3月22日に発売された「横浜LOVEWalker 2022」では、最下位からの優勝を狙う、横浜DeNAベイスターズを特集。2022年の横浜DeNAベイスターズは、1998年のV戦士である、齋藤隆、石井琢朗、鈴木尚典の3人がコーチとして復帰。本誌では触れられなかった、三浦監督の3コーチへの思いを、1998年当時を振り返りながら紹介します。
――1998年の横浜ベイスターズって、三浦監督から見てどんなチームでしたか?
三浦 すごく個性的なチームでしたね。プロフェッショナル集団という印象。けっして仲良し小好しというチームではありませんでした。誰と誰とは言わないけれど、仲がいいんだなとか、まぁ、よくはないんだろうなぁとか、当時25歳の僕にもわかりました(笑)。ただ試合になると、勝利という目的に向かって全員が同じ方向を向いて、ワァっといく。プロなんですよ。
――チームの代名詞となっていたのが「マシンガン打線」。一発長打ではなく、ヒットや二塁打がどんどんつながって、大量点に繋がっていく打線でした。
三浦 先発して最初に4~5点取られてしまっても、気が付いたら逆転してくれているというね。だから序盤で打ち込まれても、ここを乗り切ればと、集中力を切ることなく投げることができました。
絶対に逃げない。向かっていく精神の原点は1998年にあった
――当時の印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
三浦 鈴木(尚典)コーチに当時よく言われたのが、「お前が投げている背中を、野手は見ているぞ。だから向かっていけ」ということ。逃げ腰、弱気な姿勢というのは、ピッチャーの背中を見ていたらわかるそうです。向かっていく姿勢を見せてくれていたら、野手はなんとかしてやろうって思えるのだと。その言葉がすごく印象に残っています。
――三浦監督は、常々「攻めろ、逃げるな」と仰っています。原点はそこにあったのですね。
三浦 選手はグランドでは戦っていますから。投手の気持ちが背中に現れるというのは大事なことなのだと実感しました。まぁ本当に取り返してくれていましたからね(笑)。すごい打線でした。
1998年のV戦士がコーチで復帰。「本当に頼もしい方たちが帰ってきてくれた」
――一緒に戦った3人がコーチとして復帰しました。頼もしいのでは?
三浦 それはもちろん! 一緒にプレーしたというのはありますが、齋藤(隆)コーチはアメリカ、メジャーも経験。石井(琢朗)コーチは、他球団に移籍されて対戦もしています。2人ともほかのチームでコーチ経験も積まれている。鈴木コーチはルートインBCリーグという、違う野球の世界を経験されている。そういった方たちに、横浜に戻ってきてもらった。懐かしさもありますが、頼りになる先輩たちが帰ってきてくれたという喜びが大きいです。
――3人は三浦監督よりも年上。気を使ってしまう部分があるのでは?
三浦 1998年当時は、年齢に関係なく思ったこと、感じたことを言える環境があったので大丈夫じゃないでしょうか。もちろんリスペクトしていますが、むしろ僕以上に、3人の方が気を使ってくれている気がします(笑)。