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セブンアールジャパン代表取締役の西川氏やASUSの市川氏にインタビュー

Core i9-12900KSとRTX 3090 Tiでデュアル水冷、ASUS ROG尽くしの最強PC「ZEFT GR29PBA」の“ロマン”に迫る

2022年05月09日 11時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

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消費電力と熱対策がキーポイント
性能も価格も頭一つ抜けたモデル

──本日はよろしくお願いします。まずは、ZEFT GR29PBAのコンセプトについてお聞かせください。

内部の様子

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):インテルの最強CPUと、NVIDIAの最強GPUを組み合わせているのが特長のゲーミングパソコンとなります。ASUSさんのROG STRIXシリーズで揃えたフラグシップモデルで、もちろん「Powered By ASUS」の認証も取得しています。ZEFT GR29PBAは、ゲーミング用途だけではオーバースペック気味ではありますが、さまざまな用途で最高性能が得られる“ロマン”のあるモデルといっていいと思います。

──CPUのi9-12900KSについてお聞きします。パソコンショップSEVENではハイエンドのCPU搭載モデルが人気を集めているとのことですが、このi9-12900KSに寄せる期待はいかがですか?

中嶋氏:かつて“S”付きモデルですと、「Core i9-9900KS」がありましたが、弊社では即完売するほどかなり人気を博しました。また、CPUの上位モデルも、ハイエンドマザーボードやハイエンドケースを多く取り扱う弊社では、ニーズにマッチしており好調です。そのため、i9-12900KSもかなりの期待を寄せています。動作クロックも最大5.5GHzと最高速といっていいレベルですので、需要はかなり高いと予想しています。

──i9-12900KSは、高性能な半面、TDPが150Wと、消費電力の高さがネックとなっています。その点について工夫したことや、苦労した点があれば教えてください。

中嶋氏:おっしゃるとおり、i9-12900KSはTDPが増加しているため、消費電力のマネージメントが大切になってきています。弊社が今回の構成で検証した限りでは、簡易水冷クーラーをもってしても、ストレステスト実行中のCPUの温度は100度近くに張り付いた状態となりました。ですが、温度による性能が低下する、いわゆるサーマルスロットリングは発生しなかったので、CPUの真価は十分発揮できていると思います。このあたりは、CPUクーラーやマザーボードを、ASUSさんのR.O.G.シリーズでまとめている点が奏功しているのではないでしょうか。

西川 龍氏(以下、西川氏):ストレステストだと高温になってしまいますが、ゲームを含めた実際の用途でCPUの負荷が100%になることはほとんどなく、CPUの温度も平均で60度前後での動作を確認しました。十分静かに運用できるのではないかと思います。

CPUクーラーのROG STRIX LC II 360 ARGB。ラジエーターは天板に装着されている

PCケース、マザーボード、CPUクーラー、ビデオカード、電源ユニットに
「ASUS R.O.G.」シリーズを採用したこだわりのパーツ構成は要注目!

──CPUの消費電力がこれだけ高いと、マザーボードの重要性もかなり大きいですよね。

中嶋氏:はい。そこで、ZEFT GR29PBAでは、マザーボードにASUSさんのゲーミング向けモデルで最上位となる「ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI」を採用しました。

市川 彰吾氏(以下市川氏):ROG STRIX Z690-F GAMING WIFIは、電源部は16+1フェーズ構成で、i9-12900KSのような消費電力が高いCPUにも十分対応できる仕様になっており、電源部のヒートシンクもかなり肥大化しています。CPUに簡易水冷クーラーを利用すると、電源部にあたるエアフロ―が空冷に比べて減ってしまいますが、ROG STRIX Z690-F GAMING WIFIでは、その少ないエアフロ―でも十分な冷却が行なえるようにしているというわけです。

──メモリーはDDR5を採用していますが、DDR4モデルを用意する予定はありますか?

西川氏:マザーボードをDDR4対応モデルにBTOで変更していただくことも可能ですし、ZEFT GR29PBAに近い構成で、DDR4に対応したi9-12900KS搭載モデルも用意していますので、DDR4のほうがいいというお客様は、そちらを選んでいただければと思います。

──GPUも合わせて、システム全体の消費電力はかなりのものになりそうですね。

中嶋氏:当初パーツを選定した際に、CPUの公式最大消費電力が251W、グラフィックスカードの推奨電源ユニットが850W以上で、システム全体の消費電力がかなり高いことが予想されました。実際、組みあがってから、長時間負荷を掛けた状態の瞬間最大消費電力を測定してみると891Wにも達し、消費電力は予想どおりかなり高めです。消費電力はそのまま熱に置き換わりますので、パソコン内部の熱処理をどうするかが重要なポイントになってきます。そこで、ZEFT GR29PBAでは、PCケースからCPUクーラーまでASUSさんのR.O.G.シリーズでまとめることで、効率的な冷却を行ない、お客様に納得いただける仕様となっています。また、今回はケースに「ROG Strix Helios」を採用していますが、フロントパネル側にGPUのラジエーター、天板にCPUのラジエーターを装着しています。さらに背面にもケースファンが搭載され、前面から背面と天板への強力なエアフロ―を実現しており、ケース内部はかなり冷えます。

──消費電力の高さは電源ユニット選びも慎重になると思いますが、その点はいかがですか?

中嶋氏:今回初の試みとして、消費電力の高さを踏まえて電源ユニットにASUSさんの「ROG Thor 1000W Platinum II」を採用しました。これにより、CPUやメモリー、SSDを除けば、ほぼすべての部品がASUSさんのR.O.G.シリーズで揃ったことになります。しかも、この電源ユニットは、側面に消費電力のワットモニターが用意されています。最近のケースでは、本体部と電源部がチャンバー構造でわかれており、電源部のほうはシュラウドで覆われたものが多いです。ですが、ROG STRIX Heliosではシュラウドで覆われていませんし、サイドパネルも内部が見える強化ガラスを用いたものですので、パソコンを使用しつつ、そのワットモニターで消費電力を確認できる点はおもしろいのではないでしょうか。

市川氏:ROG Thor 1000W Platinum IIは高価な電源ユニットではあるのですが、80 Plus Platinum認定のほか、LAMBDA A++認証を取得しています。ファンには135mm角のAxial-tech仕様のものを採用していることもあり、静音性はかなり高いです。また、ユニークなところでは、この電源ユニットはRTX 3000シリーズの一部のカードで採用されている12ピンの補助電源コネクターを1本用意しています。今後、同コネクターの普及が進むかどうか見えないところはありますが、最新のビデオカードを変換ケーブルなしで利用できる点は、この電源ユニットのメリットといっていいと思います。

西川氏:余談ですが、弊社でZEFT GR29PBAの消費電力のテストを行なう際にも、電源ユニットに用意されたワットモニターはかなり重宝しました。

ROG Thor 1000W Platinum IIについて説明する市川氏

電源ユニットの側面にはワットモニターが用意され、消費電力が確認可能だ

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