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Lightroom Classic、Photoshop、Premiere Proでの実力を試す

約1.5Kgの14型ノートPC「raytrek X4-T」で写真・動画編集を試す、Iris Xeで場所を選ばず快適作業!

2022年04月01日 09時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「raytrek X4-T」

 サードウェーブが展開しているクリエイター向けブランド「raytrek」シリーズの「raytrek X4-T」は、約1.5Kgと軽量な14型ノートパソコンだ。薄く携帯性に優れ、場所を問わずにクリエイティブワークが可能なのが特徴となっている。

 前回前々回は、持ち運びしやすくオシャレなデザインの本体周りのチェックと、ベンチマークテストによる性能を紹介した。

 今回は、実際にクリエイティブ系ソフトを使って作業を行なってみた。私はプロのカメラマンでもあり、日常的に静止画をメインに画像編集をしている。そこで、raytrek X4-Tでも同様の作業を行なってみた。

raytrek X4-Tの主なスペック
CPU Core i7-1165G7(4コア/8スレッド、最大4.7GHz)
グラフィックス インテル Iris Xe グラフィックス
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD(NVMe対応)
ディスプレー 14型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約99%(sRGB比約100%) / AdobeRGBカバー率約74%(AdobeRGB比約74%)
内蔵ドライブ
通信規格 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2
インターフェース Thunderbolt 4端子×2(USB PD対応、DisplayPort Alt Mode 映像出力対応)、USB 3.2 Gen2、USB 3.1 Gen1、USB 2.0、マイク入力/ヘッドフォン出力、HDMI出力
内蔵カメラ HD画質Webカメラ
サイズ/重量 およそ幅323.5×奥行219.5×高さ18.9mm/約1.5kg
OS Windows 11 Home(64bit)

インテル Iris Xe グラフィックスにより
写真・動画編集でも活躍できる性能

 まずはデジカメユーザー御用達の現像/編集ソフト「Adobe Lightroom Classic」を使用。2400万画素のデジカメで撮影した500枚のRAWデータを、PSD16bit形式とJPEG(最高画質)形式に書き出す際に要する時間を計測した。

CPUクロックは3.0GHz強まで上昇し、常時100%近い稼働率になっていた。ストレージアクセスは上がりきっておらず、30~40%前後まで上昇していた

 RAWデータ500枚の書き出しにかかった時間は、PSD16bit形式で約7分、JPEG(最高画質)で約7分30秒と、モバイルノートにしては速く処理が行なえている。これは2~3世代前のハイエンドデスクトップパソコンに匹敵する処理速度で、十分過ぎる実用性があるといえる。

 Lightroom Classicでは、現像だけでなく補正や修正も可能。修正する内容次第では、Photoshopよりも精細な調整が行なえる。なによりも画像に書き出す前段階で処理するので、処理後の画質低下の心配はかなり少なく、利用している人も多いだろう。

作業効率はプレビューの反映速度で大きく変わってくる。微妙な調整にラグなくプレビューが出ると調整作業もやりやすい

 明るさや色温度、シャープネスなど多くの調整機能があり、どれくらい適用すればいいかの判断はプレビューの反映速度が大きく影響する。スライダーで調整量の調整を行なうが、ほぼリアルタイムでプレビュー表示が反映されるので、作業がとてもスムーズに進む。

 従来のHDグラフィック内蔵パソコンではこうはいかず、プレビュー反映にタイムラグが出がちなので、調整作業をするのに躊躇うこともあったが、Iris Xe グラフィックス搭載のraytrek X4-Tなら、ディスクリートGPUを搭載するデスクトップパソコンとほぼ同じ感覚で作業が可能だった。

 続いては画像レタッチソフトの定番「Photoshop」。先程のLightroom Classicで現像した6000x4000ピクセル、PSD16bit形式のファイルを開いて色々な補正作業をしてみた。

調整レイヤーの「色相・彩度」を行なった。プレビューの反映速度はほぼリアルタイムで、作業にストレスを感じない

前後のボケ具合を調整できる「チルトシフト」。CPUの負荷は低く、内蔵グラフィックスの負荷は高くなるものの、作業そのものは軽く感じる

 Photoshopでは、GPUの機能が一部のフィルターのプレビューレンダリングで適用される。従来のインテル HD グラフィックスでは処理能力が足りてないと感じることが多く、結局メインの作業はディスクリートGPUを搭載したパソコンで行うことが多かったが、raytrek X4-TのIris Xe グラフィックスなら内蔵GPUであってもディスクリートGPU搭載のような感覚で利用できた。

