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業界人の《ことば》から 第478回

レジだけでなく、スーパーマーケットのビジネスモデルを持ってきた企業

2022年03月29日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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破壊者ではなくエッセンシャルビジネスの成長を促す

 日本NCRの事業姿勢は明確だ。

 ターゲット市場は、小売、銀行、レストラン(外食)。そして、物理的な店舗を持つ企業の革新を支援する立場だ。

 「GAFAやFinTechは、既存産業に対するディスラプター(破壊者)として、新たなビジネスを創出している。日本NCRは、あくまでも、いまのビジネスを中心にし、デジタルを活用し、リアルやバーチャルを組み合わせて、変革を支援することに注力しており、その点が、GAFAとは異なる。店舗を持つお客様の強みを生かし、デジタルを活用して、新たな世界において、成長を支援するのが役割である」とする。

 米国では4大銀行のDXを支援しているほか、ウォルマートをはじめとする米国トップ10の小売業のうちの6社、マクドナルドやスターバックスといったグローバル外食企業などへの導入実績も持つ。

 こうした同社の姿勢をミッションとして示したのが「RUN the X」である。

 RUN the Xとともに、「私たちは、世界のレストラン、小売、銀行の円滑な事業の運営と継続を、全面的にサポートするNo.1テクノロジープロバイダーになります」という言葉を掲げる。

 日本NCRの小原社長は、「コロナ禍において、日本NCRが対象にしているお客様はすべてがエッセンシャルビジネスであることが再認識できた。その一方で、コロナ禍では、様々な障害が発生し、ビジネスを止めなくてはならないお客様も多かった」と前置きしながら、「お客様のビジネスを止めない、止まらないことを念頭において、ビジネス、サービス、テクノロジーを提供していくことが『RUN』に込めた思いである。そして、『X』には、レストラン、ストア、セルフダイレクトバンキングといった言葉が入ることになる。コロナ禍やデジタル社会の進展により、実店舗の存在価値が高まり、価値の再認識が進むと同時に、実店舗の存在が再定義されようとしている。顧客とのエンゲージメントをより深める場になっていたり、デジタルとの融合によって、配送や物流の新たな拠点としての役割も生まれたりしている。消費者のニーズが多様化するなかで、外食業、小売業、銀行における顧客体験価値が変化し、その向上に向けたアプローチが加速している。NCRはそれを支援していくことになる」とする。

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