構成でご用意するというのが難しくなってしまいます。ただ、今回のROG Strix RTX 3090 Tiは、弊社でテストをした限り、明らかに空冷よりも冷却性能が高いことがわかりました。それに、簡易水冷クーラーを採用したことで、ROG Strix RTX 3090 Tiのカード自体は軽いので、PCI x16スロットに対する物理的負荷も軽減されています。ですので、今後は簡易水冷クーラー搭載カードも、継続して扱っていきたいですね。

重量級のカードでは、万が一の輸送中の破損に対策と細心の注意を払うと語る西川氏

中嶋氏:あとは、CPUとGPUの両方が簡易水冷クーラーということになると、ケースが制限されるというのもあります。弊社のBTOでは、多くのケースをラインナップに用意している点が特長の1つなのですが、CPUとGPUに簡易水冷クーラーを選択することで、そのラインナップの幅が狭まることは、その特長を損ない兼ねないと懸念していました。そういった懸念も、今回のROG Strix RTX 3090 Tiで払拭されましたので、今回の構成はBTOでカスタマイズしたものですが、いずれは標準構成でご用意できるようがんばりたいですね。

──そのほか、今回のZEFT GR29PBAで苦労した点が何かありますか?

西川氏:ROG Strix Heliosはフロントパネルが取り外しにくく、そこにGPU側のラジエーターを取り付けるのが大変だったと聞いています。

──御社ではBTOで変更してもPowered By ASUSの認証が得られるのが大きな特長ですね。

市川氏:Powered by ASUSでは、弊社のマザーボードを採用していることが必須で、あとはビデオカードやCPUクーラーなど、弊社のパーツを3点採用していただいていれば、要件を満たしていることになります。ですので、今回のZEFT GR29PBAでは、弊社の製品を5か所にわたって採用していただいていますが、マザーボード以外の2か所をBTOで他社さんの製品に変更しても、Powered By ASUS認証パソコンとなります。

中嶋氏:BTOで一部変更してもPower By ASUSの認証を得られる点は、ZEFT GR29PBAのメリットだと自負しています。また、これは余談なのですが、2021年度において、ROG STRIX Heliosの出荷実績と、ROGシリーズのマザーボードとビデオカードを採用したPowered By ASUS認証パソコンの出荷実績について、弊社が国内でNo.1だったそうです。

中嶋氏(写真右)によるとROG Strix HeliosとPowered By ASUS認証PCの2021年度の出荷実績がともに国内でトップだったという。左はセブンアールジャパンの真重 翔氏

──ZEFT GR29PBAは、どういった層をターゲットにしたモデルになりますか?

西川氏:一般のゲーマーにはちょっと手に余るスペックになってしまったのかなとは、正直思います。ですが、どんなゲームも問題なく動作するスペックなのは間違いないですし、プロの方がゲームプレイで魅せたり、動画作成したりする際に、パソコンの高スペックが必要になってくるでしょうし、そういったプロユースの方にぜひ使っていただきたいですね。あとは、ゲーム以外にも、8Kの動画編集など純粋にパワーを求める使い方でこのZEFT GR29PBAが活きてくると思います。

中嶋氏:ゲーム実況の方の多くが、ゲーム画面と本人の映像やアバターを配信されていますが、このZEFT GR29PBAであれば一緒に映り込んでもかなり“映える”画面になるのではないでしょうか。

──価格はいくらぐらいになりますか?

西川氏:現在の価格は 79万1780円(税込)となります。今回の試用機では水冷ビデオカードに変更していますので、同じ構成にするともう少し高くなります。

ゲームに実況配信に動画編集を
一切妥協したくない人に最適!

 i9-12900KSとRTX 3090 Tiの組み合わせは、2022年4月現在、エンドユーザーが入手できる最高性能を持ったパソコンといえる。向こう10年はいい過ぎかもしれないが、少なくとも5~7年はその性能で不満を得ることはまったくないはずだ。

 確かにフルHDでゲームをプレイするのであれば、オーバースペックなのは間違いないが、高いゲーム性能に期待できるのに加え、動画の編集をしながらゲームをプレイしても十分なスペックではないだろうか。かなり高価ではあるものの、予算が許すのであれば、最強クラスの魅力的なパソコンといっていいだろう。

(提供:セブンアールジャパン)

■関連サイト

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