 補正や修正の作業をタスクマネージャーで見ていたが、CPUの処理とGPUの処理がいい感じに振り分けられているようだった。Lightroom Classicによる作業でも感じたが、写真を補正したり修正する作業なら、ディスクリートGPUを搭載するマシンではなくても、Iris Xe グラフィックスが載ってれば、十分な作業が行なえると感じた。

 続いて、動画編集ソフト「Premiere Pro」でチェック。スマホやデジカメで動画を撮ることが一般化しつつあり、動画投稿も珍しいことではないので、趣味で動画編集をしている人も少なくないだろう。

 今回は、デジカメで撮影した約30秒の4K動画の素材を繋げて約10分の動画を作成し、H.264形式でYouTube用のプリセットを用いて、4K動画の書き出しを行なった。

Premiere Proのプロジェクト設定では、レンダラーの選択が可能。OpenCLとソフト処理が選べる。なおCUDAコアを搭載するGPUでは、ここでCUDAコアのハードウェアアクセラレーションが選べる。デフォルトではOpenCLが選ばれており、高速処理とも表記されているので、このまま処理を進めることが多いかもしれないが、意外にもそうでもないこともある

初期設定のOpenCLのまま4Kの書き出しを行なった。結果は約4分40秒

今度はソフトウェア処理に変更して書き出しを行なった。こちらのほうがCPUの負荷は下がっている。結果は約3分30秒

 まず、結果として約10分の4K動画の書き出しにかかった時間は、初期設定のOpenCL設定で約4分40秒、ソフトウェア処理の設定で約3分30秒と、高速に書き出しが行なえた。OpenCL設定で4分40秒というのは、ノートパソコンでかつ内蔵グラフィックスで処理しているとは思えない速度。1~2世代前のハイエンドCPUにGTX 1660 TiあたりのGPUを搭載したデスクトップパソコンに迫るくらいの処理速度だ。

 今回書き出した動画には、エフェクトやトランジションは一切加えずただ繋げただけの動画なので、手を加えればそれだけ処理に時間はかかると思うが、基本的な作業でこれだけの速度で書き出しが行なえるのは驚きだ。

 さらに驚くのがソフトウェア処理での速度だ。CPU稼働率が下がっているのは不思議な現象ではあるが、GPUも含めてワンチップのCPUなので、総合的な負荷はOpenCLを用いるよりも軽いのだろう。レンダラーの選択項目に「高速処理」となっているが場合によってはソフトウェア処理のほうが速く書き出せることもあるようだ。

 編集作業はどんな感じなのかもチェックしてみた。カット間にトランジションを挿入してプレビュー再生してみたが、結構スムーズに再生が行なえている。トランジションの部分では若干の駒落ちもあるが、確認作業に支障をきたすほどではなく十分に実用性がある。

プレビュー再生は、トランジションの部分で若干の駒落ちはあるものの、確認程度なら十分だ

 トーンカーブでの補正も試したが、プレビューの反映はかなり速くスムーズだ。とはいえ、CPUとGPUの負荷はともに高くなり、相応の負荷がかかっているようだった。ただし、トーンカーブではなく基本補正の項目で明るさを調整すれば、ここまでの負荷はかからない。

トーンカーブの処理はCPUとGPUともに高負荷になる。基本補正のほうで明るさを調整したほうが、負荷は低い

 Premiere Proの書き出し速度は、モバイルノートパソコンのとは思えない速度だ。エフェクトやトランジションなどを加えるとそれなりに重くなり、16GBのメモリーでもちょっと足りないかもと思えるが、凝った演出をしない軽めの編集なら、快適な作業ができそうだ。これならロケや取材など出先で動画編集をしなければいけない状況にも対応できるといえる。

 登場から1年以上経っているが、Tiger Lakeは十分な処理能力を持っており、十分な実用性がある。そろそろ12世代目のモバイルCPUが登場しそうだが、仕事での利用を考えるなら安定して確実に動作し、実績のあるTiger Lakeは大注目のCPUといっていいだろう。

 取材やロケなどで機材と一緒に持ち運べる大きさと重量、そしてデスクトップパソコンにも匹敵する処理能力は、場所を問わず本格的な作業が可能で、パソコンだけでなくほかにも多くの機材を持ち運ぶ必要のある人や、単純に持ち運びしやすい高性能モバイルノートパソコンを望んでる人にオススメできる1台だ。

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