このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

第12世代Coreで安価に組めるゲーミング構成を考える

20万円未満でELDEN RINGは快適に遊べる!? TUF GAMINGのH670マザーでコスパ構成を組む

2022年04月22日 11時00分更新

文● ジサトラユージ 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

合計17万円前後の構成でゲームはどのくらい遊べる?

検証環境
製品名 実売価格
CPU インテル「Core i5-12400」
(6コア/12スレッド、最大4.4GHz)
2万7000円前後
CPUクーラー インテル「Laminar RM1」
(空冷、100mmファン、トップフロー)
CPU付属
マザーボード ASUS「TUF GAMING H670-PRO WIFI D4」
(インテル H670、ATX)
2万8000円前後
メモリー G.SKILL「F4-3200C16D-16GTZR」
(8GB×2、DDR4-3200)
1万2500円前後
ストレージ Western Digital「WD_BLACK SN850 NVMe SSD WDS100T1X0E」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0)
2万4000円前後
ビデオカード ASUS「ROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB」
(GeForce RTX 3050、8GB GDDR6)
5万7800円前後
電源ユニット ASUS「TUF-GAMING-650B」
(650W、80 PLUS BRONZE)
7000円前後
OS Microsoft「Windows 11 Home 64bit」 1万6000円前後
合計価格 17万2300円前後

 ここまで見てきた通り、TUF GAMING H670-PRO WIFI D4は過剰な機能を省いてコストを抑えつつ、安定性や使いやすさに関わる部分はしっかりと考えられた設計になっている。まさしく質実剛健と言えるモデルで、価格に対して高い満足度を得られるはずだ。

 そんな本機を採用したPCで実際にどの程度ゲームが快適に動くのか検証してみたい。本機のコンセプトを活かして、コスパを重視した構成にするため、CPUには「Core i5-12400」を採用。ビデオカードには、同社の「ROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB」を選択した。NVIDIA最新世代のGPUであるGeForce RTX 30シリーズで、エントリークラスに位置するGeForce RTX 3050を搭載する製品だ。また、電源ユニットもASUS製の「TUF-GAMING-650B」を採用している。そのほかの主な構成は表の通りだ。

エントリー向けのRTX 3050を搭載するROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GB。インターフェースにHDMIを2系統搭載するのは珍しい

ATXサイズの650W電源、TUF-GAMING-650B。80 PLUS BRONZE認証でケーブルは直結型だが、そのぶん安い

 まずは「3DMark」でグラフィック描画性能の目安を計っていこう。Fire StrikeはDirectX 11、Time SpyはDirectX 12のAPIを用いたテストだが、Fire Strike UltraとTime Spy Extremeでは、それぞれの無印テストから比べて大きくスコアーを落としている。

 無印のFire StrikeはフルHD(1920×1080ドット)、Time SpyはWQHD(2560×1440ドット)。一方のFire Strike UltraとTime Spy Extremeはどちらも4K(3840×2160ドット)のテストとなる。APIに関わらず、4Kでのテストとなると若干息切れ感を感じるが、WQHD以下の解像度であればまずまずのスコアーだ。

 これが実際のゲームではどの程度のパフォーマンスになるのか。まずは「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」でスコアーを計測してみた。グラフィック品質は「最高品質」とし、フルスクリーンモードで計測している。

 スクウェア・エニックス公式の指標では、スコアー15000からを最高評価の「非常に快適」と定めている。今回の構成では、フルHDならこれを達成している。フレームレートも最低値で60fpsを超え、平均値なら100fpsを超えた。いまだ国内で人気の高いMMORPGも、フルHDならしっかりと快適に遊べるパフォーマンスだ。

 一方で、解像度が上がるにつれてスコアーの落ち込みが大きくなる。4Kでは、スコアーの指標上では「普通」とされる数値だが、フレームレートは平均値で30fps台なので、画質設定の調整などが必要になってくるだろう。

 ここからは、「CapFrameX」を使用して、ゲームを実際に動かした際のフレームレートを計測した。なお、CapFrameXでは最低フレームレートの代わりに1パーセンタイル(データ全体を100分割した際の最小1%)に当たるフレームレートを算出するため、この値をmin1%として記載する。

