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16GBメモリーと512GB NVMe SSD搭載で11万9980円とお手頃なのも魅力

モバイル可能でもCore i7-1165G7とIris Xe グラフィックスで高い性能を発揮、クリエイター向け14型ノートPC「raytrek X4-T」の実力をチェック

2022年03月18日 13時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「raytrek X4-T」

 サードウェーブのクリエイター向けブランド「raytrek」から販売されている14型ノートパソコン「raytrek X4-T」(関連記事)は、薄く軽量に仕上がっており、モバイルでの運用を想定しているクリエイターには大注目のノートパソコン。加えて、11万9980円とリーズナブルな価格になっているのも特徴だ。

 今回はいったいどれくらいの処理能力を持っているのかを確認するために、ベンチマークテストを行なってみた。

raytrek X4-Tの主なスペック
CPU Core i7-1165G7(4コア/8スレッド、最大4.7GHz)
グラフィックス インテル Iris Xe グラフィックス
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD(NVMe対応)
ディスプレー 14型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約99%(sRGB比約100%) / AdobeRGBカバー率約74%(AdobeRGB比約74%)
内蔵ドライブ
通信規格 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.2
インターフェース Thunderbolt 4端子×2(USB PD対応、DisplayPort Alt Mode 映像出力対応)、USB 3.2 Gen2、USB 3.1 Gen1、USB 2.0、マイク入力/ヘッドフォン出力、HDMI出力
内蔵カメラ HD画質Webカメラ
サイズ/重量 およそ幅323.5×奥行219.5×高さ18.9mm/約1.5kg
OS Windows 11 Home(64bit)

モバイル可能なノートパソコンとしてはかなり高い性能を発揮

 まずはスペックを再確認しておこう。CPUは通称「TigerLake」と呼ばれるインテルの第11世代Coreプロセッサー「Core i7-1165G7」で、4コア/8スレッドで動作する。ターボブースト時の最大クロックは4.70GHz。登場から1年以上経ってはいるが、モバイル用として大きく進化を遂げたCPUだ。

 CPUそのものの処理能力は当然ながら、内蔵グラフィックのインテル Iris Xe グラフィックはノート用の低消費電力型GPUでありながらも、軽めのゲームならしっかりこなせる性能を持っており、従来のモバイル向けCPUから大きく進化している。

 メモリーは16GBで、8GB x2枚のデュアルチャネルで動作している。ただ、メモリーの増設はカスタマイズの選択肢がなく、16GB搭載モデルしか用意されていない。そのぶん価格がほかのCore i7-1165G7搭載ノートパソコンよりもいくぶんか低く、出荷もはやいという利点にもなっている。

 ストレージは512GBのSSDが搭載されており、こちらも変更はできない。ストレージの接続はPCIe 3.0で、Core i7-1165G7はPCIe4.0に対応しているため採用されていないのは少々残念だが、こちらもコスト面を重視した結果だろう。

 まずは「CINEBENCH R23」、CPUの処理能力を測定できるソフトでデフォルトで設定されている10分連続動作後の測定だ。冷えてる状態からの瞬発力ではなくCPUが十分に温まってからの測定なので、実用性のあるスコアが出る。

 テスト時には、タスクマネージャーとCPUのコア温度を表示する「Core Temp」で熱もチェックした。CPU負荷はテスト中は常時100%まで上がっていたが、クロック数は上がっても3.30GHz程度で余裕がありそうだ。コア温度は80度ちょっとまで上がるが、問題はないだろう。同じCPUを搭載するノートの中には90度近くまで上昇する機種もあるので、raytrek X4-Tは発熱対策もしっかりしていると思える。

タスクマネージャーとCPUコアの温度を表示するCore Tempを表示して、テスト中の様子をモニタリングした

マルチコアで5246pts、シングルコアで1440ptsは、ノート用パソコンとしても、Core i7-1165G7搭載モデルとしても高いほうだ。

 結果はマルチコアが5246pts、シングルコアが1440ptsとなった。モバイル用のCPUとしては高いスコアで、Core i7-1165G7は多くのパソコンに搭載されており実績のあるCPUだが、その中でも高めのスコアが出ている。

 続いてパソコンの色々な使用状態をシミュレートして、総合的な性能をチェックできる「PCMark10」をテスト。総合的なスコアだけでなく詳細で動作ごとに得意不得意が確認可能となっている。

スコアは「5127」。モバイル用ノートとしては十分に高いスコアだ

 総合スコア5127は、内蔵グラフィックスを利用するこのクラスのノートパソコンとしてはトップクラスの性能だ。詳細をみても軒並み高いスコアが出ており、一般的なビジネス系ソフトはもちろん、クリエイティブ系のソフトでも期待できる性能を持っているのが確認できた。CPU単体の処理能力が高いのはもちろん、内蔵グラフィックスのインテル Iris Xe Graphicsの性能の高さを再確認できる。

 ゲームベンチの定番「3DMark」もチェック。raytrek X4-TはディスクリートGPUを搭載せず、そもそもがゲーム向きのマシンではないがインテル Iris Xe Graphicsの性能を確認するためにチェックしておこう。DirectX12で動作する「Time Spy」とDirectX11で動作する「Fire Strike」の2つで試してみた。

スコアは「1763」思ったよりもいいスコアが出ている

こちらは「4736」と悪くないスコアだ

 Time Spyのスコアは「1763」、Fire Strikeは「4736」と悪くない結果になった。内蔵グラフィックでこれだけの性能が出ているのは評価できる。3D系は厳しいが2DベースやMMORPGならフルHD表示でもしっかり遊べるくらいの性能は持っているといっていいだろう。

 最後になるがストレージのチェックもしておこう。前述のとおり、カスタマイズで4.0接続が選べるとよかったが、実際のところPCIe 4.0接続になってもストレージの読み書きのベンチマークテストが向上するだけで、実用性にはあまり影響がないので問題ではないだろう。

PCIe 3.0で接続されているが、読み書き速度は十分な速度が出ている

 ベンチマークテストの結果は総じて良好といえる。過去にレビュー記事作成のため何台かのCore i7-1165G7搭載ノートのテストをしたが、その中でも高めの結果が出ている。ノートパソコンの場合、とくにモバイル用途の場合にはCPUのフルパワーを出すよりも駆動時間を延長させたり、発熱を抑えるたりするために電力制限をかけることがあると思うが、raytrek X4-Tのバッテリー駆動時間性能はスペック上で約11時間と、長時間の運用が可能。処理能力と効率ともいいバランスで調整できていると思える。

 次回は実際の作業を行ない、使用感をチェックしたいと思う。

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