 まず、人気FPSゲーム「Apex Legends」でフレームレートを計測してみた。グラフィック設定で負荷が最大になるよう設定し、射撃訓練場において一定のコースを移動した後に「バンガロール」のスモークの中に入り、そこでスモークが晴れるまで待つという一連の行動をとった時のフレームレートを計っている。なお、Apex Legendsには通常144fpsまでのフレームレート制限がかかっているが、コマンドでこの制限を解除している。

 オフラインの射撃訓練場でのテストなのであくまで参考値だが、描画品質が最も高い状態のテストで、フルHDで平均144fpsに迫るフレームレートを出している。144Hzの高リフレッシュレートを誇るゲーミングディスプレーを十分に活かせる値だ。また、WQHDでも常時60fps以上の数値が出ている。コスパ重視の構成でも、FPSゲームを快適に遊べるだけのパフォーマンスを備えていると言っていい。

 続いては、オープンワールドアクションRPG「ELDEN RING」でのパフォーマンスを見てみたい。グラフィックの品質設定は「最高」とし、自動描画調整は「OFF」に設定した。なお、今回は祝福「嵐丘のボロ家」付近の一定ルートを走った際と、フィールドボス「飛竜アギール」との戦闘中のフレームレートを1分間計測したが、どちらもほとんど変わらないフレームレートだったため統一している。

 ELDEN RINGは上限フレームレートが60fpsとなる。フルHDであれば、エフェクトやオブジェクトが多いシーンで瞬間的にフレームレートが落ち込むことがあったものの、ほとんどのシーンでは60fps付近でプレイできていた。

 フレームレートの低下は一瞬にすぎないため、個人的には許容できる程度。より安定性を求めるなら画質設定を調整することも可能だ。WQHDや4Kはさすがにカクつきを感じるかもしれないが、フルHDならELDEN RINGも快適にプレイできると言っていいだろう。

 続いて「原神」をプレイした際のフレームレートを計ってみた。画質を「高」、垂直同期を「OFF」に設定し、描画オブジェクトの多い「稲妻城」の一定ルートを走った際の1分間のフレームレートを計測した。

 原神はELDEN RING同様にオープンワールドのアクションRPGであるが、描画負荷は軽めのタイトルだ。そのため、WQHDでもほぼ上限の60fpsに張り付き、4Kでも十分プレイアブルなフレームレートを発揮している。

 スマホやNintendo Switchなどのプラットフォームで展開しているタイトルは、PC版でも比較的負荷が軽めにデザインされている場合がある。スマホアプリで遊べる原神もPCゲームとしては軽めのタイトルであるため、解像度を上げても快適にプレイできるようだ。

用途に合ったパーツ選びで満足度の高いPCを

 ここまで人気ゲームタイトル4つでフレームレートを計ってみたが、フルHDであればある程度ゲームを快適に遊べることが分かった。今回はPCケースを省いた構成だが、全体でおよそ17万円ほどのため、PCケースを追加しても20万円以下に抑えられるだろう。

 昨今はコロナ禍の影響などもあってPCパーツが高騰気味だ。マザーボードやビデオカードなどは製品によって価格幅が大きく、ハイスペックなゲーミングPCを組むと30万円台に上る場合もある。

 しかし実際のところ、自身の用途では使用しない性能を持った製品を選んでも、宝の持ち腐れとなってしまうケースがある。マザーボードだけでなく、CPUやビデオカード、電源ユニットに至るまで、用途に合わせたちょうどいいスペックを見極めるのがコスパのいいPC自作のコツとなる。

 今回紹介したTUF GAMING H670-PRO WIFI D4やCore i5-12400、ROG Strix GeForce RTX 3050 OC Edition 8GBを採用した構成では、フルHDであれば流行りのゲームを十分プレイできるだけのパフォーマンスを発揮した。もちろん、自作PCは自分に合わせて細かくスペックを調整できるのも利点。この構成をもとに、さらに自分に合わせてパーツをアップグレードしたり、逆にもっと安い構成を考えてみるのもいいだろう。ぜひ参考にしてみてほしい。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